クラシック音楽 ニュース


2022年3月18日

◆ウィーンの名ヴァイオリン奏者のワルター・バリリが死去(享年100歳)


 オーストリアの名ヴァイオリン奏者のワルター・バリリが2月1日に死去した。享年100歳。

 ワルター・バリリは、ウィーンに生まれ、ウィーン音楽アカデミーで学ぶ。1936年にミュンヘンでデビューを飾り、1938年国立歌劇場管弦楽団に入団。同年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団にも入団し、1939年には同楽団のコンサートマスターに就任した。

 1945年からはバリリ弦楽四重奏団を結成し、1959年に右肘を痛めるまで活動を継続。同四重奏団活動停止後もコンサートマスターとしての活動は継続した。1966年から1969年までウィーン・フィルハーモニーの楽団長を務め、1972年に退職。1969年以降はウィーン市立音楽院で後進の指導に当たっていた。

 ワルター・バリリのヴァイオリンの音色は、ウィーンの演奏家の中でも、とりわけ美しく、しかも温かいウィーン情緒たっぷりの演奏に多くのファンを引き付けた。日本にも数回来日し、多くのファンから熱狂的歓迎を受けた。

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2022年3月11日

◆指揮者の大町陽一郎が死去(享年90歳)


 指揮者の大町陽一郎が2月18日に死去した。享年90歳。

 東京都生まれ。東京芸術大学作曲科に入学するも、指揮への興味が募り、指揮法を渡邊暁雄、クルト・ヴェスに師事。その後、ウィーン国立音楽大学指揮科に入学し、指揮をハンス・スワロフスキー、フランコ・フェラーラに師事。さらにカール・ベーム、ヘルベルト・フォン・カラヤンの薫陶を受ける。

 1968年、ドルトムント市立歌劇場の常任指揮者に就任。1980年、日本人として初めてウィーン国立歌劇場に登場。同年クリーヴランド管弦楽団を指揮してアメリカデビューも果たし、1982年から1984年までウィーン国立歌劇場の専属指揮者として活躍。

 オペラ指揮者として、ベルリン国立歌劇場、プラハ・スメタナ国立歌劇場、ブラティスラヴァ国立歌劇場などに客演。コンサートでは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン交響楽団、北ドイツ放送交響楽団、ベルギー国立放送管弦楽団などを指揮。

 教育面では、東京芸術大学オペラ科教授を務め、後に東京芸術大学名誉教授となった。

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2022年3月09日

◆バスの妻屋秀和が「芸術選奨文部科学大臣賞」受賞


 文化庁は、令和3年度(第72回)「芸術選奨文部科学大臣賞」及び「同新人賞」の受賞者を発表したが、バスの妻屋秀和が芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。

 バスの妻屋秀和は、大阪府生まれ、島根県松江市出身。東京藝術大学卒業。同大学院修了。1992年よりミラノに留学。1994年~2001年ライプツィヒ歌劇場と専属契約し、モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」、ワーグナー「タンホイザー」等幅広いレパートリーで活躍。2002年~2011年ワイマール・ドイツ国民劇場専属歌手を務め、ブレゲンツ音楽祭、ライン・ドイツ・オペラ、ハノーバー州立歌劇場、マンハイム国民劇場、ベルリン州立歌劇場、スコティッシュ・オペラ等各地でオペラに出演。

 日本でのオペラ出演は、1988年藤原歌劇団ヴェルディ「マクベス」刺客が公式なデビュー。1992年の渡欧までは主に藤原歌劇団に出演。その後は欧州と日本を往復して活躍。1989年「イタリアコンコルソ・ミラノ部門」金賞、1991年第60回「日本音楽コンクール」声楽部門第3位、第3回「日本声楽コンクール」第2位、1996年度第24回「ジロー・オペラ賞」、第3回「ロシヤ歌曲賞」、2021年(令和3年度)芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

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2022年3月09日

◆指揮者のトゥガン・ソヒエフ、トゥールーズ・キャピトル管弦楽団とボリショイ劇場の音楽監督を辞任


 指揮者のトゥガン・ソヒエフは、トゥールーズ・キャピトル管弦楽団とボリショイ劇場の音楽監督を辞任すると発表した。

 ソヒエフは、ワレリー・ゲルギエフと同じく北オセチアのウラジカフカス出身。今回の辞任の理由は、ロシアのウクライナ侵攻についてフランスのトゥールーズ市当局から何らかの声明を出すように要請されていたことへの回答と思われる。

 トゥールーズ・キャピトル管との契約は2005年からで、2022年6月の任期満了の目前であった。

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2022年3月01日

◆ミュンヘン・フィル首席指揮者のワレリー・ゲルギエフが解雇


 ドイツのミュンヘン市は、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者で、ロシア出身のワレリー・ゲルギエフ氏を解雇した。

 理由は、ロシアのウクライナ侵攻にあるとされる。

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2022年2月27日

◆第20回(2021年度)「齋藤秀雄メモリアル基金賞」、 笹沼 樹(チェロ部門)と原田 慶太楼(指揮部門)が受賞


 第20回(2021年度)「齋藤秀雄メモリアル基金賞」(主催:公益財団法人ソニー音楽財団)は、 チェロ部門が笹沼 樹、指揮部門が原田 慶太楼が受賞した。

 チェロの笹沼 樹は、桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)チェロ科を首席卒業。桐朋学園大学ソリストディプロマコース修了、並びに学習院大学文学部ドイツ語圏文化学科卒業。桐朋学園大学大学院修了。NHK交響楽団アカデミー生を修了。カルテット・アマービレ、ラ・ルーチェ弦楽八重奏団のメンバー。第65回「ARDミュンヘン国際コンクール」弦楽四重奏部門にて第3位、委嘱新作特別賞を受賞。2019年にはニューヨークの「Young Concert Artists International Audition」で弦楽四重奏として第1位を受賞。第65回「全日本学生音楽コンクール」チェロ部門高校の部第1位及び日本放送協会賞受賞。第12回「東京音楽コンクール」弦楽部門第2位。第83回「日本音楽コンクール」チェロ部門入選。

 指揮の原田慶太楼は、1985年東京生まれ。インターロッケン芸術高校音楽科において、指揮をF.フェネルに師事。指揮法をロシアのサンクトペテルブルクで学び、2006年21歳のときにモスクワ交響楽団を指揮してデビュー。2009年、ロリン・マゼール主催の音楽祭「キャッソルトン・フェスティバル」にマゼール氏本人の招待を受けて参加。2010年には音楽監督ジェームズ・レヴァインの招聘を受けてタングルウッド音楽祭に参加、2011年には芸術監督ファビオ・ルイジの招聘によりPMFにも参加。2021年4月東京交響楽団正指揮者に就任。シンシナティ交響楽団およびシンシナティ・ポップス・オーケストラ、アリゾナ・オペラ、リッチモンド交響楽団のアソシエイト・コンダクターを経て、2020年シーズンから、アメリカジョージア州サヴァンナ・フィルハーモニックの音楽&芸術監督に就任。2010年タングルウッド音楽祭で小澤征爾フェロー賞、2013年ブルーノ・ワルター指揮者プレビュー賞、2014・2015・2016・2020・2021年米国ショルティ財団キャリア支援賞を受賞。第29回(2021年度) 渡邉曉雄音楽基金音楽賞受賞。

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2022年2月23日

◆日本芸術院、新会員に指揮者の小澤征爾など9人を選出


 日本芸術院は、新たに9人の会員を選出した。

 この一人に指揮者の小澤征爾(86歳)が選ばれた。

 これにより、日本芸術院の新たな会員数は103人となる。

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2022年2月16日

◆第69回「尾高賞」、西村 朗と岸野 末利加が受賞


 第69回「尾高賞」は、西村 朗と岸野 末利加の作品が受賞した。

 【授賞作品】西村 朗:華開世界~オーケストラのための(2020)[NHK交響楽団委嘱作品] [17分]

            作曲年2020年
            世界初演:2021年6月22日 東京オペラシティ コンサートホール

                  指揮:杉山洋一
                  管弦楽:NHK交響楽団

 【授賞作品】岸野 末利加:チェロとオーケストラのための What the Thunder Said / 雷神の言葉(2021)[西ドイツ放送委嘱作品] [7分30秒]

             作曲年2021年
             世界初演2021年11月12日 ケルン・フィルハーモニー(無観客)
             世界初演放送:2021年11月26日 西ドイツ放送番組 TonArt]

                     指揮:クリスティアン・マチェラル
                     チェロ:オーレン・シェブリン
                     管弦楽:ケルンWDR交響楽団

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2022年2月09日

◆群馬交響楽団、飯森範親が2023年から常任指揮者に就任


 群馬交響楽団は、小林研一郎ミュージック・アドバイザーの後任指揮者として、飯森範親を常任指揮者に選任した。任期は、2023年(令和5年)4月1日~2028年(令和8年)3月31日。

 飯森範親は、58歳。1986年 桐朋学園大学指揮科卒業。ベルリンへ留学。89年からバイエルン国立歌劇場でW.サヴァリッシュのもと研鑽を積む。

 1994年 東京交響楽団専属指揮者に就任。2004年から正指揮者、2020年から特別客演指揮者(~2022年3月)。1994年 モスクワ放送交響楽団特別客演指揮者に就任(~98年)。1995年 広島交響楽団正指揮者に就任(~2002年)。2001年 ドイツ・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団音楽総監督(GMD)に就任。現在、首席客演指揮者。2002年 いずみシンフォニエッタ大阪常任指揮者に就任。2004年 山形交響楽団常任指揮者に就任。22年4月から桂冠指揮者に就任予定。2014年 日本センチュリー交響楽団首席指揮者に就任。2021年 東京ニューシティ管弦楽団ミュージック・アドヴァイザーに就任。22年4月からパシフィック フィルハーモニア東京に改称、音楽監督に就任予定。

 2005年「渡邉暁雄音楽基金音楽賞」を受賞。2006年「芸術選奨文部科学大臣新人賞」、「中島健蔵音楽賞」を受賞。

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2022年2月06日

◆第23回「ホテルオークラ音楽賞」、上村文乃(チェロ)と田原綾子(ヴィオラ)が受賞


 2022年第23回「ホテルオークラ音楽賞」は、上村文乃(チェロ)と田原綾子(ヴィオラ)が受賞した。

 チェロの上村 文乃は、 桐朋学園大学ソリストディプロマコース卒業後、 ハンブルグ音楽演劇大学とバーゼル音楽院に留学。 リサイタルをはじめオーケストラ共演や室内楽の演奏も高く評価されている。 国内外の数多くの音楽祭への参加ならびにトリパルティ・トリオやバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとしても活躍中。第5回「東京音楽コンクール」第2位。 第4回「ルーマニア国際音楽コンクール」第1位、 第80回「日本音楽コンクール」第2位、 2015年「トレヴィーゾ市国際音楽コンクール」第1位など入賞歴多数。

 ヴィオラ田原 綾子は、 デトモルト音楽大学にてファイト・ヘルテンシュタイン氏に師事。 第11回「東京音楽コンクール」第1位および聴衆賞、 「ルーマニア国際音楽コンクール」全部門グランプリを受賞。 読売日本交響楽団、 東京交響楽団、 東京フィルハーモニー交響楽団、 東京都交響楽団などと共演、 室内楽奏者としても国内外の著名アーティストと多数共演するほか、 オーケストラの客演首席も務めるなど、 活躍の幅を広げている。

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