2014年6月16日
スペイン出身の世界的指揮者ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスが6月11日、スペイン・パンプローナで死去した。享年80歳。
スペイン国立管弦楽団の音楽監督を長年にわたり務めたほか、ベルリン放送交響楽団、ベルリン・ドイツ・オペラ、ライン・ドイツ・オペラの音楽監督、また、ウィーン交響楽団とモントリオール交響楽団の音楽監督などを歴任。さらに、2012年からはデンマーク国立放送交響楽団の首席指揮者を務めていた。
読売日本交響楽団とは、1974年6月の初共演以来しばしば共演し、1980年から1983年まで第4代常任指揮者、1984年から1990年まで首席客演指揮者を務め、1991年以降は名誉指揮者として、40年近くにわたり読響の発展に寄与した。
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2014年6月14日
ベネズエラを発祥とする音楽教育機関「エル・システマ」の日本法人であるエル・システマジャパンは、このほど子供たちへの音楽支援を行うことで、岩手県上閉伊郡大槌町と協力協定書に調印した。
大槌町は、東日本大震災では、人口あたりの死者・行方不明者数で東北三県被災自治体の中でも最悪と言える深刻な被害を受け、今でも多くの子どもたちが、仮設住宅、仮設校舎での生活を余儀なくされている。
そんな中で、地域の人々の音楽にかける思いはとても強く、槌音プロジェクトを始めとする様々なチャレンジが音楽関係者の協力のもとに始まっている。
今回締結された協力協定に基づき「大槌子どもウインドオーケストラ」がスタートするが、エル・システマジャパンは、まずは既存の学校クラブ活動(金管バンド、吹奏楽部、音楽部)への指導者派遣、楽器支援から始めることにしている。そして、保育・幼稚園や学童保育を通した、すべての子どもたちの居場所づくりにもなるような実践的な弦楽器、音楽プログラムの開発も含めて、大槌独自のエル・システマの枠組みを作って行く方針。
エル・システマジャパンは、日本国内において「エル・システマ」の理念に基づき、音楽や他の芸術活動を通し、子どもの自己実現の場の拡充を推進することを目的とし設立された。困難な立場にある子どもたちが参加できる子どもオーケストラ設立のための支援を、福島県相馬市から始め、将来的には、日本各地に展開、その活動を通して、子どもたちが、より積極的に自己実現をはかり、社会のための行動を起こせるような環境を整備していく予定。
エル・システマジャパンは、2012年4月より福島県相馬市立中村第一小学校器楽部へバイオリン専門家を派遣、また楽器の購入・修繕等の支援活動をスタートさせた。そして2013年2月には、エル・システマジャパンの支援が入っている学校 の子ども達157人が一同に会する「ジョイントコンサート」を開催。現在で は、未就学児や高校生を含む約90人の子どもたちが、弦楽オーケストラのメンバーとして日々練習に励んでいる。また、コーラスも、市立桜丘小学校合唱部をベースに中学生の合唱部OB・OGが加わった形での活動がはじまり、2013年12月には震災後再建された新市民会館において、135名の「相馬子どもオーケストラ&コーラス」のデビュー公演が行われた。
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2014年5月27日
2014年度「武満徹作曲賞」は、5月25日、東京オペラシティコンサートホールにおいて本選演奏会が行われ、大胡 恵が第1位を獲得した。
【受賞者】
第1位 大胡 恵(日本)
北之椿 ─ 親和性によるグラデイション第2番 ─
第2位 ジョヴァンニ・ダリオ・マンジーニ(イタリア)
かくて海は再び我らを封じた
第3位 ティモ・ルートカンプ(ドイツ)
ブラック・ボックス
【審査員】
ペーテル・エトヴェシュ(ハンガリー)
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2014年5月25日
本場のイタリア音楽を届けることを目標に日本の若手演奏家が結成したエメラルドフィルハーモニー交響楽団の第1回定期演奏会が、2014年7月15日、横浜みなとみらいホールおいて、指揮ジョアッキーノ ペンサート、コンサートミストレス会田莉凡、ソプラノ二宮望実で開催される。
同楽団は、現在、イタリア・パルマ国立音楽院で常任指揮者として活躍中のジョアッキーノ・ペンサートが、日本でもこの感動を伝えたいという思いから呼び掛け、ヴァイオリンの会田莉凡が日本国内で活躍する有望な若手演奏家を集め、40名で結成された。
音楽愛好家から、クラシックを初めて聴く人々まで、最初から最後まで気軽に、純粋に音楽を楽しめることを目標に置いている。
指揮のジョアッキーノ・ペンサートは、イタリア出身。パレルモ国立音楽院、パルマ国立音楽院大学院指揮科を卒業。 2004年第4回シチリアRassegna宗教曲コンクールにて作曲者、指揮者として優勝。ロンドン コヴェントガーデン指揮コンクール第2位。現パルマ国立音楽院オペラ指揮者。
ヴァイオリン&コンサートミストレスの会田莉凡は、 2010年第6回ルーマニア国際音楽コンクール弦楽器部門第1位、併せて全部門最優秀賞。2012年第1回秋吉台音楽コンクール弦楽器部門第2位(最高位)、併せて全部門最優秀賞にあたる山口県知事賞を受賞。同年、第81回日本音楽コンクールヴァイオリン部門第1位、併せて全部門の中で最も印象的だった演奏に贈られる増沢賞、レウカディア賞、黒柳賞、鷲見賞を受賞。
第1回定期演奏会のプログラムは次の通り。
<第一部>
① モーツァルト:オペラ「フィガロの結婚」序曲
② モーツァルト:オペラ「フィガロの結婚」より「恋とはどんなものかしら ケルビーノのアリア」
③ モーツァルト:オペラ「フィガロの結婚」より「愛の神よ 伯爵夫人のアリア」
④ モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番
<第二部>
⑤ ヴェルディ:オペラ「椿姫」序曲
⑥ ヴェルディ:オペラ「椿姫」より「不思議だわ!~ああ、そはかの人か~花から花へ」
⑦ メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
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2014年5月22日
日本芸術院は、2013年度「日本芸術院賞」の受賞者に、ピアニストの野島 稔氏(68歳)など4人を選んだ。授賞式は、7月1日に東京の帝国ホテルで行われる。
野島 稔氏の選定理由は、国内外での正統派ピアニストとしての演奏と後進の育成。
野島 稔氏は、神奈川県横須賀市出身。桐朋学園大学で学ぶ。1966年より旧ソ連の招きでモスクワ音楽院に留学し、レフ・オボーリンに師事。1969年、第3回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールに第2位。翌年カーネギーホールにおいて米国デビューを果たす。それ以後、日本とアメリカで演奏活動を展開する。現在、仙台国際音楽コンクールのピアノ部門で審査委員長を務めるほか、2006年には横須賀芸術劇場において「野島稔ピアノコンクール」を創設し、自ら審査委員長を務める。東京音楽大学学長。
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2014年5月02日
指揮者の井上道義(満67歳)は、「咽頭癌」であることが判明し、治療に専念するために6月末日まで演奏活動を休止することになった。
今後の演奏活動への復帰、および、治療と併行しての演奏活動のペース配分などについては、現在では判断できない状況にあるという。
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2014年4月05日
NHK交響楽団は「最も心に残ったN響コンサート&ソリスト」のアンケート結果を発表した。これは、2013年1月~12月に行われた定期公演から、演奏の聴衆に投票を依頼し、450を超える票をもとに決定したもの。
【最も心に残ったN響コンサート2013】
第1位 9月Cプログラム
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ブラームス/交響曲 第4番 ホ短調 作品98
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ヴァイオリン:フランク・ペーター・ツィンマーマン
[第1762回定期公演 / 2013年9月27、28日]
【最も心に残ったソリスト2013】
第1位 フランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン)
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
[第1762回定期公演 / 2013年9月27、28日]
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2014年3月31日
「第45回(2013年度)サントリー音楽賞」は、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンに決定した。
鈴木雅明は、自ら創設したバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の音楽監督として、長年にわたりバロックの声楽作品を中心とする演奏活動を続けてきた。
レパートリーは、BCJの名前を冠するJ.S.バッハの作品のほか、ヘンデルやクーナウ等々、バロックのなかでも広がりと奥行きを見せている。
活動は国内外の古楽の音楽祭で、鈴木雅明とBCJは、すでに定番の顔ぶれとなっている。
2013年2月には、1995年以来時系列を追って継続してきたバッハの「教会カンタータ」全曲演奏を完結させるとともに、その全集録音も55巻のCDとして完成させた。
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2014年3月31日
「第13回(2013年度)佐治敬三賞」は、「東京現音計画♯01~イタリア特集I:コンポーザーズセレクション1・杉山洋一」および「東方綺譚 “Nouvelles Orientales de Marguerite Yourcenar”」の2公演に決定した。
「東京現音計画」は、日本の現代音楽界の第一線で活躍する5人の音楽家、有馬純寿(エレクトロニクス)、大石将紀(サクソフォン)、神田佳子(打楽器)、黒田亜樹(ピアノ)、橋本晋哉(チューバ)が立ち上げた団体。今回の受賞公演は、その第1回演奏会にあたり、作曲家・杉山洋一をゲストに招き、彼の選曲で組み立てられていた。
「アンサンブル室町」は、和楽器とバロック楽器の混合編成により空間と時間を超えた芸術表現を追求する、独創的な理念に立脚したアンサンブル。2013年10月26日、津田ホールで開催された「東方綺譚 “Nouvelles Orientales de Marguerite Yourcenar”」と題するコンサートは、マルグリット・ユルスナールの小説集「東方綺譚」をテーマに、日本とフランスの4人の作曲家が世界初演となる新作を寄せるという、意欲的かつ筋の通った企画のもとに行われた。
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2014年3月31日
第24回「出光音楽賞」は、ヴァイオリンの小林美樹、ヴァイオリンの成田達輝、作曲・編曲の挾間美帆が受賞した。
ヴァイオリンの小林美樹(23歳)は、アメリカ・サンアントニオ生まれ。2011年10月、5年に一度ポーランドで行われる第14回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールで第2位を受賞。2013年は、東京・紀尾井ホールで本格デビューリサイタルを果たした。
ヴァイオリンの成田達輝(21歳)は、札幌市出身。2010年、桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)卒業。同年11月、ロン=ティボー国際コンクール第2位およびサセム賞受賞。2011年よりパリ国立高等音楽院で学ぶ。2012年、エリザベート王妃国際コンクール第2位およびウジェーヌ・イザイ賞を受賞。2013年、第5回仙台国際音楽コンクール第2位を受賞。現在、パリ在住。
作曲・編曲の挾間美帆(27歳)は、2009年、国立音楽大学作曲専攻卒業。在学中より作編曲活動を行なう。2008年、東京オペラシティ・コンサートホールで初演された山下洋輔「ピアノ・コンチェルト第3番<エクスプローラー>」のオーケストレーションを担当、絶賛を博した。2010年、ジャズ・コンポジションを学ぶためニューヨークに留学。2011年、ASCAP ヤングジャズコンポーザーアワード受賞。2011年度の文化庁新進芸術家海外研修制度研修員に選ばれる。
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