2022年4月19日
ルーマニア出身の名ピアニスト ラドゥ・ルプーが4月17日、スイス・ローザンヌの自宅で死去した。享年76歳。
ラドゥ・ルプー(1945年―2022年)は、ルーマニア、ガラツ出身。1959年にブカレスト音楽院でフロリカ・ムジチェスクに入門(天才ピアニストのリパッティと同門)。1960年より1968年までモスクワ音楽院に留学してスタニスラフ・ネイガウスらに師事する。1966年第2回「ヴァン・クライバーン国際コンクール」、1967年「エネスコ国際コンクール」、1969年「リーズ国際ピアノ・コンクール」においてそれぞれ優勝。1969年のリサイタルでロンドン・デビューを成功させたのを機に、イギリスを本拠に国際的な演奏活動を行う。
ロンドン・デビュー当時に地元紙により”千人に一人のリリシスト”と呼ばれ、以降、これがルプーを形容する表現としてしばしば使われた。「ヴァン・クライバーン国際コンクール」優勝時にはアメリカでのデビュー演奏は行わなかったが、「リーズ国際ピアノ・コンクール」優勝後にデッカと契約し、そのディスクの名声によって1972年にアメリカでのデビューを果たす。1978年にはザルツブルク音楽祭に出演。1973年を皮切りに以後たびたび来日した。