クラシック音楽 ニュース


2021年8月20日

◆野平一郎氏、東京文化会館音楽監督に就任


 作曲家でピアニストの野平一郎氏が2021年9月1日より、東京文化会館音楽監督に就任する。

 野平一郎(のだいら いちろう)氏は、1953年生まれ。東京藝術大学、同大学院修士課程作曲科を修了後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学ぶ。作曲・ピアノ・指揮・プロデュース・教育など多方面にわたる活動をおこなう。ピアニストとしては内外のオーケストラにソリストとして出演する一方、多くの内外の名手たちと共演し、室内楽奏者としても活躍。古典から現代までそのレパートリーは幅広い。近年はコンチェルトの弾き振りや、自作自演を含めた指揮活動も多い。

 140曲に及ぶ作品の中には、フランス文化庁、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、IRCAM、国立劇場等国内外からの委嘱作品があり、いずれの作品も圧倒的な成功を収めた。また、100枚をこすCDをリリースしている。

  第13回中島健蔵音楽賞(1995)、第44回、第61回尾高賞、芸術選奨文部大臣新人賞、第11回京都音楽賞実践部門賞(1996)、第35回サントリー音楽賞(2004)、第55回芸術選奨文部科学大臣賞(2005)、日本芸術院賞(2018)を受賞。2012年春、紫綬褒章を受章。

 現在、静岡音楽館AOI芸術監督、東京藝術大学名誉教授、東京音楽大学作曲科教授。芥川也寸志メモリアル・オーケストラ・ニッポニカ ミュージカル・アドヴァイザー。日本フォーレ協会会長。日本ベートーヴェンクライス代表理事。2021年より3年間、モナコ・ピエール皇太子財団音楽評議員を務める。2022年開催仙台国際音楽コンクールのピアノ部門審査委員長。

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2021年8月18日

◆ピアニストの斎藤雅広が死去(享年62歳)  


 ピアニストの斎藤雅広が死去した。享年62歳。

 斎藤雅広(1958年生まれ)は、東京都出身。東京藝術大学音楽学部卒、同大学院修了。大学1年(18歳)の時、第46回「毎日音楽コンクール」ピアノ部門第1位。安宅賞・霧島国際音楽賞受賞。NHK交響楽団との共演でデビュー。ポーランドの古都クラクフに留学。

 ソロ活動のほか、ピアノ伴奏、「斎藤雅広と仲間たち」というリーダー・ユニットのかたちで、ファミリーコンサートも手掛けた。テレビやラジオのパーソナリティーのほか、放送作家、作曲家、編曲家、エッセイストとしても活躍した。

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2021年7月30日

◆ソプラノ歌手の伊藤京子が死去(享年94歳)


 伊藤京子は、静岡県出身。東京音楽学校(現東京芸術大)を経て1949年「日本音楽コンクール」第1位。1950年に日本初演のプッチーニ:歌劇「トゥーランドット」のリュー役でオペラデビュー。

 多くの歌劇でプリマドンナを務め、團伊玖磨氏の「夕鶴」のつうを当たり役とするなど、戦後の日本のオペラ界で長く活躍した。日本演奏連盟理事長など音楽団体の要職も歴任した。

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2021年7月13日

◆ヴァイオリニストの辻久子が死去(享年95歳)


 ヴァイオリニストの辻久子が死去した。享年95歳。

 辻久子は、大阪府出身。ヴァイオリニストだった父・吉之助から6歳で英才教育を受け、9歳の時に大阪松竹座で初めて演奏。

 1938年(12歳)で「第7回音楽コンクール」(現在の日本音楽コンクール)でバイオリン部門第1位と文部大臣賞に輝き、「天才少女、現れる」と、一躍脚光を浴びた。

 1956年、ハチャトゥリアンの「バイオリン協奏曲」日本初演が評価され毎日音楽賞(現在の毎日芸術賞)を受賞。さらにショスタコービチのバイオリン協奏曲の日本初演(57年)、バッハの無伴奏ソナタ全曲演奏(66~67年)など積極的な演奏活動を行った。

 旧ソ連やイギリス、スイスなど海外演奏旅行にも出かけた。演奏活動のかたわら、88年から8年間、兵庫県教育委員を務めた。大阪市内に「桜宮弦楽塾」と「辻久子記念弦楽アンサンブルホール」を開き、後進の指導にあたった。大阪芸術大学名誉教授。辻久子弦楽塾塾長。

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2021年6月23日

◆「原信夫とシャープス&フラッツ」を率いたサックス奏者の原信夫が死去(享年94歳)


 ジャズのビッグバンド「原信夫とシャープス&フラッツ」を率いたサックス奏者の原信夫が死去した。享年94歳。

 原信夫は、富山県富山市出身。1950年、神奈川県横浜市のキャバレーで演奏していたバンド「ムーンライト」に参加し、テナーサックスを担当。その後、「ムーンライト」のリーダーに就任し、活動拠点を横浜から東京都品川区にあった在日アメリカ合衆国軍のクラブへ移す。

 これを機に、バンド名を「ムーンライト」から「シャープス・アンド・フラッツ」に改名。カウント・ベイシーを始め、北村英治、前田憲男ら多くの有名ジャズマンたちと共演する。江利チエミや美空ひばりとも、コンサートでの演奏やレコーディングを通じて、多数の共演がある。

 作曲作品は「真赤な太陽」(歌:美空ひばり)など。南里文雄賞 (1982年)、芸術祭優秀賞(1983年)、紫綬褒章(1988年)、勲四等旭日小綬章(1998年)、第38回「日本レコード大賞」功労賞(1996年)などを受賞(章)。

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2021年6月21日

◆日本フィル、現首席指揮者ピエタリ・インキネンとの契約を2021年9月より2年間延長


 日本フィルハーモニー交響楽団は、現首席指揮者ピエタリ・インキネンとの契約を2021年9月より2年間延長することを決定した。

 インキネンは、2009年9月より日本フィルの首席客演指揮者、2016年9月からは首席指揮者となり、現在に至っている。

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2021年6月17日

◆第17回「ハチャトゥリャン国際コンクール」、指揮の出口大地が優勝


 アルメニアの首都エレバンで行われた第17回「ハチャトゥリャン国際コンクール」(今年は指揮部門)で、出口大地が優勝した。指揮部門での日本人の受賞は今回が初めて(2012年に田部絢子がヴァイオリン部門で優勝)。

 同コンクールは、20世紀の偉大な作曲家であるアラム・ハチャトゥリャンの生誕100周年にちなんで、2003年に始まった国際コンクールで、毎年、約20か国から若手音楽家が参加している(指揮のほか、ピアノ、ヴァイオリン、チェロの3部門がある)。

 出口大地は、1989年大阪生まれ。 関西学院大学法学部卒業後、東京音楽大学作曲指揮専攻を経て、現在は、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン指揮科修士課程に在籍。

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2021年6月16日

◆第51回「ENEOS音楽賞」、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールと沼尻竜典、広島交響楽団が受賞


 第51回「ENEOS音楽賞」は、洋楽部門本賞が滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールと沼尻竜典、洋楽部門奨励賞が広島交響楽団が受賞した。

                     ◇

【洋楽部門本賞 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールと沼尻竜典】

<贈賞理由>

 1998年に「創造する劇場」との看板を掲げて設立された「びわ湖ホール」は、芸術諸分野でまさに創造的な活動を展開し、都市圏の劇場にも増して傑出した存在感を示し続けてきた。特に音楽分野では、専属の「びわ湖ホール声楽アンサンブル」の活動や、初代芸術監督・若杉弘のもと、ヴェルディ日本初演作品シリーズで大きな成果を上げ、つづく第2代の沼尻竜典のもとでも、「リング」全曲などのワーグナーや、近現代のオペラ作品の上演で圧倒的な成功を成し遂げ、今や我が国のオペラ制作や上演において欠くべからざる存在となっている。活動を成功に導いたホールの充実した運営や制作力、ここ10数年、芸術的に牽引した沼尻竜典の秀でた能力を顕彰し、さらなる充実を期待して本賞を贈賞する。(音楽賞洋楽部門 選考委員会)

【洋楽部門奨励賞 広島交響楽団】

<贈賞理由>

 広島交響楽団の近年の進展ぶりは目覚ましい。2017年以降、新設した「音楽総監督」に下野竜也を迎え、秋山和慶体制で培ったアンサンブル能力をさらに向上させた。また「ディスカバリー・シリーズ」も継承・発展させ、演奏機会の希少な作品をトークを交えて紹介、聴衆の関心領野は格段に拡がっている。加えて同年より実施した「Music for Peaceプロジェクト」を特筆したい。マルタ・アルゲリッチを筆頭に世界的アーティストが演奏会および講習会に参加し、2019年には楽団のワルシャワ公演が実現。原子爆弾被爆75年の2020年には、コロナ禍に直面しつつも被爆ピアノを用いた藤倉大の新作協奏曲「Akiko’s Piano」の世界初演を敢行した。地域に、そして世界に密着しながら音楽性を高めてゆく姿勢を支持し、奨励賞を贈る。(音楽賞洋楽部門 選考委員会)

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2021年6月11日

◆2021年度「武満徹作曲賞」、根岸宏輔が第1位  


 2021年度「武満徹作曲賞」第1位は、根岸宏輔(日本)「雲隠れにし 夜半の月影」が受賞した。

 今回、審査員のパスカル・デュサパン氏は、新型コロナウイルス感染症に係る入国制限措置の影響により来日できず、パリのパレ・デ・コングレ・ド・パリにて、高音質・高画質の通信を用いて聴き、審査した。

 根岸宏輔(日本)は、1998年、埼玉県本庄市生まれ。2020年第37回「現音作曲新人賞」、併せて聴衆賞を受賞。同年、第31回「朝日作曲賞」(合唱組曲)を受賞。日本大学芸術学部音楽学科作曲・理論コース(作曲)を卒業後、現在は同大学大学院修士課程に在籍し、伊藤弘之氏に作曲を師事している。

                           
                     ◇

【受賞者】

第1位 根岸宏輔(日本) 雲隠れにし 夜半の月影

第2位 ジョルジョ・フランチェスコ・ダッラ・ヴィッラ(イタリア) BREAKING A MIRROR

第3位 ヤコブ・グルッフマン(オーストリア) TEHOM

第3位 ミンチャン・カン(韓国) 影の反響、幻覚…

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2021年5月30日

◆「エリザベート王妃国際音楽コンクール」ピアノ部門、務川慧悟3位、阪田知樹4位に入賞


 世界三大コンクールの一つ「エリザベート王妃国際音楽コンクール」のピアノ部門で、務川慧悟が3位、阪田知樹が4位に入賞した。

 務川慧悟は、愛知県知多郡東浦町出身。東京藝術大学1年在学中の2012年、第81回「日本音楽コンクール」1位。2014年、パリ国立高等音楽院に審査員満場一致の主席で合格し渡仏。2017年、シャネル・ピグマリオン・デイズのアーティストに選出され、ラヴェルピアノ作品全曲演奏をテーマに全6回のリサイタルを開催。2018年第10回「浜松国際ピアノコンクール」第5位。2019年「ロン=ティボー=クレスパン国際音楽コンクール」ピアノ部門第2位。2021年「愛知県芸術文化選奨文化新人賞」受賞。

 阪田知樹は、愛知県名古屋市出身。東京藝大附属高、東京藝大を経て、ハノーファー音楽演劇大学にて学士、修士首席修了、現在同大学院ソリスト課程に在籍。世界的ピアニストを輩出し続ける「コモ湖国際ピアノアカデミー」の最年少生徒として認められて以来、イタリアでも研鑽を積む。ウィーンの三羽烏パウル・バドゥラ=スコダ氏に10年にわたり師事。2016年「フランツ・リスト国際ピアノコンクール」第1位と6つの特別賞。第14回「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」にて弱冠19歳で最年少入賞。

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