クラシック音楽 新譜CD情報


バックナンバー 2023年 3月

2023年3月30日

★オランダの鬼才 ヤン・ヴィレム・デ・フリーント指揮京都市交響楽団のシューベルト:交響曲第8番「ザ・グレイト」 


シューベルト:交響曲第8(9)番 ハ長調 D944 「ザ・グレイト」

指揮:ヤン・ヴィレム・デ・フリーント

管弦楽:京都市交響楽団

録音:2022年5月21日、京都コンサートホール(ライヴ録音)

 指揮のヤン・ヴィレム・デ・フリーント (1962年生まれ)は、オランダ出身。1982年に古楽レパートリーを得意とする合奏団「コンバッティメント・コンソート・アムステルダム」を設立。デ・フリーント自ら同楽団の音楽監督、コンサートマスター、指揮者に就任。オランダ国内外で多くの演奏会を開催し、CDも多数リリース。2006年から2017年までエンスヘデのオルケスト・ファン・ヘット・オーステン(2011年にオランダ交響楽団と改称)の音楽監督を務めた。 2013年以降は指揮者としての活動に専念。2014年ハーグ・レジデンティ管弦楽団常任指揮者に就任。現在、バルセロナ交響楽団、リール国立管弦楽団、シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者を務めるほか、世界中のオーケストラに客演。2024年4月から京都市交響楽団首席客演指揮者に就任予定。

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2023年3月27日

★アラベラ・美歩・シュタインバッハーの”バッハとペルト”


ペルト:フラトレス~ヴァイオリン、弦楽オーケストラと打楽器のための
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042
ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
ペルト:鏡の中の鏡

ヴァイオリン:アラベラ・美歩・シュタインバッハー

管弦楽:シュトゥットガルト室内管弦楽団(コンサートマスター:ラヴァー・スコウ・ラーセン)

ヴァイオリン:クリストフ・コンツ

ピアノ:ピーター・フォン・ヴァインハルト

CD:キングインターナショナル KKC-6633

 このCDのバッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 のアラベラ・美歩・シュタインバッハーの共演はクリストフ・コンツ。コンツといえばアカデミー賞を受賞したカナダ映画「レッド・ヴァイオリン」の神童カスパー・ワイス役(当時9歳)を演じたことでも知られるヴァイオリニスト。現在はウィーン・フィルの第2ヴァイオリン首席奏者をつとめる傍ら、ソロ活動も積極的に展開している。

 また、このCDでアラベラ・美歩・シュタインバッハーは、エストニア出身の作曲家アルヴォ・ペルト(1935年生まれ)の作品を、冒頭に「フラトレス」、最後に「鏡の中の鏡」を、まるでプロローグとエピローグのように据えている。ペルトの2作は現代のヴァイオリニストの必須レパートリーともいえる作品で、ことに「フラトレス」は頻繁に演奏される。

 ヴァイオリンのアラベラ・美歩・シュタインバッハーは、ドイツ、ミュンヘン出身。ミュンヘン音楽大学で学んだほか、ドロシー・ディレイやイヴリー・ギトリスに師事。2000年にハノーファーで開催された「ヨーゼフ・ヨアヒム・ヴァイオリン・コンクール」で入賞。2004年にはチョン・キョンファのキャンセルにより急遽パリでネヴィル・マリナー指揮するフランス国立放送フィルへのデビューが決まり、そこで演奏したベートーヴェンのコンチェルトの演奏により一躍、注目を集めるようになった。

 

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2023年3月23日

★大野和士指揮東京都交響楽団 2019年「幻想交響曲」ライヴ録音盤


ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14

指揮:大野和士

管弦楽:東京都交響楽団

録音:2019年4月20日、東京芸術劇場コンサートホール

CD:ALTUS ALT-523

 東京都交響楽団と音楽監督・大野和士によるALTUSライヴシリーズ、マーラー「巨人」(ALT-522)に続く第2弾。ベルリオーズ没後150年にあたる2019年に演奏された「幻想交響曲」を収録。

 指揮の大野和士(1960年生れ)は、東京都出身。東京芸術大学指揮科に入学。大学卒業後、25歳の時欧州に渡る。1987年「アルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクール」で優勝。1988年ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者・音楽監督に就任。その後、カールスルーエ・バーデン州立歌劇場の音楽総監督、ベルギー王立歌劇場(モネ劇場)の音楽監督を務めた。2008年フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者、2012年アルトゥーロ・トスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者に就任。2015年東京都交響楽団の音楽監督、また同年バルセロナ交響楽団の音楽監督就任。2018年より新国立劇場のオペラ部門の芸術監督に就任。2010年「日本芸術院賞」恩賜賞受賞、「サントリー音楽賞」受賞、文化功労者に選ばれる。2017年フランス共和国より芸術文化勲章「オフィシエ」を受勲。同時にリヨン市からリヨン市特別メダル授与された。

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2023年3月20日

★小倉貴久子 フォルテピアノによる ベートーヴェン:クラヴィーア・ソナタ 作品109、110、111


ベートーヴェン:クラヴィーア・ソナタ ホ長調 作品109(第30番)
        クラヴィーア・ソナタ 変イ長調 作品110(第31番)
        クラヴィーア・ソナタ ハ短調 作品111(第32番)

フォルテピアノ:小倉貴久子

使用楽器:J.B.シュトライヒャー(ウィーン 1845年)

CD:ALM RECRDS(コジマ録音) ALCD-1216

 フォルテピノの小倉貴久子は、東京都出身。東京藝術大学を経て同大学大学院修了。アムステルダム音楽院を特別栄誉賞つき首席卒業。「日本モーツァルトコンクール」ピアノ部門第1位。1995年「ブルージュ国際古楽コンクール」フォルテピアノ部門において第1位と聴衆賞を受賞。平成24年度「文化庁芸術祭」レコード部門〈大賞〉(CD「イギリス・ソナタ」)受賞。「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」クラシック部門【独奏・独唱部門賞】、「ENEOS音楽賞」洋楽部門奨励賞受賞、「下總皖一音楽賞」受賞。著書に「カラー図解ピアノの歴史」(河出書房新社)、校訂楽譜「ジュスティーニ:12のソナタ集」「バロック名曲集」(カワイ出版)、「ソナチネ音楽帳」(音楽之友社)。TV、ラジオへの出演も多い。フォルテピアノ・アカデミーSACLA主宰。東京藝術大学及び、東京音楽大学講師。

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2023年3月16日

★~ニューイヤー・コンサート2023 フランツ・ウェルザー=メスト指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団~


【CD1】

<第1部>

エドゥアルト・シュトラウス
1.ポルカ・シュネル「誰が一緒に踊るの?」 作品251

ヨーゼフ・シュトラウス
2.ワルツ「英雄の詩」作品87

ヨハン・シュトラウス2世
3.「ジプシー男爵」のカドリーユ 作品422

カール・ミヒャエル・ツィーラー
4.ワルツ「心地よい夜に」作品488[オペレッタ「放浪者」より]

ヨハン・シュトラウス2世
5.ポルカ・シュネル「元気に行こう!」作品386

<第2部>

フランツ・フォン・スッペ
6.喜劇的オペレッタ「イザべッラ」序曲

ヨーゼフ・シュトラウス
7.演奏会用ワルツ「愛の真珠」作品39

ヨーゼフ・シュトラウス:
8.ポルカ・フランセーズ「アンゲリカ・ポルカ」作品123

エドゥアルト・シュトラウス
9.ポルカ・シュネル「さあ、逃げろ!」作品73

<CD 2>

ヨーゼフ・シュトラウス
1.ポルカ・フランセーズ「上機嫌」作品281
[歌詞:アンナ・マボ/合唱への付曲:ゲラルト・ヴィルト]
2.ポルカ・シュネル「いつまでも永遠に」作品193
3.ワルツ「まひわ」作品114

ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世
4.バレエ「エクセルシオール」より グロッケン・ポルカとギャロップ
[「電信たち」の場面の音楽/バレエ原曲はロムアルド・マレンコ作曲/ルイジ・マンゾッティ振付による]

ヨーゼフ・シュトラウス
5.オーケストラ・ファンタジー「アレグロ・ファンタスティーク」Anh.26b
6.ワルツ「水彩画」作品258

[アンコール]
ヨハン・シュトラウス2世
7.ポルカ・シュネル「山賊のギャロップ」 作品378

8.新年の挨拶

ヨハン・シュトラウス2世
9.ワルツ「美しく青きドナウ」 作品314

ヨハン・シュトラウス1世
10.ラデツキー行進曲 作品228

指揮:フランツ・ウェルザー=メスト

管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

合唱:ウィーン少年合唱団、ウィーン少女合唱団

録音:2023年1月1日、ウィーン、ムジークフェラインザールでのライヴ録音

CD:ソニーミュージック SICC-2241~42(2CD)

 毎年1月1日に行なわれるウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート。クラシック音楽の中でも最も有名で、ウィーンの誇る黄金のムジークフェラインザールからTVとラジオを通じて世界90カ国以上に放送され、5千万人が視聴するというビッグ・イベント。1939年に始まる75年以上の歴史を誇るこのコンサートでは、音楽の都ウィーンを象徴するシュトラウス一家のワルツやポルカが演奏され、その高額のチケットは世界一入手困難と言われている。

 2023年は、生粋のオーストリア人、フランツ・ウェルザー=メストが2011年・2013年以来、10年ぶりに登場。ウェルザー=メストは今ウィーン・フィルと最も関係の深い指揮者の一人。

 指揮のフランツ・ウェルザー=メスト(1960年生れ)は、オーストリア、リンツ出身。ミュンヘン音楽大学で学ぶ。1990年ロンドン・フィルの音楽監督に就任。1995年チューリッヒ歌劇場の音楽監督に就任し、同歌劇場の知名度を飛躍的に高めた。2002年クリーヴランド管弦楽団の音楽監督に就任。そして、2010年小澤征爾の後任としてウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任し、カラヤン以来約半世紀ぶりに地元オーストリア人の監督職就任として話題を集めた。現在、クリーヴランド管弦楽団音楽監督。2011年、2013年、2023年にウィーンフィルの「ニューイヤーコンサート」の指揮者を務めた。

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2023年3月13日

★辰巳美納子のドメニコ・スカルラッティ:チェンバロのためのソナタ集 Vol. 1 


ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ ト長調 K. 201
             ソナタ 変ロ長調 K. 202
             ソナタ ホ短調 K. 203
             ソナタ ニ長調 K. 118
             ソナタ ニ長調 K. 119
             ソナタ ロ短調 K. 197
             ソナタ ハ長調 K. 143
             ソナタ ト短調 K. 546
             ソナタ ト長調 K. 547
             フーガ ニ短調 K. 41
             ソナタ ロ短調 K. 87
             ソナタ ハ長調 K. 460
             ソナタ ハ長調 K. 461

チェンバロ:辰巳美納子

CD:ALM RECORDS(コジマ録音) ALCD-1212

 チェンバロンの辰巳美納子は、武蔵野音楽大学ピアノ科卒業後、東京藝術大学チェンバロ科卒業、同大学院修了。藝大在学中に第5回「古楽コンクール<山梨>」最高位、同時に第3回「栃木[蔵の街]音楽祭賞」受賞。その後、オランダ政府奨学金を得てアムステルダム・スヴェーリンク音楽院に学び、オランダ国家演奏家資格を取得し卒業。オルガン、フォルテピアノをあわせて学んだ。在蘭中より様々な演奏を行い、帰国後はソロ活動やNHK-FM、NHK-BSに出演の他、ソリスト及び通奏低音チェンバロ、オルガン奏者として、全国各地の演奏会や録音に多数出演。鋭い感性と自在な表現で全体を支える通奏低音には定評があり、多くの指揮者、共演者から信頼を寄せられる。ソロ演奏においても、作品への深い対峙に裏付けられた表情豊かな演奏が常に高い評価を得ている。

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2023年3月09日

★鈴木美登里主宰声楽アンサンブル「ラ・フォンテヴェルデ」による日本初のモンテヴェルディのマドリガーレ全集が完成 


<CD1>

モンテヴェルディ:マドリガーレ集第9巻「2声と3声のマドリガーレとカンツォネッタ」(1651)

          すてきな羊飼いさん
          西風が戻り
          誰も私に忠告しないように
          愛の神は常に、楽しんでもよいと
          お前の胸に
          愛したくない
          今日、そよ風はなんと甘く
          踊りへ、喜びへ、楽しみへ
          なぜ、僕を嫌ってたのに
          そう、可愛らしく美しい
          ほらほら、幼く愛らしい羊飼いたちよ
          愛する人よ、命の人よ

演奏:ラ・フォンテヴェルデ

     鈴木美登里・染谷熱子(ソプラノ)
     布施奈緒子(メゾ・ソプラノ)
     上杉清仁(カウンターテナー)
     谷口洋介・中嶋克彦(テノール)
     小笠原美敬(バス)
     金子浩(リュート/バロック・ギター)
     伊藤美恵(バロック・ハープ)
     上尾直毅(チェンバロ)

<CD2>

「薄情な女たちのバッロ」~マドリガーレ集第8巻「戦いと愛のマドリガーレ」(1638)より

プルート:小笠原美敬
ヴィーナス:鈴木美登里
愛の神:染谷熱子
薄情な女:森川郁子
地獄の霊たち:上杉清仁、谷口洋介、中嶋克彦、小笠原美敬
4人の薄情な女たち:森川郁子、染谷熱子、鈴木美登里、上杉清仁

若松夏美・荒木優子(ヴァイオリン)
成田寛・佐藤駿太(ヴィオラ)
山本徹(チェロ)
西澤誠治(ヴィオローネ)
金子浩(リュート)
伊藤美恵(バロック・ハープ)
上尾直毅(チェンバロ/オルガン)

CD:キングインターナショナル(Arte dell’arco) ADJ069

 鈴木美登里を中心に結成された本格派声楽アンサンブル「ラ・フォンテヴェルデ」による日本初のモンテヴェルディのマドリガーレ全集が完成。6年の歳月をかけたモンテヴェルディのマドリガーレ全集、そのアルバム最終章はマドリガーレ集第9巻「2声と3声のマドリガーレとカンツォネッタ」と第8巻「戦いと愛のマドリガーレ」より「薄情な女たちのバッロ」を収録。

 ソプラノの鈴木美登里は、京都市立芸術大学声楽科及び同大学院修了。京都音楽協会賞受賞。在学中より興味を抱いていた古楽の研鑽を深めるため、兵庫県芸術文化海外留学助成金を受けオランダに留学。アムステルダム古楽アカデミーにおいてバロック期の声楽曲をM.vanエグモント氏に、ブラバント音楽院において、グレゴリオ聖歌からバロック期に至る声楽アンサンブルをR.スチュワート女史に師事。ディプロマを取得して卒業。2000年に帰国してからは、特に初期バロック期のソロ声楽曲やマドリガーレの研究に力を注ぎ、2002年にはルネサンス~初期バロックのマドリガーレをレパートリーとする声楽アンサンブ「ラ・フォンテヴェルデ(La Fonteverde)」を結成。コンサートや講習会など積極的な活動を展開している。

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2023年3月06日

★アンドラーシュ・シフによる全編クラヴィコードによるバッハ作品集


<CD 1>

バッハ:カプリッチョ《最愛の兄の旅立ちに寄せて》BWV992
    インヴェンション BWV772-786
    4つのデュエットBWV802-805
    3声のリチェルカーレ~《音楽の捧げもの》BWV 1079より

<CD 2>

バッハ:シンフォニア BWV787-801
    半音階的幻想曲とフーガ BWV903

クラヴィコード:アンドラーシュ・シフ

CD:ユニバーサルミュージック UCCE-2100~1(2枚組)

 今回の録音では、ベルギーの楽器職人ヨリス・ポトフリーへが製作した、1743年製スペッケンのレプリカのクラヴィコードを演奏。録音は独ボンのベートーヴェン・ハウスの室内楽ホールで行われた。

 ピアノのアンドラーシュ・シフ(1953年生まれ)は、ハンガリー出身。リスト・フェレンツ音楽大学で学ぶ。1975年「リーズ国際コンクール」第3位入賞。1991年「バルトーク賞」受賞。1996年ハンガリー最高の栄誉である「コシュート賞」受賞。室内オーケストラ「カペラ・アンドレア・バルカ」の創設者/指揮者である。夫人はヴァイオリニストの塩川悠子。2014年イギリスのエリザベス女王よりナイトの爵位を授与された。 2022年6月に独ライプツィヒ市よりバッハ作品の普及に貢献した者に贈られる「バッハ・メダル」を授与された。

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2023年3月02日

★ケラス&タローの共演によるマラン・マレ(1656年~1728年)作品集


マラン・マレ:プレリュード(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       ガヴォット(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       ミュゼット(ヴィオール曲集第4巻、組曲イ短調より)
       スペインのフォリアのクプレ(ヴィオール曲集第2巻より)
       ラ・レヴーズ(夢、夢想、夢見る女)(ヴィオール曲集第4巻、異国趣味の組曲より)
       ファンタジー(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       グラン・バレ(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       サラバンド(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       膀胱結石手術図(ヴィオール曲集第5巻)
       クーラント(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       作者不詳(伝:マラン・マレ):Les Regrets(後悔)
                         (ヴィオール曲集第2巻 組曲ホ短調より)
       プレリュード(ヴィオール曲集第2巻 組曲ニ短調より)
       サラバンド・グラーヴ(ヴィオール曲集第2巻 組曲ニ短調より)
       きわめて速く-遅く(マレ風ソナタ)
       ル・バディナージュ(ヴィオール曲集第4巻、異国趣味の組曲より)
                          [ピアノ・ソロ編曲]
       ジグ – ドゥーブル(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       アルマンド(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)

チェロ:ジャン=ギアン・ケラス

ピアノ:アレクサンドル・タロー

膀胱結石手術図の患者役:ギョーム・ガリエンヌ(コメディ・フランセーズ会員)

CD:キングインターナショナル KKC6623

 マラン・マレー(1656年―1728年)は、フランスの作曲家、指揮者、バス・ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者。幼少の頃から音楽の才能を認められて、1667年にはパリ第一の音楽教育機関だったサン=ジェルマン=ロクセロワ教会の聖歌隊に入り、1672年までフランソワ・シャプロンなどのもとに教育を受ける。聖歌隊を出た後、ヴィオールをサント=コロンブなどに師事して、名手として知られるようになり、1676年にはパリのオペラ、そして1679年8月1日からはルイ14世の宮廷のヴィオール奏者に任命された。また作曲家としての名声も高く、1693年に最初のオペラ「アルシード」を発表してからは、パリのオペラの作曲家、そして後には指揮者としても成功をおさめている。晩年にはまた、ヴィオールの優れた教師として知られた。

 チェロのジャン=ギアン・ケラス(1967年生まれ)は、カナダ、モントリオール出身。マノスクでクレール・ラビエ、リヨンでレーヌ・フラショ、フライブルクでクリストフ・ヘンケル、ニューヨークでティム・エディの各氏にチェロを師事。1990年から2001年まで「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」の首席チェロ奏者を務めた。

 ピアノのアレクサンドル・タロー(1968年生まれ)は、フランス、パリ出身。パリ国立高等音楽院卒業。1989年「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」第2位となり、以来国際的な演奏活動を展開。録音にも力を入れ、特にラモーの「新クラヴサン組曲」は非常に高い評価を得ているほか、ラヴェルのピアノ作品全集は、2003年「アカデミー・シャルル・クロ・グランプリ ディアパソン金賞」を受賞。ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノフェスティバル、BBCプロムス、ルフトハンザ・バロック音楽祭など多くの音楽祭に出演。近年はジャン=ギアン・ケラスとデュオを組み、公演および録音などの活動を行っている。

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