クラシック音楽 新譜CD情報


バックナンバー 2023年 11月

2023年11月30日

★イゴール・レヴィットのバッハ/リスト/ベルク/ブゾーニ作品集


<CD1>

バッハ:管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV 1068より エア(アレクサンドル・ジロティによるピアノ編曲)
    半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV 903
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S 178
    歌曲集「白鳥の歌」から「影法師」 S 560/12(シューベルト原曲)

<CD2>

ベルク:ピアノ曲 ロ短調
    ピアノ・ソナタ 作品1
ブゾーニ:対位法的幻想曲 BV 256
     クリスマスの夜 BV 251

ピアノ:イゴール・レヴィット

 ピアノのイゴール・レヴィット(1987年生まれ)は、ロシア、ニジニーノヴゴロド出身。8歳のときに家族と共にドイツ移住。2009年ハノーファー音楽演劇メディア大学で学ぶ。2005年、テルアヴィヴの「アルトゥール・ルービンシュタイン・コンクール」に最年少で参加し、銀メダル及び最優秀室内楽演奏賞、観客賞、最優秀現代音楽演奏賞を獲得した。ベートーヴェンの後期ソナタ5曲のCDで、2014年「BBCミュージック・マガジン新人賞」、同年ロイヤル・フィルハーモニック協会「ヤング・アーティスト賞」を受賞。さらに2015年、ハイデルベルクの春音楽祭の協力を得て、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」、ベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」、ジェフスキーの「不屈の民」変奏曲を収録したCDは、2016年のグラモフォン・クラシック・ミュージック・アワードにおいて、「レコーディング・オブ・ザ・イヤー」と「器楽賞」を受賞した。さらに、2018年「ギルモア・アーティスト賞」、同年ロイヤル・フィルハーモニック協会の「年間最優秀器楽奏者賞」を受賞している。

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2023年11月27日

★アレクサンドル・タローのラヴェル:ピアノ協奏曲&左手のためのピアノ協奏曲/ファリャ:スペインの庭の夜


ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調 M.83
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調 M.82
ファリャ:スペインの庭の夜

ピアノ:アレクサンドル・タロー

指揮:ルイ・ラングレー

管弦楽:フランス国立管弦楽団

CD:ワーナーミュージック・ジャパン 5419.766071

 現代フランスを代表するピアニストの一人、アレクサンドル・タロー(1968年生まれ)は、フランス、パリ出身。パリ国立高等音楽院卒業。1989年「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」第2位となり、以来国際的な演奏活動を展開。CD録音にも力を入れ、特にラモーの「新クラヴサン組曲」は非常に高い評価を得ているほか、ラヴェルのピアノ作品全集は、2003年「アカデミー・シャルル・クロ・グランプリ ディアパソン金賞」を受賞。ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノフェスティバル、BBCプロムス、ルフトハンザ・バロック音楽祭など多くの音楽祭に出演。近年はジャン=ギアン・ケラスとデュオを組み、公演およびCD録音などの活動も行っている。

 指揮のルイ・ラングレー(1961年生まれ)フランス出身。ストラスブール音楽院で学んだが指揮の正式なトレーニングは受けていなかった。1983年から1996年までリヨン国立歌劇場で声楽コーチと助手を務める。エクス=アン=プロヴァンス音楽祭やバイロイト音楽祭で副指揮者を務める。1989年から1992年までパリ管弦楽団の副指揮者、」1993年から1998年までピカルディ管弦楽団、1998年から2000年までリヨン国立歌劇場、1998年から2003年までグラインドボーン・ツアーリング・オペラ、2001年から2006年までリエージュ王立フィルハーモニー管弦楽団音楽監督を歴任。2011年カメラータ・ザルツブルクの首席指揮者に就任。

 

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2023年11月23日

★サバール指揮ル・コンセール・デ・ナシオンのメンデルスゾーン:交響曲第4番 「イタリア」初稿と最終稿の2種類の録音盤


メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 op.90 「イタリア」

    ①最終稿(1834年)
    ②初稿(1833年)

指揮:ジョルディ・サバール

室内楽団:ル・コンセール・デ・ナシオン

CD:キングインターナショナル KKC-6746(ALIA VOX AVSA-9955)

 メンデルスゾーン:交響曲第4番は、1833年、メンデルスゾーン自身の指揮で初演され、高い評価を受けたが、メンデルスゾーン自身は満足することはなかった。メンデルスゾーンは、第2楽章のテーマをシンプルにし、続く楽章のトリオをよりドラマティックにし、フィナーレにピチカートを入れ、フィナーレを長くした(264小節から305小節に)。第1楽章の改訂版は現存していないが、手紙から何かしらの加工を試みたと考えられている。1834年のこの改訂稿は、2001年になって初めて出版された。サバールは、メンデルスゾーンの手紙などを検証、検討を重ねた結果、両方のバージョンを録音することとなった。

 ジョルディ・サバール(1941年生まれ)は、スペイン、カタルーニャ地方のバルセロナ県イグアラダ出身のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者・指揮者。バーゼル・スコラ・カントルムでヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。1974年にオリジナル楽器を使用するエスペリオンXX(現エスペリオンXXI)を設立。1987年に声楽アンサンブルのラ・カペイラ・レイアルを、1989年にはル・コンセール・デ・ナシオンを設立。ルネサンスやバロックなどの作品を得意とするが、近年になり19世紀の音楽も演奏している。アラン・コルノー監督の「めぐり逢う朝」(1991)の音楽を担当し、サウンドトラックが高い評価を受けたことでも知られる。

 ル・コンセール・デ・ナシオンは、1989年にジョルディ・サバールが設立。古楽器を用いるスペインの室内楽団で、バロック音楽を専門にしている。スペインの女性ヴァイオリニストのリナ・トゥール・ボネがコンサート・ミストレスを務め、2022年メンデルスゾーン・アカデミーに参加した若手奏者からの選抜メンバーも参加している。

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2023年11月20日

★アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィルハーモニー交響楽団のマーラー:交響曲第5番


マーラー:交響曲第5番

指揮:アンドレア・バッティストーニ

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

録音:2022年9月19日、Bunkamuraオーチャードホール

CD:日本コロムビア COCQ-85613

 指揮のアンドレア・バッティストーニはマーラー:交響曲第5番について、「暗闇や絶望から、光、希望、新たな生命に至る旅を描いたこの作品は、まさに今の私たちが必要とするエネルギーを与えてくれるものだ」と語っている。

 指揮のアンドレア・バッティストーニ(1987年生れ)は、イタリア、ヴェローナ出身。ヴェローナの音楽院で学んだ後、2008年指揮者デビューを果たす。2013年から2016年までジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ歌劇場首席客演指揮者、2017年から2019年まで首席指揮者を務めた。2016年から東京フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者を務めている。2018年~19年の第24回「東急ジルベスターコンサート」には、コンサート史上初となる日本国外出身の指揮者として出演し、年越しカウントダウン曲である「凱旋行進曲」を指揮した。スカラ座、ヴェニス・フェニーチェ劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、スウェーデン王立歌劇場、アレーナ・ディ・ヴェローナ、バイエルン国立歌劇場、マリインスキー劇場など、また、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管、イスラエル・フィルなど、世界の主要歌劇場、オーケストラとの共演を重ねている。現在、国際的に最も注目される指揮者の一人。

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2023年11月16日

★天才的ギタリスト ティボー・ガルシアによる 伝説的ギター作曲家のアグスティン・バリオスに捧げたCDアルバム


バリオス:森に夢みる
     サンバの調べ
     マズルカ・アパッショナート
ショパン:24の前奏曲Op.28 ~第20番[バリオス編]
バリオス:神様のお慈悲に免じてお恵みを
     マシーシ
     パラグアイ舞曲 第1番
     ヴィダリータ (バリオスによる詩「ボエミオ」の朗読付き)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調Op.27-2「月光」
          ~ 第1楽章:Adagio sostenuto[バリオス編](イ短調)
バリオス:蜜蜂
     フリア・フロリダ
     クリスマスの歌
     ワルツ Op.8-3
     ワルツ Op.8-4
     告白(ロマンサ)
     悲しみのショーロ
     バリオスによる詩「信仰告白」 (朗読のみ)
     前奏曲 ハ短調
シューマン:トロイメライ Op.15-7[バリオス編]

<ボーナス・トラック>

バリオス:大聖堂
     カアサパ(アグスティン・バリオス自身による演奏)

ギター:ティボー・ガルシア

朗読:オルランド・ロハス
ギター:アグスティン・バリオス

CD:ワーナーミュージック・ジャパン Erato 5419772617

 このCDアルバム「エル・ボエミオ」は、多くの演奏者から天才的ギタリストとよばれるティボー・ガルシアが、パラグアイのギターの名手であり作曲家でもあるアグスティン・バリオス=マンゴレ(1885-1944)に、オマージュとして捧げたもの。

 ギターのティボー・ガルシア(1994年生まれ)は、フランス、トゥールーズ出身。7歳でギターを弾き始める。トゥールーズで学び、ルノー・グラスのクラスで室内音楽の学位と、パウル・フェレのクラスで特待生としてギターの学位を取得。16歳でパリ国立高等音楽・舞踏学校(CNSMDP)に入学し、オリヴィエ・シャサンに師事して優秀な成績で学士号を得た。ジュディカエル・ペロワのプライベート・レッスンも受けている。2016年トゥールーズ・キャピトル国立管との協演でコンチェルト・デビューし、この後BBC響等と協演。2017年、イギリスのBBCニュージェネレーション・アーティストに指名され、2018年10月にロンドンのウィグモアホールにデビュー。室内楽では、エドガー・モロー、ジャン・フレデリック・ヌーブルジェ等と共演、またカウンターテナーのフィリップ・ジャルスキーとも共演&録音を行う。

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2023年11月13日

★”アバド生誕90周年記念” クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団のベルリオーズ:幻想交響曲


ベルリオーズ:幻想交響曲

指揮:クラウディオ・アバド

管弦楽:シカゴ交響楽団

録音:1983年2月、アメリカ、シカゴ、オーケストラ・ホール

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-41124

 指揮のクラウディオ・アバド(1933年―2014年)は、イタリア、ミラノ出身。ヴェルディ音楽院を経て、1956年からウィーン音楽院(現ウィーン国立音楽大学)で指揮をスワロフスキーに学ぶ。1958年「クーセヴィツキ―国際指揮者コンクール」、1963年「ミトロープス国際指揮者コンクール」で優勝。その間1959年に指揮者デビューを果たした後、カラヤンに注目されてザルツブルク音楽祭にデビューする。1968年にミラノ・スカラ座の指揮者となり、1972年には音楽監督、1977年には芸術監督に就任。この間、スカラ・フィルハーモニー管弦楽団を設立してオーケストラのレベルを格段に上げた。1979年に、ロンドン交響楽団首席指揮者、1983年には同楽団の音楽監督となった。その後、1986年ウィーン国立歌劇場音楽監督に就任。ウィーン・フィルとの共演も増え、ベートーヴェンの交響曲全集など数々のレコーディングを行った。1990年カラヤンの後任としてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督に就任し、名実共に世界最高の指揮者としての地位を確立した。2000年に胃癌で倒れ、以後の活動が懸念されたが、手術を受けて健康状態は持ち直し、ベルリン・フィル辞任後も新たな活動を続けた。2003年以降はルツェルン祝祭管弦楽団などや、自身が組織した若手中心のオーケストラ(マーラー室内管弦楽団、モーツァルト管弦楽団など)と活動。2006年にルツェルン祝祭管弦楽団と来日。2014年1月20日、ボローニャの自宅で胃癌により逝去。享年80歳。

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2023年11月09日

★今、注目の新鋭指揮者 坂入健司郎 読売日本交響楽団デビュー・ライヴ録音盤


モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68

指揮:坂入健司郎

管弦楽:読売日本交響楽団(読響創立60周年記念 甲府特別演奏会)

録音:2022年4月29日、 YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)<ライヴ録音>

CD:キングインターナショナル ALTUS ALT-532

 このCDは、2022年4月2に行われた「読響創立60周年記念 甲府特別演奏会」のライヴ録音。指揮は、これが読響との初共演となった坂入健司郎。

 指揮の坂入健司郎(1988年生まれ)は、神奈川県川崎市出身。慶應義塾普通部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部卒業。指揮法を井上道義、小林研一郎、三河正典、山本七雄、チェロを望月直哉に師事。2008年慶應義塾ユースオーケストラを結成。2014年、より広く文化活動に貢献することを願い、慶應義塾ユースオーケストラを「東京ユヴェントス・フィルハーモニー」に変更。2015年マーラー交響曲第2番「復活」を指揮し好評を得る。かわさき産業親善大使に就任。2018年東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に初客演し、「カルミナ・ブラーナ」を指揮し成功を収める。マレーシア国立芸術文化遺産大学の客演など海外での活動も行う。2022年日本フィルハーモニー交響楽団へ客演し、サントリーホールデビュー。

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2023年11月06日

★アリス=紗良・オットのベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番/ピアノ・ソナタ第14番「月光」ほか


ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15

        ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2《月光》

        バガテル イ短調 WoO 59《エリーゼのために》
        11のバガテル 作品119 第1番:Allegretto
        バガテル ハ長調 WoO 54《喜びと悲しみ》
        アレグレット ロ短調 WoO 61

ピアノ:アリス=紗良・オット

指揮:カリーナ・カネラキス

管弦楽:オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45084

 このCDは、アリス=紗良・オットのベートーヴェン作品集。注目の女性指揮者カリーナ・カネラキスと、カネラキスが首席指揮者を務めるオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団と共演した協奏曲第1番を中心に、ピアノ・ソナタ第14番「月光」など若き日のベートーヴェンの作品を収録。

 ピアノのアリス=紗良・オット(1988年生れ)は、ドイツ・ミュンヘン出身。父親がドイツ人、母親が日本人。ピアニストのモナ=飛鳥・オットは実妹。オーストリアのザルツブルク・モーツァルテウム大学で学ぶ。2003年バイロイト音楽祭に招かれ、ワーグナー愛用のピアノを使用してリサイタルを開催。2004年「イタリア・シルヴィオ・ベンガーリ・コンクール」優勝、同年中村紘子(1944年―2016年)の招きにより日本でのデビューを果たす。2005年「ヨーロッパピアノ指導者連盟コンクール」優勝。2010年「クラシック・エコー・アワード2010」にてヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞。

 指揮のカリーナ・カネラキスは、アメリカ、ニューヨーク出身。カーティス音楽院で学ぶ。2005年から2年間、カラヤン・アカデミーの学生としてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団でヴァイオリンを演奏。ヴァイオリンの演奏を続けながら、ニューヨークのジュリアード音楽院の指揮科に入学。2015年ヨーロッパ室内管弦楽団を指揮してヨーロッパデビューを果たした。2016年「サー・ゲオルク・ショルティ・コンダクティング・アワード」を受賞。また、2017年イギリスのプロムスに指揮者としてデビュー。2019年オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任。2020年ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者に就任。

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2023年11月02日

★ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団のショスタコーヴィチ:交響曲第4番


 

ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ハ短調 作品43

指揮:ジョナサン・ノット

管弦楽:東京交響楽団

録音:2022年10月16日、ミューザ川崎シンフォニーホール(ライヴ録音)

 指揮のジョナサン・ノット(1962年生れ)は、イギリス、ウェスト・ミッドランズ州出身。 ケンブリッジ大学で音楽学を専攻したのち、ロイヤル・ノーザン音楽大学で声楽とフルートを学ぶ。後に指揮に転向。フランクフルト歌劇場などでカペルマイスターを務めた後、2000年バンベルク交響楽団の首席指揮者に就任。ベルリン・フィルなど欧州の主要オーケストラに客演。2014年東京交響楽団第3代音楽監督に就任。2017年スイス・ロマンド管弦楽団音楽監督に就任。

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