クラシック音楽 新譜CD情報


バックナンバー 2022年 12月

2022年12月29日

★”五嶋みどり、デビュー40周年” 五嶋みどり & ジャン=イヴ・ティボーデの「ベートーヴェン:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ全集」


<CD1>

ベートーヴェン:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第1番 ニ長調 Op.12-1
        ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ長調 Op.12-2
        ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第3番 変ホ長調 Op.12-3
        ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第4番 イ短調 Op.23

<CD2>

ベートーヴェン:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第5番 ヘ長調 Op.24「春」
        ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第6番 イ長調 Op.30-1
        ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第7番 ハ短調 Op.30-2

<CD3>

ベートーヴェン:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第8番 ト長調 Op.30-3
        ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第9番 イ長調 Op.47{クロイツェル」
        ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第10番 ト長調 Op.96

ヴァイオリン:五嶋みどり

ピアノ:ジャン=イヴ・ティボーデ

CD:ワーナーミュージック WPCS-13839~41

 このCDアルバム(3枚組)は、五嶋みどり、デビュー40周年を機に、満を持しての名曲の集大成録音を完成させたもの。米国をベースに世界的に活躍を続ける五嶋みどりが、2020年に発表した「ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、ロマンス(2曲)」(WPCS-13834)に続けて、ヴァイオリン音楽作品として頂点に位置付けられる名曲、ベートーヴェンのソナタ全10曲をまとめた最新作「ベートーヴェン:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ集(10曲)」を完成させた。

 ヴァイオリンの五嶋 みどりは、大阪府枚方市出身。1982年、母に連れられて渡米、ジュリアード音楽院においてディレイ教授の下でヴァイオリンを学ぶ。同年、11歳で、ズービン・メータ指揮のニューヨーク・フィルハーモニックと協演して米国デビューを果たす。当時、日本でも「天才少女デビュー」と話題を集めた。2007年より、日本人として初めて「国連ピース・メッセンジャー」を務める。「みどり教育財団」を改組した特定非営利活動法人「ミュージック・シェアリング」の活動をライフワークとして取り組む。

 ピアノのジャン=イヴ・ティボーデ(1961年生まれ)は、フランス、リヨン出身。12歳でパリ国立高等音楽院に入学し、3年後にパリ音楽院の首席となり、18歳でニューヨーク青年演奏家オーディションの覇者となる。19歳で「日本国際音楽コンクール」で第2位を受賞して脚光を浴びた。音楽教師としても活動しており、現在はアメリカ合衆国で後進の指導に当たっている。

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2022年12月26日

★2021年 「ジュネーヴ国際コンクール」 チェロ部門優勝者 上野通明 堂々のバッハで登場


バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)

<CD1>

バッハ:無伴奏チェロ組曲:第1番 ト長調 BWV 1007
             第4番 変ホ長調 BWV 1010
             第5番 ハ短調 BWV 1011

<CD2>

バッハ:無伴奏チェロ組曲:第2番 ニ短調 BWV 1008
             第3番 ハ長調 BWV 1009
             第6番 ニ長調 BWV 1012

チェロ:上野通明

録音:2021年11月24-26日(2,3,6番)、2022年5月3-7日(1,4,5番)、独ホンラート福音教会

CD:キングインターナショナル KKC-6598

 このCDは、2021年「ジュネーヴ国際コンクール」チェロ部門で日本人初の優勝を果たした上野通明が、バッハの「無伴奏チェロ組曲」の全曲録音に挑んだ意欲作。

 チェロの上野通明(1995年生まれ)は、パラグアイで生まれる。5歳よりチェロを始め、幼少期をスペインで過ごす。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コース全額免除特待生。2009年、13歳で第6回「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際音楽コンクール」において日本人初の優勝。2010年第6回「ルーマニア国際音楽コンクール」第1位(最年少)。2012年第10回「東京音楽コンクール」第2位。2014年第21回「ヨハネス・ブラームス国際コンクール」第1位。2015年秋よりデュッセルドルフ音楽大学に留学。2018年第11回「ルトスワフスキ国際チェロコンクール」第2位。2021年「ジュネーブ国際音楽コンクール」チェロ部門で優勝(この部門で日本人が優勝するのは初めて)。現在、ドイツ、ルーマニア、スロヴァキア等ヨーロッパ各地においても活発に演奏活動をしている。

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2022年12月22日

★ダニエル・バレンボイム、祝80歳!シューマン交響曲全集(ライヴ録音盤)


<CD1>

シューマン:交響曲 第1番 変ロ長調 作品38
      交響曲 第2番 ハ長調 作品61

<CD2>

シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品97《ライン》
      交響曲 第4番 ニ短調 作品120

指揮:ダニエル・バレンボイム

管弦楽:シュターツカペレ・ベルリン

録音:2021年9月(CD1)、10月(CD2)、ベルリン(ライヴ録音)

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45065~6(2枚組)

 2022年11月15日に80歳の誕生日を迎えたダニエル・バレンボイム。ピアニスト、指揮者として今も第一線で活躍する巨匠の最新盤は、2021年9月と10月にベルリンのフィルハーモニーおよび国立歌劇場においてライヴ収録された、自身3度目となるシューマンの交響曲全集(1回目:シカゴ交響楽団、2回目:シュターツカペレ・ベルリン)。

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2022年12月19日

★ヤクブ・フルシャ指揮バンベルク交響楽団のハンス・ロット:交響曲第1番/マーラー:交響曲 第1番 「巨人」より花の章/ブルックナー:交響的前奏曲


ロット:交響曲 第1番 ホ長調
マーラー:交響曲 第1番 ニ長調「巨人」より 第2楽章:花の章
ブルックナー:交響的前奏曲 ハ短調 WAB 297

指揮:ヤクブ・フルシャ

管弦楽:バンベルク交響楽団

CD:ユニバーサル ミュージック

 このCDは、マーラーと同時代の天才作曲家、ハンス・ロットの交響曲第1番を収録。1858年にウィーンで生まれたハンス・ロットは、フリーの音楽家として苦闘した後、精神的な病に倒れ、25歳でこの世を去った作曲家。ロットの名は交響曲第1番ホ長調によって現在まで語り継がれており、バンベルグ交響楽団とその首席指揮者のヤクブ・フルシャによるこの新録音で聴くことが出来る。

 指揮のヤクブ・フルシャ(1981年生れ)は、チェコ、ブルノ出身。ブルノのギムナジウムのころは、ピアノとトロンボーンを習っていたが、次第に指揮に興味を持つようになった。その後プラハ芸術アカデミーに進学し、イルジー・ビエロフラーヴェク、ラドミル・エリシュカらに指揮を学ぶ。2004年同アカデミー卒業後、世界各地のオーケストラに客演を行いつつ、ヨーロッパのオケでポストを得て経験を積む。プラハ・フィルハーモニア音楽監督・首席指揮者、東京都交響楽団首席客演指揮者を歴任。2016年からバンベルグ交響楽団音楽監督を務める。フィルハーモニア管弦楽団首席客演指揮者、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者、

 

 

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2022年12月15日

★日本を代表する3人の名手によるベートーヴェン:ピアノ・トリオ全集III<完結盤>


ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調「大公」Op.97
        ピアノ三重奏曲 変ホ長調 WoO 38
        ピアノ三重奏曲 変ロ長調 WoO 39

        ディッタースドルフの主題による14の変奏曲 変ホ長調 Op.44
        「仕立て屋カカドゥ」の主題による変奏曲 ト長調 Op.121a

ピアノ:野平一郎

ヴァイオリン:漆原啓子

チェロ:向山佳絵子

CD:ナミ・レコード WWCC-7974~5(2枚組)

 このCDは、日本を代表する3人の名手によるベートーヴェン:ピアノ・トリオ全集I(第1番、第2番、第4番「街の歌」)WWCC-7961/ピアノ・トリオ全集II(第3番、第5番「幽霊」、第6番)WWCC-7967に続く、ピアノ・トリオ全集III(第7番 「大公」Op.97、変ホ長調 WoO 38、変ロ長調 WoO 39)WWCC-7974~5で完結盤。

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2022年12月12日

★今、世界が注目する指揮者 クラウス・マケラ指揮オスロ・フィルのシベリウス:交響曲第2番/第5番 


シベリウス:交響曲第2番/第5番

指揮:クラウス・マケラ

管弦楽:オスロ・フィルハーモニー管弦楽団

CD:ユニバーサルミュージック UCCD-45018

 今、世界が注目する指揮者 クラウス・マケラのデビュー作「シベリウス:交響曲全集」から、交響曲第2番と第5番をカップリングしたアルバムを日本限定でリリース。

 指揮のクラウス・マケラ(1996年生まれ)は、フィンランド出身。シベリウス・アカデミーで指揮とチェロを学ぶ。チェリストとして数々のオーケストラと共演しつつ、10代の頃から指揮者としても頭角を現し、これまでにフィンランド放送響、ヘルシンキ・フィル、ライプツィヒ放送響など、世界の一流オーケストラを指揮し、「数十年に一度の天才指揮者の登場」とも評される大成功を収めている。さらにチェリストとしてフィンランドの主要オーケストラと共演。2020年24歳でオスロ・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者に就任。2021年パリ管弦楽団の音楽監督に就任。また、2027年からロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者に就任することが発表された。

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2022年12月08日

★心に刻まれる懐かしい調べ レイフ・オヴェ・アンスネスのドヴォルザーク:詩的な音画集


ドヴォルザーク:詩的な音画集 作品85 B.161

          第1曲:夜の道(アレグロ・モデラート)
          第2曲:たわむれ(アレグレット・レッジェーロ)
          第3曲:古い城で(レント)
          第4曲:春の歌(ポーコ・アレグロ)
          第5曲:農夫のバラード(アレグロ・ジュスト)
          第6曲:悲しい思い出(アンダンテ)
          第7曲:フリアント(アレグロ・フェローチェ)
          第8曲:妖精の踊り(アレグレット)
          第9曲:セレナード(モデラート・エ・モルト・カンタービレ)
          第10曲:バッカナール(ヴィヴァチッシモ)
          第11曲:おしゃべり(アンダンテ・コン・モート)
          第12曲:英雄の墓にて(グラーヴェ、テンポ・ディ・マルチア)
          第13曲:聖なる山にて(ポーコ・レント)

ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス

CD:ソニーミュージック SICC-30700

 ドヴォルザーク:詩的な音画集は、1889年、作曲者48歳の時に書かれたピアノ曲で、交響曲第8番や歌劇「ジャコバン党員」などと同じく渡米前に生み出された円熟作。1889年4月、久々に生地ネラホゼヴェスを訪れたことがきっかけとなり、その懐かしい思い出が反映したインティメートな音楽で、標題のついた13曲の宝石のような小品で構成されている。アンスネス自身が「19世紀ピアノ音楽の中で忘れ去られた大曲」と太鼓判を押し、幼少時から作品に魅せられ、12歳で参加したピアノ・コンクールでも弾いたという。

 ピアノのレイフ・オヴェ・アンスネス(1970年生まれ)は、ノルウェー出身。ベルゲン・グリーグ音楽院で学び、1987年にオスロにてデビュー。その後はアムステルダムやボローニャ、ロンドン、ミュンヘンなどでリサイタルを行う。1987年「フランクフルト・ヒンデミット・コンクール」優勝。これまでに、ノルウェー批評家賞、ロサンジェルス・ドロシー・チャンドラー賞、ドイツ・レコード批評家賞(1997年)、ロイヤル・フィルハーモニー協会賞(2000年)、グラモフォン・アワード最優秀器楽曲賞(2002年)などを受賞。室内楽奏者としても名高く、リソル室内楽フェスティバルの芸術監督に就任している。現在、北欧を代表する実力派ピアニストの一人として高い評価を得ている。

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2022年12月05日

★ヴィルデ・フラングのベートーヴェン/ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲


ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.8

ヴァイオリン:ヴィルデ・フラング

指揮:ペッカ・クーシスト

管弦楽:ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団

CD:ワーナーミュージック WJ‐9029.667740

 ヴァイオリンのヴィルデ・フラング (1986年生れ) は、ノルウェーの首都オスロ出身。オスロのバラット=デューエ音楽院で学び、その後ハンブルク音楽演劇大学、クロンベルク・アカデミーで学ぶ。 10歳でノルウェー放送交響楽団と共演しデビュー。12歳の時にマリス・ヤンソンス指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団と共演し国際的な注目を集める。2011年に初来日し、アレクサンダー・リープライヒ指揮のNHK交響楽団とシベリウスのヴァイオリン協奏曲を共演し日本デビュー。

 指揮のペッカ・クーシスト(1976年生まれ)は、1995年「シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール」優勝。フィンランドを代表するヴァイオリニストのひとりとして人気を集める。2021年ノルウェー室内管弦楽団の芸術監督に就任。現在、ドイツ・カンマーフィルの首席客演指揮者も務めている。

 

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2022年12月01日

★ニッポン放送「新日鉄コンサート」(1970年)における  安川加壽子のモーツァルト、ドビュッシーとショパン


モーツァルト:ロンド イ短調K.511
       変奏曲イ長調K.anh137
ドビュッシー:前奏曲集第2巻~枯葉
       前奏曲集第2巻~ビーニョの門
       前奏曲集第2巻~ヒースの草むら
       前奏曲集第2巻~花火
ショパン:前奏曲Op.28~第7、8、15、16、17、22、23、24番
     華麗なる大ワルツOp.18
     英雄ポロネーズOp.53
     ノクターン変ホ長調Op.9の2

ショパン演奏について(安川加壽子の肉声)

ピアノ:安川加壽子

録音:1970年4月5日、8月9日放送

CD:キングインターナショナル KKC-2533

 このCDは、ラジオのニッポン放送で1955年から2005年まで続き、音楽ファンから支持を受けていた「新日鉄コンサート」(1970年まではフジセイテツ・コンサート)の録音盤。このラジオ放送は、既成のレコードを放送するのでなく、内外の名演奏家の実演を公開収録する趣旨だったため、貴重な音源が多数作られた。安川加壽子は、広いレパートリーを持っていたが、とりわけショパンとドビュッシーは絶品とされ、彼女のトレードマークの感があった。それを貴重なライヴ録音で体験できる。

 ピアノの安川加壽子(1922年―1996年)は、兵庫県武庫郡深江(現・兵庫県神戸市東灘区深江)出身。1923年一家で渡仏。1934年パリ国立高等音楽院ピアノ科本科入学しラザール・レヴィに師事。1937年同音楽院一等賞卒業。1939年国際情勢悪化のため帰国。1940年国内でのデビューリサイタルを開く。受賞歴は、1937年「パリUFAM国際婦人コンクール」名誉賞、1947年「芸術祭文部大臣賞」、1953年「毎日音楽賞」、1959年「学術シュヴァリエ勲章」(フランス政府)、1960年「文芸オフィシエ勲章」(フランス政府)、1967年「レジオンドヌール勲章シュヴァリエ」(フランス政府)、1970年第21回「NHK放送文化賞」、1972年第13回「毎日芸術賞」、1975年第31回「日本芸術院賞」、1984年「ポーランド国家功労金章」、1986年第2回「東京都文化賞」「有馬賞」(NHK交響楽団)、1993年「勲二等瑞宝章」、1994年「文化功労者顕彰」など。また、芸術家会議会長、日本演奏連盟理事長、日本ピアノ教育連盟会長、日仏音楽協会会長、東京藝術大学名誉教授などを務めた。

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