クラシック音楽 新譜CD情報


バックナンバー 2024年 8月

2024年8月29日

★河村尚子 日本デビュー20周年記念アルバム ”20 -Twenty-”


<プロローグ>

1. シューマン:献呈 作品25の1(歌曲集「ミルテの花」作品25 第1曲)[クララ・シューマン編]

<20 – Twenty>

2. R.シュトラウス:さびしい泉のほとり 作品9の2(4つの情緒ある風景 作品9 第2曲)
3. シューベルト:楽興の時 第3番 ヘ短調 D 780 / 作品94の3
4. バルトーク:スケルツォ Sz. 71 / BB. 79の5(15のハンガリーの農民の歌 Sz. 71 / BB. 79 第5曲)
5. ベートーヴェン:エリーゼのために WoO 59
6. R.=コルサコフ:熊蜂は飛ぶ(歌劇「皇帝サルタンの物語」第3幕第2場 間奏曲)[ラフマニノフ編]
7. スカルラッティ:ソナタ ロ短調 K. 27
8. プロコフィエフ:前奏曲 ハ長調「ハープ」 作品12の7(10の小品 作品12 第7曲)
9. ブーランジェ:新たな人生に向かって
10. 矢代秋雄:夢の舟[岡田博美編]
11. ブラームス:間奏曲 ハ長調 作品119の3(4つの小品 作品119 第3曲)
12. リスト:愛の夢 S. 541の3(3つのノットゥルノ S. 541 第3曲)
13. ショパン:即興曲 第3番 変ト長調 作品51
14. ラフマニノフ:エレジー(幻想的小曲集 作品4 第1曲)
15. バッハ:羊は安らかに草を食み(カンタータ第208番「楽しき狩こそわが悦び」 第9曲)[エゴン・ペトリ編]
16. プーランク:バッハの名による即興的ワルツ ホ短調 FP.62
17. フォーレ:即興 作品84の5(8つの小品 作品84 第5曲)
18. メシアン:夢の触れられない音…(8つの前奏曲集 第5曲)
19. 武満徹:雨の樹素描 II-オリヴィエ・メシアンの追憶に-
20. コネッソン:F. K. ダンス(イニシャルズ・ダンシズ 第3曲)
21. ドビュッシー:夢想

<エピローグ>

22. 坂本龍一:20220302サラバンド

ピアノ:河村尚子

CD:ソニーミュージック SICC 19080

 日本を代表するピアニスト、河村尚子。2004年11月、日本デビューを飾って以来20年という節目となる今年、パーソナルな小品を集めたアルバムをリリース。アルバムタイトルは「20 -Twenty-」(トゥエンティ)。これまでの20年にわたる演奏活動の中で、河村が大きな影響を受け、大切なものとして愛蔵し、また折に触れて愛奏してきた宝物のようなミニアチュールともいうべき作品たちを盛り込んでいる。

 ピアノの河村尚子は、兵庫県西宮市出身。5歳で渡独。ハノーファー音楽演劇大学で学ぶ。同大学在学中の2006年「ミュンヘン国際コンクール」第2位、2007年「クララ・ハスキル国際コンクール」で優勝し一躍世界の脚光を浴びる。2009年度「出光音楽賞」、「新日鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞」、「日本ショパン協会賞」、2012年「芸術選奨新賞」、2013年「ホテルオークラ音楽賞」、2019年第32回「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」クラシック部門独奏・独唱部門賞、2019年第12回「CDショップ大賞2020」クラシック賞 、2019年第51回「サントリー音楽賞」受賞。

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2024年8月26日

★フジコ・ヘミング 追悼盤~チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番/5つのラ・カンパネラ~


チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番

リスト:ラ・カンパネラ(パガニーニによる大練習曲 S.141の3)
         
         「奇跡のカンパネラ」より
         「永久への響き」より
         「哀愁のノクターン」より
         「カーネギー・ホール・ライヴ」より
         「フジ子・ヘミングの奇蹟」より

ピアノ:フジコ・ヘミング

指揮:オリヴァー・フォン・ドホナーニ

管弦楽:チェコ・ナショナル交響楽団

録音:チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番

     チェコ・ナショナル交響楽団が2001年10月~12月にかけて来日ツアーを行なった際、
     ソリストに起用されたフジ子の協奏曲演奏を3公演ライヴ録音(12月4日、6日&20日)
     したもので、今回初登場となる未発表音源。

   5つのラ・カンパネラ

       ①「奇蹟のカンパネラ」より(録音:1999年6月11日、ビクタースタジオ)
       ②「永久への響き」より(録音:1999年秋、東京オペラシティ・ライヴ)
       ③「憂愁のノクターン」より(録音:2000年3月25日、ビクタースタジオ)
       ④「カーネギー・ホール・ライヴ 2001」より
         (録音:2001年6月7日、カーネギー・ホール・ライヴ)
       ⑤「フジ子・ヘミングの奇蹟」より
        (南西ドイツ放送音源 ドイツSWR放送局(旧SDR2)録音:1988年6月)

CD:ビクターエンターテインメント VICC-77001

 このCDは、2001年にチェコ・ナショナル交響楽団との共演のライヴ録音で、2006年に発売を予定していたが、当時は条件がまとまらず、発売中止となっていたものを、このほど条件がまとまり、今回、フジコ・ヘミングの代名詞となっているリストの「ラ・カンパネラ S.141-3」の5つのヴァージョンと合わせて追悼盤として発売。

 ピアノのフジコ・ヘミング(1931年―2024年)は、日本人の母とロシア系スェーデン人を父としてベルリンに生まれる。10歳から、父の友人だったロシア生まれドイツ系ピアニストのレオニード・クロイツアー(1884年―1953年)に師事。青山学院高等部在学中、17歳でデビュー・コンサートを果たす。また、東京音楽学校(現・東京芸術大学)在学中には、「NHK毎日コンクール」「文化放送音楽賞」など多数受賞。28歳でドイツへ留学。ベルリン音楽学校を優秀な成績で卒業。その後長年にわたりヨーロッパに在住し、演奏家としてのキャリアを積む。1999年2月11日、フジコのピアニストとしての人生の軌跡を描いたNHKのドキュメント番組「フジコ〜あるピアニストの軌跡〜」が放映され、日本で大反響を巻き起こす。その後、発売されたデビューCD「奇蹟のカンパネラ」は、発売後3ヶ月で30万枚のセールスを記録し、異例の大ヒットとなった。第14回日本ゴールドディスク大賞の「クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー」他各賞を受賞。その後、1999年10月15日の東京オペラシティコンサートホールでの復活リサイタルを皮切りに、本格的な音楽活動を再開し、国内外で活躍した。2024年4月21日、死去。享年92歳。

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2024年8月22日

★アンネ=ゾフィー・ムターと小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラの共演


チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」 作品24 ポロネーズ①
         交響曲 第5番 ホ短調 作品64②
ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス 第1番 ト長調 作品40③
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28④

指揮:ディエゴ・マテウス(①~③)
小澤征爾(④)

ヴァイオリン:アンネ=ゾフィー・ムター(③、④)

管弦楽:サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)

録音:2018年12月、東京、サントリーホール

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-41172

 このCDは、ドイツ・グラモフォン創立120周年を記念してサントリーホールで行われたガラ・コンサートのライヴ録音。サイトウ・キネン・オーケストラにとって初のサントリーホール公演でもあった。小澤征爾はっ当日最後のサン=サーンス作品を指揮。ムターとサイトウ・キネン・オーケストラも初共演となった記念すべき公演の記録。SKO結成40周年・齋藤秀雄没後50年記念盤。

 ヴァイオリンのアンネ=ゾフィ・ムター(1963年生れ)はドイツ、バーデン出身。13歳でカラヤンに招かれ、ベルリン・フィルと共演し、天才少女と言われるきっかけとなる。1977年ダニエル・バレンボイム指揮のイギリス室内管弦楽団と共演して、ザルツブルク音楽祭にデビューした。1980年ズービン・メータ指揮のニューヨーク・フィルと共演して、アメリカ・デビューを飾る。レパートリーは広く、ヴィヴァルディから現代音楽までを扱うが、とりわけ得意は新ウィーン楽派やバルトーク、アンリ・デュティユーなどの近現代の音楽。ヴァイオリンを弾きながらの弾き振りにも精力的な姿勢を見せる。これまでに、グラミー賞を4回受賞。2019年高松宮殿下記念世界文化賞受賞。

 指揮の小澤征爾(1935年―2024年)は、満洲国奉天市(中国瀋陽市)に生まれる。齋藤秀雄の指揮教室に入門。桐朋学園短期大学(現在の桐朋学園大学音楽学部)を卒業後、1959年貨物船で単身渡仏。1959年パリ滞在中に第9回「ブザンソン国際指揮者コンクール」第1位となったほか「カラヤン指揮者コンクール」第1位となり、指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンに師事。1960年「クーセヴィツキー賞」を受賞。指揮者のシャルル・ミュンシュ、レナード・バーンスタインに師事。1961年ニューヨーク・フィルハーモニック副指揮者に就任。1970年タングルウッド音楽祭の音楽監督に就任。同年サンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任。1973年にはボストン交響楽団の音楽監督に就任したが、以後30年近くにわたり同楽団の音楽監督を務めた。2002年日本人指揮者として初めて「ウィーン・フィルニューイヤーコンサート」を指揮。同年ウィーン国立歌劇場音楽監督に就任。2008年文化勲章を受章。2010年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団により、名誉団員の称号を贈呈される。2015年「ケネディ・センター名誉賞」を日本人として初の受賞。2016年ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団により、名誉団員の称号を贈呈される。

 指揮のディエゴ・マテウスは、ベネズエラのエル・システマ(ベネズエラで行われている音楽教育プログラムの組織で、1975年に経済学者で音楽家のホセ・アントニオ・アブレウ博士によって設立)出身。クラウディオ・アバドの薫陶を受け、国際的なキャリアを築く。38歳でフェニーチェ劇場首席指揮者、モーツァルト管弦楽団及びメルボルン交響楽団の首席客演指揮者を歴任。日本ではセイジ・オザワ松本フェスティバル、NHK交響楽団等に登場。2018年に開催されたドイツ・グラモフォン120周年記念スペシャル・ガラ・コンサートでは、小澤征爾とともに指揮を務めた。2022年より、小澤征爾音楽塾初となる首席指揮者に就任。ミラノ・スカラ座管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団などの名門に数多く客演し、ベルリン州立歌劇場、パリ国立歌劇場、トリノ王立歌劇場等にも登場。ベネズエラではシモン・ボリヴァル交響楽団の首席指揮者を務め、エル・システマのさらなる充実にも情熱を注いでいる。

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2024年8月19日

★クァルテット・インテグラのハイドン:弦楽四重奏曲第31番 & バルトーク:弦楽四重奏曲第2番


ハイドン:弦楽四重奏曲第31番 ロ短調 Op.33, No.1, Hob.III:37
バルトーク:弦楽四重奏曲第2番 Op.17, Sz.67

弦楽四重奏:クァルテット・インテグラ

        三澤響果(ヴァイオリン)
        菊野凜太郎(ヴァイオリン)
        山本一輝(ヴィオラ)
        パク・イェウン(チェロ)

CD:ナミレコード WWCC-8013

 名だたる国際コンクール「ミュンヘン」で2位、「バルトーク」で1位の実力。彼らでしか聴けない絶妙なバランスで、曲の核心に迫る。デビューCDに続き、早くも第二弾。

 弦楽四重奏団のクァルテット・インテグラは、2015年桐朋学園に在学中のメンバーによりに結成された、メンバーの年齢が全員二十代という若いカルテットである。2021年「バルトーク国際コンクール」弦楽四重奏部門第1位。2022年「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」弦楽四重奏部門第2位、併せて、聴衆賞を受賞。第8回「秋吉台音楽コンクール」弦楽四重奏部門第1位、併せて、ベートーヴェン賞、山口県知事賞を受賞。キジアーナ音楽院夏期マスタークラスにて最も優秀な弦楽四重奏団に贈られる「Banca Monte dei Paschi di Siena賞」を受賞。クライブ・グリーンスミス氏、ギュンター・ピヒラー氏の指導を受ける。第41回霧島国際音楽祭に出演し、「堤剛音楽監督賞」及びに「霧島国際音楽祭賞」を受賞。NHK「クラシック倶楽部」、「リサイタル・パッシオ」、「ららら♪クラシック」等に出演。サントリーホール室内楽アカデミー第5,6期フェロー。磯村和英、山崎伸子、原田幸一郎、池田菊衛、花田和加子、堤剛、毛利伯郎、練木繁夫各氏に師事。公益財団法人松尾学術振興財団より助成を受ける。2022年秋よりロサンゼルスのコルバーンスクールにレジデンスアーティストとして在籍。現在、クライブ・グリーンスミス氏、マーティン・ビーヴァー氏に師事。

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2024年8月15日

★世界に羽ばたく俊英ふたり 辻彩奈と阪田知樹が奏でるブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集


ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 作品78「雨の歌」
      ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 作品100
      ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 作品108

      パラディス:シチリアーノ

ヴァイオリン:辻 彩奈

ピアノ:阪田知樹

CD:ソニーミュージック SICX-10021

 ともに2016年、ふたつの国際コンクール(モントリオール国際コンクール/フランツ・リスト国際コンクール)で第1位を獲得した若きヴィルトゥオーゾ、辻彩奈と阪田知樹。2020年からデュオとして全国各地で公演を行い、表情豊かで鮮度の高いデュオを聴かせてきた。今回、折に触れて取り上げてきたブラームスの3つのヴァイオリンとピアノのためのソナタをセッション・レコーディング。ふたりの公演でアンコールとしてしばしば演奏されたパラディスの「シチリアーノ」も収録。

 ヴァイオリンの辻 彩奈は、1997年岐阜県生まれ。3歳よりスズキメソードにてヴァイオリンを始め、10歳時にスズキテンチルドレンに選ばれる。11歳で名古屋フィルハーモニー交響楽団と共演後、多くの国内外のオーケストラと共演。12歳で初リサイタルを行う。2016年「モントリオール国際音楽コンクール」において日本人として初の優勝を飾る。2017年「岐阜県芸術文化奨励」を受賞。2018年第28回「出光音楽賞」受賞。2019年ジョナサン・ノット指揮スイス・ロマンド管弦楽団とジュネーヴおよび日本にてツアーを実施し、その艶やかな音色と表現によって各方面から高い評価を得る。2022年辻 彩奈&阪田知樹デュオ・リサイタルツアーを全国10か所で実施。表情豊かで鮮度の高いデュオを聴かせ、深化著しい二人が触発し合って生み出す音楽は、各方面より称賛を受ける。

 ピアノの阪田知樹(1993年生まれ)は、東京藝術大学2年在学中の19歳で、第14回「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」最年少入賞(4~6位)。2012年より、名だたる世界的ピアニストを輩出し続けるイタリア北部の「コモ湖国際ピアノアカデミー」の最年少生徒として認められる。 2014年には、ハノーファー音楽大学に特別首席入学を果たす。「ピティナ・ピアノコンペティション」特級グランプリおよび聴衆賞等5つの特別賞。「クリーヴランド国際ピアノコンクール」にてモーツァルト演奏における特別賞。「キッシンジャー国際ピアノオリンピック」では日本人初となる第1位及び聴衆賞。2016年「フランツ・リスト国際ピアノコンクール」優勝および6つの特別賞受賞。2017年「横浜文化賞文化・芸術奨励賞」受賞。2021年「エリザベート王妃国際音楽コンクール」第4位入賞。2023年第32回「出光音楽賞」受賞。

 

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2024年8月12日

★タカーチ弦楽四重奏団のシューベルト:弦楽四重奏曲第8番/第15番


シューベルト:弦楽四重奏曲第15番 ト長調 D887
       弦楽四重奏曲第8番 変ロ長調 D112

弦楽四重奏:タカーチ弦楽四重奏団

        エドワード・ドゥシンベア(第1ヴァイオリン)
        ハルミ・ローズ(第2ヴァイオリン)
        リチャード・オニール(ヴィオラ)
        アンドラーシュ・フェイェール(チェロ)

CD:Hyperion CDA68423(TMP JCDA-68423)

 このCDは、タカーチ弦楽四重奏団の新録音で、若きシューベルトと円熟のシューベルトの弦楽四重奏曲を収録。まだ10代であった若きシューベルトが1814年9月5日から13日までの短い期間に書き上げた弦楽四重奏曲第8番。そしてシューベルトが作った弦楽四重奏曲の最後となった第15番。こちらもわずか11日間で書かれた作品。第15番は、シューベルトの存命中に全曲演奏されることはなかったが、その野心的な作風は彼の室内楽曲を代表するものに値する作品といえる。

 タカーチ弦楽四重奏団は、ハンガリー、ブタペストのリスト音楽院教授のアンドラーシュ・ミーハイの門下生であったガボル・タカーチ=ナジら4人の学生によって1975年に結成された。1977年にフランスのエヴィアンで開かれた「国際弦楽四重奏コンクール」で一等賞および批評家賞を受賞したことで一躍を注目を集めた。1978年「ブタペスト国際弦楽四重奏コンクール」優勝、ボルドー音楽祭でゴールド・メダル受賞。その後、アマデウス四重奏団、ハンガリー四重奏団に師事するなど研鑽を積み、世界に知られる弦楽四重奏団に成長を遂げた。現在はアメリカ合衆国のコロラド州ボルダーを拠点としている。2020年、グラミー賞受賞(3度のノミネート)で知られる世界的ヴィオリスト、リチャード・オニールが新たなメンバーとして加わり活動している。

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2024年8月08日

★セルゲイ・ハチャトリャン、イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタをイザイが使用していたグァルネリ「イザイ」で録音


イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ op.26(全6曲)

      ソナタ第1番 ト短調(ヨーゼフ・シゲティに献呈)
      ソナタ第2番 イ短調(ジャック・ティボーに献呈)
      ソナタ第3番 ニ短調「バラード」(ジョルジュ・エネスコに献呈)
      ソナタ第4番 ホ短調(フリッツ・クライスラーに献呈)
      ソナタ第5番 ト長調(マティウ・クリックボームに献呈)
      ソナタ第6番 ホ長調(マヌエル・キロガに献呈)

ヴァイオリン:セルゲイ・ハチャトリャン

CD:キング・インターナショナル:KKC-6846

 アルメニアの天才ヴァイオリニスト、セルゲイ・ハチャトリャンが、イザイの無伴奏ソナタ全曲を録音した。楽器はイザイ自身が所有・愛奏していたグァルネリ「イザイ」。限られた者だけが演奏することを許されるこの銘器を用いての録音は世界初。

 ヴァイオリンのセルゲイ・ハチャトゥリアン(1985年生まれ)は、アルメニア、エレバン出身。2000年第8回「シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール」においてコンクール史上最年少の15歳で優勝。さらに2005年「エリザベート王妃国際音楽コンクール」優勝し、天才ヴァイオリニストとして世界から絶賛される。2006年オスモ・ヴァンスカ指揮により、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を演奏し、ニューヨーク・デビューを果たす。来日も果たし、その素晴らしい音楽性は深い感動と共に人々の心に鮮明に記憶されている。2010年10月から2022年5月まで、日本音楽財団よりグァルネリ・デル・ジェス「イザイ」を貸与されたが、この録音では、この「イザイ」を使用している。作曲家のイザイ(1858年―1931年)が所有し、長年演奏活動に使用していたことからこの名前が付けられた銘器で、楽器の中に貼られた小さなラベルには、赤いインクで「このデル・ジェスは私の生涯を通じて忠実なパートナーだった。イザイ1928」とフランス語で書かれている。この楽器はイザイの国葬の際にはクッションに載せられ、棺の前を行進したことでも知られている。

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2024年8月05日

★諏訪内晶子のブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集(第1番~第3番)


ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集(第1番~第3番)

        第1番 ト長調 作品78 「雨の歌」
        第2番 イ長調 作品100
        第3番 ニ短調 作品108

ヴァイオリン:諏訪内晶子

ピアノ:エフゲニ・ボジャノフ

CD:ユニバーサルミュージック UCCD-45029

 現代を代表するヴァイオリニスト、諏訪内晶子。このCDは、ヒットを記録した「J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲)」から2年半ぶりとなるニュー・アルバム。今回はピアニストのエフゲニ・ボジャノフを迎えて、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番~第3番に挑戦。

 ヴァイオリンの諏訪内晶子(1972年生まれ)は、東京都出身。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コースを修了。文化庁芸術家在外派遣研修生としてジュリアード音楽院に留学。1987年「日本音楽コンクール」で第1位。1988年「パガニーニ国際コンクール」で第2位。1989年「エリザベート王妃国際音楽コンクール」で第2位。1990年「チャイコフスキー国際コンクール」で第1位(最年少、日本人初)。2013年から「国際音楽祭NIPPON」を企画、自ら芸術監督を務める。

 ピアノのエフゲニ・ボジャノフ(1984年生まれ)は、ブルガリア出身。ロベルト・シューマン音楽大学(ドイツ)で学ぶ。2008年「リヒテル国際ピアノコンクール」優勝。2010年「エリザベート王妃国際ピアノコンクール」第2位。同年「ショパン国際ピアノコンクール」第4位。2011年に発売された「フレデリック・ショパン」は「ドイツ・レコード評論賞」を受賞。現在、ドイツの名門フォルクヴァンク芸術大学ピアノ科の教授として後進の指導育成にも力を入れている。

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2024年8月01日

★ヤニック・ネゼ=セガン指揮ヨーロッパ室内管弦楽団のブラームス:交響曲全集


ブラームス:交響曲全集(第1番~第4番)

指揮:ヤニック・ネゼ=セガン

管弦楽:ヨーロッパ室内管弦楽団

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45096~8(3枚組)

 このCDアルバムは、3年連続、4つのグラミー賞を受賞した指揮者、ネゼ=セガンとヨーロッパ室内管弦楽団によるブラームス:交響曲全集。ヨーロッパ室内管弦楽団とは『シューマン:交響曲全集』(2014年)、『メンデルスゾーン:交響曲全集』(2017年)、『ベートーヴェン:交響曲全集』(2022年)に続く4度目の録音。

 指揮のヤニック・ネゼ=セガン(1975年生まれ)はカナダ出身。ケベック音楽院モントリオール校とプリンストンのウェストミンスター・クワイヤー・カレッジで学ぶ。19歳でモントリオール・ポリフォニー合唱団の監督に就任。モントリオール・オペラの合唱指揮者も務めた。グラン・モントリオール・メトロポリタン管弦楽団首席指揮者並びに芸術監督、カーティス音楽院メンター・コンダクター、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者を歴任。2012年フィラデルフィア管弦楽団音楽監督、2017年ヨーロッパ室内管弦楽団名誉団員に就任、2018年メトロポリタン歌劇場音楽監督に就任。2018年にドイツ・グラモフォンと専属契約を結んで以来、ピアノ・ソロアルバム『Introspection』や、ヨーロッパ室内管、フィラデルフィア管、ロッテルダム・フィルとの共演によるアルバムを数々リリース。これまでにグラミー賞の13部門にノミネートされており、2022年から3年連続、4つのグラミー賞を受賞。

 ヨーロッパ室内管弦楽団は、イギリス・ロンドンを本拠地とする室内オーケストラで、1981年にECユース管弦楽団(現EUユース管弦楽団)の出身者を中心として、クラウディオ・アバドにより自主運営団体として設立。年数回のコンサートやツアー、ペーザロ・ロッシーニ音楽祭やシティリアルテ音楽祭などの音楽祭に参加している。音楽監督などは置かず、様々な指揮者・ソリストと共演している。

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