クラシック音楽 新譜CD情報


バックナンバー 2024年 6月

2024年6月24日

★葵トリオ ベートーヴェン:ピアノ・トリオ全集(I)


ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第2番 ト長調 Op.1-2
        ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調「街の歌」 Op.11
        ピアノ三重奏曲第6番 変ホ長調 Op.70-2

        
ピアノ三重奏:葵トリオ

        秋元孝介(ピアノ)
        小川響子(ヴァイオリン)
        伊東 裕(チェロ)

ナミレコード WWCC-8011

 葵トリオ、いよいよ待望のベートーヴェン:ピアノ三重奏曲の全曲録音開始。

 ピアノ三重奏団「葵トリオ」は、ヴァイオリン:小川響子、チェロ:伊東裕、ピアノ:秋元孝介の東京芸術大学の大学院生と卒業生の3人により2016年に結成された。2018年9月にドイツ南部ミュンヘンで行われたドイツ公共放送ARD主催の第67回「ミュンヘン国際音楽コンクール」のピアノとバイオリン、チェロによる三重奏部門で第1位を獲得。同部門で日本からの入賞は初めて。「葵(AOI)」は、3人の名字の頭文字を取り、花言葉の「大望、豊かな実り」に由来する。第28 回「青山音楽賞」バロックザール賞、第29回「日本製鉄音楽賞」フレッシュアーティスト賞を受賞。現在はドイツを拠点に、ミュンヘン音楽大学でD.モメルツに師事しながら国内外で活動している。

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2024年6月20日

★チェロの新星 ブリュノ・フィリップのサン=サーンス:チェロ協奏曲 第1番&フランク:ヴァイオリン・ソナタ他


フォーレ:ロマンス op.69
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調(ジュール・デルサールによるチェロとピアノ版)
サン=サーンス:チェロ協奏曲 第1番 イ短調 op.33
フォーレ:蝶々 op.77
プーランク:チェロ・ソナタ
フォーレ:夢のあとに(パブロ・カザルス編)

チェロ:ブリュノ・フィリップ

ピアノ:タンギ・ド・ヴィリアンクール

指揮:クリストフ・エッシェンバッハ

管弦楽:フランクフルト放送交響楽団

 このCDは、チェロの新星ブリュノ・フィリップが、高く評価されたバッハの無伴奏チェロ組曲に続き、またひとつ世界に名乗りを上げるサン=サーンス:チェロ協奏曲 第1番&フランク:ヴァイオリン・ソナタ(チェロ・ソナタ)の1枚。

 チェロのブリュノ・フィリップ(1993年生まれ)は、フランス南部のペルピニャン出身。パリ国立高等音楽院でラファエル・ピドウらに師事。2011年「アンドレ・ナヴァラ国際コンクール」グラン・プリおよびベスト・リサイタル賞受賞。2014年「ミュンヘン国際コンクール」第3位および聴衆賞受賞。2014年「フォイアマンコンクール」および2015年「チャイコフスキー国際コンクール」で特別賞受賞。2017年「エリザベート王妃国際コンクール」入賞。2018年「ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジーク」でInstrumentarl Revelation(器楽部門の天啓的天才)賞受賞。フランスの名門ホールや音楽祭で活躍するほか、名門オーケストラとの共演多数。室内楽でも、タベア・ツィンマーマン、タメスティら世界的奏者たちと共演している。ジャン・ロンドーらが率いる古楽グループ、アンサンブル・ユピテルのメンバーでもある。

 ピアノのタンギ・ド・ヴィリアンクール(1990年生まれ)は、出身。パリ国立高等音楽院でロジェ・ムラロ、クレール・デセール、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェのクラスで学び、2008年「YAMAHAコンクール」、2013年「フォーレ・コンクール」入賞。以降ジャック・ルヴィエ、ケフェレックらのもとで研鑽をつみ、2016年にジュネーヴ芸術協会の審査員賞、およびオーディエンス賞を受賞。

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2024年6月17日

★イザベル・ファウストによるブリテン:ヴァイオリン協奏曲&室内楽作品集


①ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 op.15(1939年、1958年改訂)

   ヴァイオリン:イザベル・ファウスト

   指揮:ヤクブ・フルシャ

   管弦楽:バイエルン放送交響楽団

   録音:ライヴ録音(2021年10月28~29日)

②起床ラッパ(Reveille)~ヴァイオリンとピアノ伴奏のためのコンサート・スタディ(1937年)~

   ヴァイオリン:イザベル・ファウスト
   ピアノ:アレクサンドル・メルニコフ

③組曲(1936年)

   イントロダクション
   行進曲
   無窮動
   ララバイ
   ワルツ

   ヴァイオリン:イザベル・ファウスト
   ピアノ:アレクサンドル・メルニコフ

④ヴァイオリン、ヴィオラとピアノのための2つの小品(1929年)<世界初録音>

   ウン・ポコ・アンダンテ
   アレグロ・コン・モルト・モート

   ヴァイオリン:イザベル・ファウスト
   ヴィオラ:ボリス・ファウスト
   ピアノ:アレクサンドル・メルニコフ

   録音:室内楽は2022年4月、テルデックス・スタジオにて録音

CD:キングインターナショナル KKC-6845(HARMONIAMUNDI:HMM-902668)

 このCDは、イザベル・ファウストによるブリテンのヴァイオリン協奏曲のライヴ録音盤。ブリテンのヴァイオリン協奏曲は、アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲に多大な影響を受けて書かれたが、ブリテンの魅力的なメロディも満載の名曲。カップリングはメルニコフがピアノを担当したブリテンの室内楽集。

 ヴァイオリンのイザベル・ファウストは、ドイツ出身。1987年アウグスブルクの「レオポルト・モーツァルト・コンクール」、1993年「パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクール」で共に第1位。1997年には、バルトークのソナタのデビュー録音でグラモフォン賞「ヤング・アーティスト・オ ブ・ザ・イヤー」を受賞した。古典作品に加え前衛的なレパートリーも持っており、世界初演も多い。室内楽奏者としても各地の音楽祭に定期的に出演。現在、世界を代表するヴァイオリニストの一人。

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2024年6月13日

★巨匠マレク・ヤノフスキ指揮ドレスデン・フィルのシューマン:交響曲全集


<Disc 1>

シューマン:交響曲第1番 変ロ長調 Op.38「春」
      交響曲第2番 ハ長調 Op.61

<Disc 2>

シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.97「ライン」
      交響曲第4番 ニ短調 Op.120

指揮:マレク・ヤノフスキ

管弦楽:ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団

CD:キングインターナショナル KKC-6842~3

 1870年創立の名門ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団。ヤノフスキは、2001年から2003年まで同管弦楽団の首席指揮者を務め、その後2019年より再びその座に就き、蜜月の関係を築いている。

 指揮のマレク・ヤノフスキ(1939年生まれ)は、ポーランド、ワルシャワ出身。父親はポーランド人、母親はドイツ人。
生後間もなくからドイツで育つ。ケルン音楽大学でヴォルフガング・サヴァリッシュに指揮法を師事。フライブルクやドルトムントの歌劇場で音楽監督を務めた後、欧米各地のオーケストラを指揮。ベートーヴェンやワーグナー、ブラームス、リヒャルト・シュトラウスを得意とする。1984年より2000年までフランス放送フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務め、高い評価を得る。2000年から2006年までモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務め、2001年から2003年にはドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者も兼任。2005年より2008年までピッツバーグ交響楽団首席指揮者・音楽監督、2005年より2012年までスイス・ロマンド管弦楽団の音楽監督を務めた。2016年、2017年バイロイト音楽祭で「ニーベルングの指環」を指揮。2019年より再びドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務める。

 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団は、1870年に創立されたドイツ・ザクセン州ドレスデンに本拠を置くオーケストラ。当初は、当時の演奏会場を冠してゲヴェルベハウス管弦楽団と呼ばれたが、1915年より現在の名称となる。1987年より、ドレスデン文化宮殿をメイン会場として活動している。古くから盛んに海外公演を行っており、1909年に早くもアメリカ公演を実施したほか、1976年以来たびたび日本公演も行っている。歴代の指揮者として、パウル・ファン・ケンペン、ハインツ・ボンガルツ、クルト・マズア、ギュンター・ヘルビッヒ、ヘルベルト・ケーゲル、ミシェル・プラッソン、マレク・ヤノフスキらがおり、2004年からラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスが首席指揮者兼芸術監督、2011年から2019年までミヒャエル・ザンデルリングが首席指揮者を務め、2019年からヤノフスキが再び首席指揮者に就任した。

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2024年6月10日

★現代音楽に躍り出た尺八5人衆「The Shakuhachi 5」のデビュー・アルバム


藤倉大:Shakuhachi Five(2020)
台信遼:Shape of Wind(2021)
ジョン・ケージ:Five(1988)
望月京:観音アナトミー(2023)
西村朗:五本の尺八のための〈沙羅双樹〉(2021)

尺八:The Shakuhachi 5

      小濱明人
      川村葵山
      黒田鈴尊
      小湊昭尚
      田嶋謙一

CD:カメラータ CMCD-28392

 現代音楽の最前線に躍り出た尺八5人衆。流派・伝統の枠を超え、新たな領域へ。古典のみならず、現代の表現を求め活動を続ける5人が結成した、超流派の尺八グループ「The Shakuhachi 5」。このCDは、尺八音楽の未来を開拓する気鋭の演奏家たちが、卓越したセンスと技術で、未知の音楽世界へと誘うデビュー・アルバム。

 「The Shakuhachi 5」は、古典のみならず、現代の表現を求め活動を続ける5人、小濱明人、川村葵山、黒田鈴尊、小湊昭尚、田嶋謙一が結成した超流派の尺八グループ。2020年、作曲家・藤倉大によるテレワーク作品「Longing fromafar」を本人の指揮と共に収録し動画を公開。同年、邦楽ジャーナル誌の表紙を飾り、巻頭インタビューも掲載された。積極的に委嘱初演を行い、尺八音楽の未来を開拓している。

 小濱明人:石川利光に師事。NHK邦楽技能者育成会修了。尺八新人王決定戦優勝。川村葵山:尺八を父、川村泰山に師事。くまもと全国邦楽コンクール最優秀賞受賞。都山流全国本曲コンクール金賞受賞。黒田鈴尊:二代・三代青木鈴慕に師事。国際尺八コンクール2018 inロンドン優勝。小湊昭尚:琴古流尺八奏者、民謡小湊流三代目家元。故人間国宝山口五郎氏に師事。東京藝術大学邦楽科卒業。田嶋謙一:2006年東京藝術大学邦楽科卒業、2009年~2012年同大学助手。2014年第69回文化庁芸術祭新人賞受賞。

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2024年6月06日

★ジャニーヌ・ヤンセンのシベリウス&プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲


シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品19

ヴァイオリン:ジャニーヌ・ヤンセン

指揮:クラウス・マケラ

管弦楽:オスロ・フィルハーモニー管弦楽団

CD:UCCD-45028

 ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ベルリン・フィル、ニューヨーク・フィルを含む世界最高のオーケストラと定期的に共演し、恵まれた国際的名声を誇るヴァイオリニスト、ジャニーヌ・ヤンセン。9年ぶりとなる協奏曲アルバムは、待望のシベリウスとプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲。話題の若手指揮者、クラウス・マケラ指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団との競演。

 ヴァイオリンのジャニーヌ・ヤンセン(1978年生まれ)は、オランダ、ユトレヒト州出身。ユトレヒト音楽院で学ぶ。14歳でオランダ放送交響楽団と共演してデビュー。2003年にはデッカと専属録音契約を結ぶ。その後、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団など、世界の主要オーケストラと共演を重ねる。 2000年にヴァレリー・ゲルギエフ指揮ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の日本ツアーにソリストとして参加し、初来日。2012年には日本での初めてのリサイタルを開催。最近もしばしば来日を果たしている。また、ソロ活動のほかに室内楽にも積極的に取り組み、2003年「ユトレヒトに国際室内楽フェスティバル」を創設し、自ら音楽監督を務めている。 2003年「オランダ音楽賞」を受賞したほか、これまでに「エディソン・クラシック聴衆賞」「エコー賞」「ドイツ・レコード批評家賞」「NDR音楽賞」など、数多くの賞を受賞している。

 指揮のクラウス・マケラ(1996年生まれ)は、フィンランド出身。シベリウス・アカデミーで指揮とチェロを学ぶ。チェリストとして数々のオーケストラと共演しつつ、10代の頃から指揮者としても頭角を現し、これまでにフィンランド放送響、ヘルシンキ・フィル、ライプツィヒ放送響など、世界の一流オーケストラを指揮し、「数十年に一度の天才指揮者の登場」とも評される大成功を収めている。さらにチェリストとしてフィンランドの主要オーケストラと共演。2020年24歳でオスロ・フィルハーモニー管弦楽団芸術監督・首席指揮者に就任。2021年パリ管弦楽団の音楽監督に就任。また、2027年からロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者に就任する予定。

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2024年6月03日

★新イタリア合奏団と工藤重典(フルート)のヴィヴァルディ名曲集


ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」

            協奏曲 ホ長調「春」作品8-1 RV269
            協奏曲ト短調「夏」作品8-2 RV315
            協奏曲 ヘ長調「秋」作品8-3 RV293
            協奏曲 ヘ短調「冬」作品8-4 RV297

         フルート協奏曲 ヘ長調「海の嵐」作品10-1, RV 433
         フルート協奏曲 ニ長調「ごしきひわ」RV 90
         トリオ・ソナタ ニ短調「ラ・フォリア」作品1-12, RV 63

ヴァイオリン独奏&コンサートマスター:フェデリーコ・グリエルモ

フルート:工藤重典

弦楽合奏:新イタリア合奏団

収録:紀尾井ホール(ライヴ録音)

CD:マイスターミュージック MM-4529

 弦楽合奏の新イタリア合奏団は、イタリアのヴァイオリン界を牽引するフェデリコ・グリエルモを筆頭に、同国の音楽界を名実ともに支える重鎮が集うアンサンブル。1970年代に一世を風靡した「ローマ合奏団」の流れを汲み、バロック音楽のエキスパートとして知られた「イタリア合奏団」を前身に持つ弦楽合奏団。21世紀への新たな飛躍を求めてメンバーを一新し「新イタリア合奏団」としてスタートした。メンバーは、イタリアの著名オーケストラのコンサートマスターやソロ首席奏者の経験者、国際コンクールの入賞者、有名なイタリアの室内楽グループ(ローマ合奏団、キジアーノ六重奏団)の元メンバーなどによって構成されている。レパートリーは弦楽六重奏から交響曲まで、指揮者を置かず、ソロもメンバーが交替で担当して演奏する。その輝かしく美しい演奏は、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、コリエーレ・デラ・セーラ、南ドイツ新聞、ディアパゾン、ル・モンド・ドゥ・ラ・ミュジク、フォノフォールム、CDクラシカ、ムジカなどの新聞雑誌で高く評価されている。

 フルートの工藤重典(1954年生まれ)は、北海道札幌市出身。桐朋学園大学ディプロマコースで学ぶ。1975年、卒業を待たずにフランスへ留学し、パリ音楽院のジャン=ピエール・ランパル(1922年―2000年)のクラスで学んだ。1979年フランスのリール国立管弦楽団に入団し首席フルート奏者となる。1979年パリ音楽院修了。1987年にリール国立管弦楽団を退団し、活動の比重をソロへ移すと共に、パリのエコール・ノルマル音楽院教授となる。1983年から「ジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクール」審査員。1987年から2009年までサイトウ・キネン・オーケストラ首席フルート奏者。1990年から水戸室内管弦楽団首席フルート奏者を務める。2013年オーケストラ・アンサンブル金沢の特任首席奏者に就任。1978年第2回「パリ国際フルートコンクール」第1位およびフランス独奏家協議会賞、1979年「ミュンヘン国際音楽コンクール」フルート部門第3位、1980年第1回「ジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクール」第1位およびフランス共和国大統領賞、1988年度「村松賞」などを受賞。東京音楽大学教授。

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