2024年12月30日
★三浦文彰 (ヴァイオリン)と清水和音(ピアノ)のベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
<DISC 1>
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ⻑調 作品12-1
ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ⻑調 作品12-2
ヴァイオリン・ソナタ 第3番 変ホ長調 作品12-3
<DISC 2>
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第4番 イ短調 作品23
ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 作品24 《春》
<DISC 3>
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第6番 イ長調 作品30-1
ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 作品30-2
ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調 作品30-3
<DISC 4>
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47 《クロイツェル》
ヴァイオリン・ソナタ 第10番 ト長調 作品96
CD avex-CLASSICS AVCL-84162~5(4枚組)
ブラームス:ヴァイオリンソナタ全集に続く、三浦文彰 (ヴァイオリン)と清水和音(ピアノ)のコンビによるベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ全集のCDがリリース。
。
ヴァイオリンの三浦文彰(1993年生まれ)は、東京都出身。6歳から徳永二男氏に師事。その後、ウィーン私立音楽大学で学ぶ。2006年「ユーディ・メニューイン国際ヴァイオリンコンクール」第2位。そして2009年、世界最難関とも言われる「ハノーファー国際コンクール」において、史上最年少の16歳で優勝。その後、モスクワ、ドイツ、スイスなどで開催される音楽祭に数多く出場。さらに北ドイツ放送交響楽団やウィーン室内管弦楽団などのオーケストラと共演するなど、国際的な活動を展開する。2018年からスタートした「サントリーホールARKクラシックス」ではアーティスティック・リーダーに就任。ロンドンの名門ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のアーティスト・イン・レジデンスも務める。2009年度第20回「出光音楽賞」受賞。2022年に雑誌「Forbes」(アジア版)において「30 under 30(世界を変える30歳未満の30人)」に選出された。
ピアノの清水和音(1960年生れ)は、東京都出身。1980年ジュネーヴ音楽院に留学。1981年「ロン=ティボー国際コンクール」ピアノ部門で優勝。1982年デビューリサイタルを開く。1983年第9回「日本ショパン協会賞」受賞。2011年デビュー30周年を記念して、ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番~第4番とパガニーニの主題による狂詩曲の全5曲を一度に演奏するという快挙を成し遂げた。2014年から2018年の5年間では春秋・年2回のリサイタル・シリーズ「清水和音 ピアノ主義」を開催。スカルラッティとバッハに始まり、古典派からロマン派を中心に20世紀のピアノ曲まで、幅広いレパートリーで聴衆を魅了、なかでもベートーヴェンとショパンに対して深い関心を寄せる。演奏活動の一方で、東京音楽大学の教授を務め、後進の指導にもあたっている。
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2024年12月26日
★クァルテット・インテグラのベートーヴェン:「ラズモフスキー第3番」&バルトーク:弦楽四重奏曲第5番
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」
バルトーク:弦楽四重奏曲第5番
弦楽四重奏:クァルテット・インテグラ
三澤響果(第1ヴァイオリン)
菊野凜太郎 (第2ヴァイオリン)
山本一輝 (ヴィオラ)
パク・イェウン(チェロ)
CD:ナミレコード WWCC-8020
このCDは、「バルトーク国際コンクール」第1位、「ミュンヘン国際音楽コンクール」第2位に輝いたクァルテット・インテグラの演奏会での演奏曲目と同じセッション(スタジオ)録音盤。
弦楽四重奏団のクァルテット・インテグラは、2015年桐朋学園に在学中のメンバーによりに結成された、メンバーの年齢が全員二十代という若いカルテットである。2021年「バルトーク国際コンクール」弦楽四重奏部門第1位。2022年「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」弦楽四重奏部門第2位、併せて、聴衆賞を受賞。第8回「秋吉台音楽コンクール」弦楽四重奏部門第1位、併せて、ベートーヴェン賞、山口県知事賞を受賞。キジアーナ音楽院夏期マスタークラスにて最も優秀な弦楽四重奏団に贈られる「Banca Monte dei Paschi di Siena賞」を受賞。クライブ・グリーンスミス氏、ギュンター・ピヒラー氏の指導を受ける。第41回霧島国際音楽祭に出演し、「堤剛音楽監督賞」及びに「霧島国際音楽祭賞」を受賞。NHK「クラシック倶楽部」、「リサイタル・パッシオ」、「ららら♪クラシック」等に出演。サントリーホール室内楽アカデミー第5,6期フェロー。磯村和英、山崎伸子、原田幸一郎、池田菊衛、花田和加子、堤剛、毛利伯郎、練木繁夫各氏に師事。公益財団法人松尾学術振興財団より助成を受ける。2022年秋よりロサンゼルスのコルバーンスクールにレジデンスアーティストとして在籍。現在、クライブ・グリーンスミス氏、マーティン・ビーヴァー氏に師事。
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2024年12月23日
★ブルース・リウのグランド・ピアノとアップライト・ピアノによるサティ:6つのグノシエンヌ
サティ:6つのグノシエンヌ
Part 1:グランド・ピアノ Ver.
第1番:Lent
第2番:Avec etonnement
第3番:Lent
第4番:Lent
第5番:Modere
第6番:Avec conviction et avec une tristesse rigoureuse
Part 2:アップライト・ピアノ Ver.
第1番:Lent
第2番:Avec etonnement
第3番:Lent
第4番:Lent
第5番:Modere
第6番:Avec conviction et avec une tristesse rigoureuse
ピアノ:ブルース・リウ
CD:ユニバーサル ミュージック UCCG-45103
このCDでブルース・リウは、革新的なパリの作曲家、エリック・サティ(1866年―1925年) が、1889年のパリ万博で耳にした東洋音楽の影響を受けたといわれる作品「6つのグノシエンヌ」を、グランド・ピアノとアップライト・ピアノの2台で弾き分けて録音している。
ピアノのブルース・リウは、1997年パリで生まれる(カナダ国籍)。両親は中国・北京からのフランス留学生で、後にカナダへ移住。モントリオール音楽院で学び、ヴェトナム出身のダン・タイ・ソン(1980年アジア人初の「ショパン国際ピアノコンクール」優勝者、現在カナダ、モントリオール在住)に師事。「仙台」、「モントリオール」、「テルアヴィヴ」、「ヴィセウ」などの国際ピアノ・コンクールで入賞、そして2021年第18回「ショパン国際ピアノ・コンクール」で優勝を果たす。クリーヴランド管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、モントリオール交響楽団などのオーケストラと共演し、中国NCPA管弦楽団とは北米ツアーを行う。近年では、ウクライナ国立交響楽団およびリヴィウ・フィルハーモニー管弦楽団との2年連続の中国ツアーや、サル・ガヴォーでのラムルー管弦楽団との共演がある。
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2024年12月19日
★森 正指揮東京都交響楽団のホルスト: 組曲「惑星」/モーツァルト: 歌劇「フィガロの結婚」序曲/同ホルン協奏曲第3番(1982年8月5日、ライヴ録音盤)
ホルスト: 組曲「惑星」
モーツァルト: 歌劇「フィガロの結婚」序曲
ホルン協奏曲第3番
指揮:森 正
管弦楽:東京都交響楽団
ホルン:笠松長久
合唱:日本合唱協会
録音:1982年8月5日、新宿文化センター(ライヴ録音)
CD:東武商事 Tobu Recordings TBRCD0155
このCDは、1982年8月5日、新宿文化センターでのライヴ録音盤。当日は、山田一雄の代役で急遽登壇した森 正指揮東京都交響楽団により、ホルスト: 組曲「惑星」/モーツァルト: 歌劇「フィガロの結婚」序曲、ホルン協奏曲第3番が演奏された。
指揮の森 正(1921年―1987年)は、大阪市出身。天王寺商業学校で音楽部に所属し、最初はホルンを担当したが、3年の頃肋膜炎に罹ったことでフルートに転向。東京音楽学校(現・東京芸術大学)器楽科に入学。最初はフルート、その後指揮の授業をのヘルムート・フェルマーから履修。フェルマーには指揮のほか、ハーモニーや作曲、オーケストレーション等も学び、同校卒業後も継続して師事した。1942年、同校卒業し、フルート奏者として正式にデビュー。1943年、東京放送管弦楽団に入団。戦後は、尾高尚忠の自宅のある鎌倉へ転居し、尾高、橘常定とトリオを組み演奏旅行を行う。特に尾高とは家が近所だったために親しく、1948年にはフルート協奏曲の作曲を委嘱し同年初演。その後、斎藤秀雄の紹介で、陸軍音楽隊が解体されて結成された宮内省のブラスバンドを指揮。1948年頃、名古屋市公会堂における進駐軍のためのコンサートで、東京フィルハーモニー交響楽団とオットー・ニコライ作曲の「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲を急遽指揮して指揮者としてデビューを果たす。その後、齋藤秀雄に指揮法を改めて師事する傍ら、東京放送管弦楽団の同僚で、シベリア抑留より帰還した黒柳守綱らと東響室内楽団にも参加。1950年日本指揮者協会を設立。設立者は山田耕筰、近衛秀麿、齋藤秀雄、上田仁、尾高尚忠、金子登、山田一雄、渡辺暁雄、高田信一、森 正。1952年東京交響楽団の常任指揮者に就任。さらに京都市交響楽団常任指揮者(1962年~1966年)、東京都交響楽団常任指揮者(1967年~1972年)を歴任。1979年、NHK交響楽団正指揮者に就任。980年第31回「NHK放送文化賞」受賞。1984年「紫綬褒章」受章。死の直前まで桐朋学園大学教授として後進の指導にあたった他、東京芸術大学講師、東京音楽大学客員教授を務めた。
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2024年12月16日
★アレクサンドル・タローの”バッハ:トランスクリプション集”(全25曲)
J.S.バッハ:
アダージョ~鍵盤楽器のための協奏曲 BWV 974 より
(原曲:マルチェッロ:オーボエ協奏曲 ニ短調S. D935)
ブーレ~リュート組曲 ホ短調 BWV 996(A.タロー編)
合唱「主、我らの統治者よ」~ヨハネ受難曲 BWV 245(A.タロー編)
シチリアーノ~フルートとチェンバロのためのソナタ 変ホ長調 BWV 1031(A.タロー編)
鍵盤楽器のための組曲 イ短調 BWV 818a
プレリュード/サラバンド/メヌエット/クーラント/アルマンド/ジーグ
アリア「愛ゆえに、私の救い主は死のうとされる」~マタイ受難曲 BWV 244(A.タロー編)
アリア~管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV 1068(A.タロー編)
ファンタジア~幻想曲とフーガ ハ短調 BWV 906
シチリアーノ~オルガン協奏曲 ニ短調 BWV 596(A.タロー編)
(原曲:ヴィヴァルディ:協奏曲集「調和の霊感」Op.3より2つのヴァイオリンと
チェロのための協奏曲第11番ニ短調 RV 565)
リュートための前奏曲 ハ短調 BWV 999
リュート組曲 ホ短調 BWV 996(A.タロー編)
プレリュード、サラバンド、アルマンド、ジーグ
前奏曲 ハ長調 BWV 924
前奏曲 ニ短調 BWV 926
コラール「私を認めてください 私の守り主よ」
~マタイ受難曲 BWV 244(ジャン・ヴィエネル編)
アルマンド~無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV 1013(A.タロー編)
コラール「今すべての森、静かなり」BWV 392(ジャン・ヴィエネル編)
シャルル・グノー:瞑想曲(アヴェ・マリア)
~J.S.バッハ:前奏曲とフーガ ハ長調 BWV 846 より プレリュード
ピアノ:アレクサンドル・タロー
CD:ワーナーミュージック・ジャパン 2173.242335
アレクサンドル・タローのレパートリーは幅広く、古典派作品からロマン派、近現代、シャンソンまでとヴァラエティに富んでいるが、そんな彼が近年強く魅了されているのがバロック音楽。今回のバッハアルバムでは、多くの作曲者や演奏者がピアノ用に編曲したものではなく、リュートやフルート、受難曲からなどの曲を、タロー自身が編曲したものが多くを占めている。
ピアノのアレクサンドル・タロー(1968年生まれ)は、フランス、パリ出身。現代フランスを代表するピアニストの一人。パリ国立高等音楽院卒業。1989年「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」第2位となり、以来国際的な演奏活動を展開。CD録音にも力を入れ、特にラモーの「新クラヴサン組曲」は非常に高い評価を得ているほか、ラヴェルのピアノ作品全集は、2003年「アカデミー・シャルル・クロ・グランプリ ディアパソン金賞」を受賞。ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノフェスティバル、BBCプロムス、ルフトハンザ・バロック音楽祭など多くの音楽祭に出演。クープラン、バッハ、スカルラッティからモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ショパン、ブラームス、さらにラフマニノフや20世紀の著名フランス人作曲家にいたる幅広いレパートリーを録音したソロ・アルバムは25枚を超え、そのほとんどが主要音楽専門誌の賞に輝いている。また、演劇制作者、ダンサーなどクラシック音楽以外のジャンルの音楽家たちとのコラボレーションを通じて、多彩な芸術的試みにも挑んでいる。2021年、フランスの音楽大賞「ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジーク・クラシック」より、「インターナショナル・ソリスト・オブ・ザ・イヤー賞」受賞。2022年には映画音楽を特集した「シネマ」と題するCDをリリースし、2023年は4手プロジェクトに挑むなど、視野の広い活動を精力的に展開している。
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2024年12月12日
★レヴィット&ティーレマン指揮ウィーン・フィルのブラームス: ピアノ協奏曲第1番&第2番&ピアノ小品集
<CD1>
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 作品15
<CD2>
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 作品83
<CD3>(ピアノ・ソロ)
ブラームス:7つの幻想曲 作品116
3つの間奏曲 作品117
6つの小品 作品118
4つの小品 作品119
ワルツ 作品39より第15曲イ長調(連弾:クリスティアン・ティーレマン)
ピアノ:イゴール・レヴィット
指揮:クリスティアン・ティーレマン
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
CD:ソニーミュージック SICC‐30899~901(3枚組)
レヴィットとティーレマンは、2015年にモーツァルトのピアノ協奏曲でシュターツカペレ・ドレスデンとともに初共演したが、2人はすぐに意気投合。ティーレマンによるブラームスのピアノ協奏曲の録音は、今回で2回目(1回目はポリーニとの2010年代の共演)。DISC3には、ブラームス晩年のピアノ作品をレヴィットのソロによって収録。最後の4手ピアノのためのワルツ集第15番はティーレマンとレヴィットが連弾で披露。
ピアノのイゴール・レヴィット(1987年生まれ)は、ロシア、ニジニーノヴゴロド出身。8歳のときに家族と共にドイツ移住。2009年ハノーファー音楽演劇メディア大学で学ぶ。2005年、テルアヴィヴの「アルトゥール・ルービンシュタイン・コンクール」に最年少で参加し、銀メダル及び最優秀室内楽演奏賞、観客賞、最優秀現代音楽演奏賞を獲得した。ベートーヴェンの後期ソナタ5曲のCDで、2014年「BBCミュージック・マガジン新人賞」、同年ロイヤル・フィルハーモニック協会「ヤング・アーティスト賞」を受賞。さらに2015年、ハイデルベルクの春音楽祭の協力を得て、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」、ベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」、ジェフスキーの「不屈の民」変奏曲を収録したCDは、2016年の「グラモフォン・クラシック・ミュージック・アワード」において、「レコーディング・オブ・ザ・イヤー」と「器楽賞」を受賞した。さらに、2018年「ギルモア・アーティスト賞」、同年ロイヤル・フィルハーモニック協会の「年間最優秀器楽奏者賞」を受賞。
指揮のクリスティアン・ティーレマン(1959年生まれ)は、ドイツ、ベルリン出身。1978年よりベルリン・ドイツ・オペラ、カールスルーエ・バーデン州立劇場、ハノーファー州立劇場にて歌劇場コレペティトーアとして経験を積んだのち、1985年にデュッセルドルフ・ライン歌劇場の首席指揮者としてその本格的キャリアをスタートさせ、1985年から1988年までライン・ドイツ・オペラの第1カペルマイスターを務めた。1988年にはニュルンベルク州立劇場の音楽総監督に就任したが、これは当時ドイツ国内では最年少の音楽総監督であった。これまで、ベルリン・ドイツ・オペラ音楽監督(1997年~2004年)、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団首席(2004年~2010)などを歴任。現在、シュターツカペレ・ドレスデン音楽総監督・首席指揮者 (2012年~2024年)、ザルツブルク復活祭音楽祭芸術監督(2013年~)、バイロイト音楽祭芸術監督(2015年~)、ベルリン国立歌劇場音楽監督(2024年~)を務めている。2019年と2024年には、ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート指揮者を務めた。
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2024年12月09日
★久保田巧、長谷川陽子、亀井良信、廻由美子の4人の名手によるメシアン: 「時の終わりのための四重奏曲」/アデス:コート・スタディーズ
メシアン:「時の終わりのための四重奏曲」
水晶の典礼
時の終わりを告げる天使のためのヴォカリーズ
鳥たちの深淵
間奏曲
イエスの永遠性への賛歌
7つのトランペットのための狂乱の踊り
時の終わりを告げる天使のための虹の錯乱
イエスの不滅性への賛歌
アデス:コート・スタディーズ(歌劇「テンペスト」より)
ヴァイオリン:久保田 巧
チェロ:長谷川陽子
クラリネット:亀井良信
ピアノ:廻 由美子
CD:妙音舎 MYCL- 00052
このCDは、日本を代表する名手たちによる、20世紀を代表する室内楽曲であるメシアン(1908年―1992年)の「時の終わりのための四重奏曲」と、同じ楽器構成をもつイギリスの作曲家トーマス・アデス(1971年生まれ)のシェークスピアを題材とした作品「コート・スタディーズ」を収録。メシアンの「時の終わりのための四重奏曲」は、第二次世界大戦下、捕虜となり拘束されたメシアン自身のピアノによって収容所の捕虜たちを前に初演された室内楽の傑作。
ヴァイオリンの久保田 巧(1959年生まれ)は、東京都出身。桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学ディプロマ・コースに進む。大学在学中にウィーンに留学し、ウィーン国立音楽大学を卒業。ウィーンではヴォルフガング・シュナイダーハン(1915年―2002年)に師事。1984年日本でリサイタル・デビュー。1982年第1回「ロドルフォ・リピツァー賞ヴァイオリン・コンクール」第2位。1983年「フリッツ・クライスラー国際コンクール」第2位。第3回「ミケランジェロ・アバド国際ヴァイオリン・コンクール」第1位。1984年「カール・フレッシュ国際ヴァイオリン・コンクール」第3位。1984年「ミュンヘン国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門第1位(日本人としては初)。1987年からサイトウ・キネン・オーケストラ、1990年から水戸室内管弦楽団、2014年から弦楽四重奏団「前橋汀子カルテット」に参加。
チェロの長谷川陽子は、東京都出身。9歳から桐朋学園大学付属「子供のための音楽教室」で井上頼豊に師事し、15歳で第54回「日本音楽コンクール」第2位入賞。1988年桐朋学園大学に入学後、1989年より文化庁派遣在外研修員としてフィンランドのシベリウス・アカデミーに留学。1992年同アカデミーを首席で卒業し、帰国。1985年第3回「アリオン賞」審査員奨励賞、1988年「村松賞」、1988年「第9回霧島国際音楽祭賞」、1990年「ロストロポーヴィッチ国際チェロ・コンクール」特別賞、1991年「モービル音楽賞奨励賞」、1991年「新日鉄フレッシュ・アーティスト賞」、齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。NHK朝の連続テレビ小説「純情きらり」のテーマ曲やNHK大河ドラマ「平清盛」のエンディング・テーマ曲演奏などを担当。2015年より、桐朋学園大学音楽学部准教授。
クラリネットの亀井良信(1976年生まれ)は、名古屋市出身。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)卒業後、渡仏。パリ市12区立ポール・デュカ音楽院、オーベルヴィリエ・ラ・クールヌーヴ地方国立音楽院をいずれも満場一致の1位で卒業。ピエール・ブーレーズに認められ、バルタバス主幹のフランス騎馬オペラ団「ジンガロ」のスペクタクル「TRIPTIK」で、同曲を演奏することに抜擢され、1999~2002年まで世界ツアーに出演する。1997年「トゥーロン国際コンクール」で「スペディダム賞」を受賞。2003年「日本木管コンクール」第1位。2003年帰国。ソリスト・室内楽などで活動する他、サイトウ・キネン・オーケストラ、東京のオペラの森にも参加している。第16回「出光音楽賞」、2005年度「アリオン賞」を受賞。東京芸術大学非常勤講師、東京音楽大学非常勤講師。
ピアノの廻 由美子は、東京都出身。 桐朋学園高校音楽科を経て桐朋学園大学ピアノ科を卒業後、インディアナ大学音楽学部アーティスト・ディプロマ・コースにてジョルジュ・シェベックに師事。2007年から”「新しい耳」テッセラ音楽祭”を主催し、ボーダーレスの個性派音楽祭として注目され、ドイツの音楽誌「NEUE ZEITSCHRIFT FUR MUSIK」でも2ページにわたり紹介される。30回を迎えた2022年より新シリーズ”「新しい耳」@B-tech Japan ”を開始。ピアノ演奏のレパートリーは、バッハなどの古典派から、武満徹などの現代の作曲家まで幅広いが、中でも現代音楽を専門としている。レコーディングでは、これまで20枚以上に及ぶCDをリリースし、「バルトーク/二台のピアノと打楽器のためのソナタ」は、全米でリリースされた。桐朋学園大学ピアノ科教授。
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2024年12月05日
★ヨーヨー・マとキャサリン・ストットの”ラスト・デュオ・アルバム”
フォーレ:子守歌 作品16
リリ・ブーランジェ:夜想曲
フォーレ:アンダンテ 作品75
サン=サーンス:あなたの声に心は開く(「サムソンとダリラ」より)
ナディア・ブーランジェ:カンティーク
フォーレ:パピヨン 作品77
ポーリーヌ・ヴィアルド:アイ・リュリ
フォーレ:シシリエンヌ 作品78
リリ・ブーランジェ:哀しみの夜に
フォーレ:モルソー・デ・レクチュール
ナディア・ブーランジェ:ラ・メール
フォーレ:ロマンス 作品69
ポーリーヌ・ヴィアルド:エメ・モワ(16世紀の6つのシャンソンより)
フォーレ:エレジー作品24
フォーレ:セレナーデ作品98
サン=サーンス:ロマンス
フォーレ:ロマンス 作品28
カタルーニャ民謡(パブロ・カザルス編):鳥の歌 (日本盤ボーナス・トラック)
チェロ:ヨーヨー・マ
ピアノ:キャサリン・ストット
CD:ソニーミュージック SICC-30903(Blu-spec CD2)
このCDは、現代最高のチェリスト=ヨーヨー・マの最新録音盤で、1985年から録音で共演を重ねるイギリスの実力派ピアニスト キャサリン・ストットとのデュオ・アルバムで、4年ぶりの共演作。残念ながら、キャサリン・ストットは、2024年でプロのピアニストとしての活動を中止するという。
チェロのヨーヨー・マ(1955年生まれ)は、フランス、パリ出身の中国系アメリカ人。父は、中国寧波生まれでオーケストラ指揮者・作曲家。母は、香港生まれで南京国立中央大学出身の声楽家。ヨーヨー・マの両親は中国を離れパリに渡りその後、彼が7歳の時にニューヨークに移り住んだ。5歳にしてすでに観衆を前に演奏を行い、7歳の時にはジョン・F・ケネディの前で演奏、また、8歳でレナード・バーンスタインが行ったコンサートでアメリカのテレビに出演した。1976年ハーバード大学を卒業、人類学の学位を取得。1982年に、バッハの無伴奏チェロ組曲を録音する。1994年から1997年にかけて同曲の再録音を行う。室内楽にも熱心であり、ジュリアード音楽院時代から親密にしていたピアニストであるエマニュエル・アックスなどと共演。1991年に、ハーバード大学から名誉博士号を授与される。2000年、テレビドラマ「ザ・ホワイトハウス」に本人役で出演。「グラミー賞」および「エミー賞」受賞。2010年「大統領自由勲章」が授与された。古典派から現代音楽までの幅広いレパートリーを持ち、デビュー当時、「テクニックは世界最高」といわれた。
ピアノのキャサリン・ストット(1958年生まれ)は、イギリス、ランカシャー州ネルソン出身。ユーディ・メニューイン音楽学校でヴラド・ペルルミュテールとナディア・ブーランジェの教えを受ける。その後、ロンドン王立音楽院に進学。1978年「リーズ国際ピアノ・コンクール」第5位。1985年よりヨーヨー・マとデュオを組む。1995年にはフランス音楽の普及活動への功績が認められ、フランス政府から「芸術文芸シュヴァリエ勲章」を授与された。2024年でプロのピアニストとしての活動を中止。
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2024年12月02日
★ゴーティエ・カピュソン&パッパーノ指揮ロンドン交響楽団によるエルガー:チェロ協奏曲/ウォルトン:チェロ協奏曲
エルガー:チェロ協奏曲
ウォルトン:チェロ協奏曲
チェロ:ゴーティエ・カピュソン
指揮:アントニオ・パッパーノ
管弦楽:ロンドン交響楽団
CD:ワーナーミュージック 2173.226483
このCDは、ゴーティエ・カピュソン&パッパーノ指揮ロンドン交響楽団による英国を代表するチェロ協奏曲集
チェロのゴーティエ・カピュソン(1981年生まれ)は、フランスのシャンベリ出身。兄のルノー・カピュソンはヴァイオリニスト。兄の他、ピアニストのユジャ・ワンとの共演も多い。自身もピアノを弾く。1998年、サン=ジャン=ド=リュズで開催された「モーリス・ラベル国際音楽アカデミー・コンクール」第1位。1999年、クライストチャーチで開催された第3回「アダム国際チェロフェスティバルおよびコンクール」第2位。1999年、トゥールーズで開催された第1回「アンドレ・ナヴァラ国際チェロコンクール」第1位。深い表現力と卓越したテクニックは、国際的に高い評価を得ている。
指揮のアントニオ・パッパーノ(1959年生まれ)は、イタリア出身。アメリカに渡りピアノや作曲を学んだ後、各地の歌劇場で研鑽を積む。1987年にノルウェー歌劇場にデビューし、1990年からは音楽監督に就任。1992年ベルギー・ブリュッセルにあるベルギー王立歌劇場(モネ劇場)の音楽監督に就任。1999年バイロイト音楽祭に楽劇「ローエングリン」を振ってデビュー。2002年からイギリスのロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督、さらに2005年からはイタリアのローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団の音楽監督を務めている。そして、2023年サイモン・ラトルの後任としてロンドン交響楽団 (LSO) の首席指揮者に就任。イタリア共和国功労勲章を受章。エリザベス女王よりナイトに叙せられた。
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