クラシック音楽 新譜CD情報


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2024年12月09日

★久保田巧、長谷川陽子、亀井良信、廻由美子の4人の名手によるメシアン: 「時の終わりのための四重奏曲」/アデス:コート・スタディーズ


メシアン:「時の終わりのための四重奏曲」

       水晶の典礼
       時の終わりを告げる天使のためのヴォカリーズ
       鳥たちの深淵
       間奏曲
       イエスの永遠性への賛歌
       7つのトランペットのための狂乱の踊り
       時の終わりを告げる天使のための虹の錯乱
       イエスの不滅性への賛歌

アデス:コート・スタディーズ(歌劇「テンペスト」より)

ヴァイオリン:久保田 巧

チェロ:長谷川陽子

クラリネット:亀井良信

ピアノ:廻 由美子

CD:妙音舎 MYCL- 00052

 このCDは、日本を代表する名手たちによる、20世紀を代表する室内楽曲であるメシアン(1908年―1992年)の「時の終わりのための四重奏曲」と、同じ楽器構成をもつイギリスの作曲家トーマス・アデス(1971年生まれ)のシェークスピアを題材とした作品「コート・スタディーズ」を収録。メシアンの「時の終わりのための四重奏曲」は、第二次世界大戦下、捕虜となり拘束されたメシアン自身のピアノによって収容所の捕虜たちを前に初演された室内楽の傑作。

 ヴァイオリンの久保田 巧(1959年生まれ)は、東京都出身。桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学ディプロマ・コースに進む。大学在学中にウィーンに留学し、ウィーン国立音楽大学を卒業。ウィーンではヴォルフガング・シュナイダーハン(1915年―2002年)に師事。1984年日本でリサイタル・デビュー。1982年第1回「ロドルフォ・リピツァー賞ヴァイオリン・コンクール」第2位。1983年「フリッツ・クライスラー国際コンクール」第2位。第3回「ミケランジェロ・アバド国際ヴァイオリン・コンクール」第1位。1984年「カール・フレッシュ国際ヴァイオリン・コンクール」第3位。1984年「ミュンヘン国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門第1位(日本人としては初)。1987年からサイトウ・キネン・オーケストラ、1990年から水戸室内管弦楽団、2014年から弦楽四重奏団「前橋汀子カルテット」に参加。

 チェロの長谷川陽子は、東京都出身。9歳から桐朋学園大学付属「子供のための音楽教室」で井上頼豊に師事し、15歳で第54回「日本音楽コンクール」第2位入賞。1988年桐朋学園大学に入学後、1989年より文化庁派遣在外研修員としてフィンランドのシベリウス・アカデミーに留学。1992年同アカデミーを首席で卒業し、帰国。1985年第3回「アリオン賞」審査員奨励賞、1988年「村松賞」、1988年「第9回霧島国際音楽祭賞」、1990年「ロストロポーヴィッチ国際チェロ・コンクール」特別賞、1991年「モービル音楽賞奨励賞」、1991年「新日鉄フレッシュ・アーティスト賞」、齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。NHK朝の連続テレビ小説「純情きらり」のテーマ曲やNHK大河ドラマ「平清盛」のエンディング・テーマ曲演奏などを担当。2015年より、桐朋学園大学音楽学部准教授。

 クラリネットの亀井良信(1976年生まれ)は、名古屋市出身。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)卒業後、渡仏。パリ市12区立ポール・デュカ音楽院、オーベルヴィリエ・ラ・クールヌーヴ地方国立音楽院をいずれも満場一致の1位で卒業。ピエール・ブーレーズに認められ、バルタバス主幹のフランス騎馬オペラ団「ジンガロ」のスペクタクル「TRIPTIK」で、同曲を演奏することに抜擢され、1999~2002年まで世界ツアーに出演する。1997年「トゥーロン国際コンクール」で「スペディダム賞」を受賞。2003年「日本木管コンクール」第1位。2003年帰国。ソリスト・室内楽などで活動する他、サイトウ・キネン・オーケストラ、東京のオペラの森にも参加している。第16回「出光音楽賞」、2005年度「アリオン賞」を受賞。東京芸術大学非常勤講師、東京音楽大学非常勤講師。

 ピアノの廻 由美子は、東京都出身。 桐朋学園高校音楽科を経て桐朋学園大学ピアノ科を卒業後、インディアナ大学音楽学部アーティスト・ディプロマ・コースにてジョルジュ・シェベックに師事。2007年から”「新しい耳」テッセラ音楽祭”を主催し、ボーダーレスの個性派音楽祭として注目され、ドイツの音楽誌「NEUE ZEITSCHRIFT FUR MUSIK」でも2ページにわたり紹介される。30回を迎えた2022年より新シリーズ”「新しい耳」@B-tech Japan ”を開始。ピアノ演奏のレパートリーは、バッハなどの古典派から、武満徹などの現代の作曲家まで幅広いが、中でも現代音楽を専門としている。レコーディングでは、これまで20枚以上に及ぶCDをリリースし、「バルトーク/二台のピアノと打楽器のためのソナタ」は、全米でリリースされた。桐朋学園大学ピアノ科教授。

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