2023年11月23日
メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 op.90 「イタリア」
①最終稿(1834年)
②初稿(1833年)
指揮:ジョルディ・サバール
室内楽団:ル・コンセール・デ・ナシオン
CD:キングインターナショナル KKC-6746(ALIA VOX AVSA-9955)
メンデルスゾーン:交響曲第4番は、1833年、メンデルスゾーン自身の指揮で初演され、高い評価を受けたが、メンデルスゾーン自身は満足することはなかった。メンデルスゾーンは、第2楽章のテーマをシンプルにし、続く楽章のトリオをよりドラマティックにし、フィナーレにピチカートを入れ、フィナーレを長くした(264小節から305小節に)。第1楽章の改訂版は現存していないが、手紙から何かしらの加工を試みたと考えられている。1834年のこの改訂稿は、2001年になって初めて出版された。サバールは、メンデルスゾーンの手紙などを検証、検討を重ねた結果、両方のバージョンを録音することとなった。
ジョルディ・サバール(1941年生まれ)は、スペイン、カタルーニャ地方のバルセロナ県イグアラダ出身のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者・指揮者。バーゼル・スコラ・カントルムでヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。1974年にオリジナル楽器を使用するエスペリオンXX(現エスペリオンXXI)を設立。1987年に声楽アンサンブルのラ・カペイラ・レイアルを、1989年にはル・コンセール・デ・ナシオンを設立。ルネサンスやバロックなどの作品を得意とするが、近年になり19世紀の音楽も演奏している。アラン・コルノー監督の「めぐり逢う朝」(1991)の音楽を担当し、サウンドトラックが高い評価を受けたことでも知られる。
ル・コンセール・デ・ナシオンは、1989年にジョルディ・サバールが設立。古楽器を用いるスペインの室内楽団で、バロック音楽を専門にしている。スペインの女性ヴァイオリニストのリナ・トゥール・ボネがコンサート・ミストレスを務め、2022年メンデルスゾーン・アカデミーに参加した若手奏者からの選抜メンバーも参加している。