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2023年7月13日

★2人の歌手とピアノによる マーラー:「大地の歌」


マーラー:大地の歌(ピアノ伴奏版)

        第1楽章 現生の愁いを歌う酒歌
        第2楽章 秋に寂しき人
        第3楽章 青春について
        第4楽章 美しさについて
        第5楽章 春に酔う人
        第6楽章 告別

バリトン:クリスティアン・ゲルハーヘル

テノール:ピョートル・ベチャワ

ピアノ:ゲロルト・フーバー

CD:ソニーミュージック SICC-2243

 マーラー「大地の歌」のピアノ伴奏版は、1987年に発見され、1989年にマーラー全集の1冊として出版されてから広く取り上げられるようになった。これは管弦楽伴奏版のためのスケッチや、ヴォーカルスコアとしての副産物ではなく、独立した作品として構想された作品と考えられ、歌曲のようにより緻密で精妙な表現力が要求される形式といえる。

 バリトンのクリスティアン・ゲルハーヘル(1969年生まれ)は、ドイツ、バイエルン州出身。大学で哲学を学ぶが、医学に転向。博士号を取得後、本格的に歌手を目指す。ミュンヘン国立音楽大学のオペラ科に入学。ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、エリーザベト・シュヴァルツコップ、インゲ・ボルクのマスタークラスを受講し、声楽教育を修了。以後、主にドイツ・リートの歌唱で知られるが、オペラでも、モンテヴェルディからワーグナーまでレパートリーは広く、大指揮者に最も信頼されるバリトン歌手の一人。2010年、ロンドンのコヴェントガーデン王立歌劇場に、ワーグナー「タンホイザー」のヴォルフラムでデビュー。2011年、同役で「ローレンス・オリヴィエ賞」を受賞。

 テノールのピョートル・ベチャワ (1966年生まれ)は、ポーランド出身。1997年からチューリッヒ歌劇場のメンバーとなり、「椿姫」アルフレード、「ランメルモールのルチア」エドガルド、「ファウスト」タイトルロール、「魔笛」タミーノなどで出演。2006年に、メトロポリタン歌劇場に「リゴレット」マントヴァ公爵でデビュー。それ以降同劇場に欠かせない歌手として、「オネーギン」「ランメルモールのルチア」「ボエーム」「ロメオとジュリエット」「ファウスト」など多くのオペラに出演。2011年の同劇場来日公演でも「ランメルモールのルチア」「ボエーム」を演じた。オペラの殿堂ミラノ・スカラ座でも「リゴレット」「ボエーム」「椿姫」などを演じ、ザルツブルク音楽祭でも1997年「魔笛」でのデビュー以来度々出演している。

 ピアノのゲロルト・フーバーは、ドイツ、バイエルン州シュトラウビング出身。ミュンヘン音楽・演劇大学で学ぶ。特にリート伴奏者として高く評価されている。室内楽では、アルテミス・カルテットの他、ヘンシェル弦楽四重奏団やトランペット奏者のラインホルト・フリードリヒ、チェロ奏者のマクシミリアン・ホルヌングとも定期的に共演。ソリストとしては、主にJ.S.バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトの作品に取り組んでいる。ベートーヴェンとシューマンの2枚のソロCDに加えて、クリスティアン・ゲルハーヘルと共演した多くの録音があり、それらは数々の賞を受賞。2021年には、シューマンの全歌曲を収めた「シューマン:歌曲全集」の完全版がリリースされた。これはクリスティアン・ゲルハーヘルとともに長年取り組んできたもの。

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