2024年1月25日

ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調
指揮:飯守泰次郎
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
録音:2023年4月7日、サントリーホール<ライヴ録音>
CD:フォンテック:FOCD9894
作品への情熱的な献身、そして伝説に昇華する導き―日本の演奏史に比類なき足跡を刻み、2023年8月15日に逝去した大指揮者 飯守泰次郎。このCDは2023年4月7日に行われた、東京シティ・フィル特別演奏会の記録。
指揮の飯森泰次郎(1940年―2023年)は、旧満州・新京出身。1961年、桐朋音楽大在学中に藤原歌劇団公演「修道女アンジェリカ」でデビューを飾る。1966年「ミトロプーロス国際指揮者コンクール」および1969年「カラヤン国際指揮者コンクール」でともに第4位入賞。70年代からバイロイト音楽祭で歴史的公演に参加した後、名古屋フィル、東京シティ・フィル、関西フィル、仙台知フィルの各常任指者を歴任。1973年「芸術選奨」新人賞、第32回2000年度「サントリー音楽賞」、2003年度第54回「芸術選奨文部科学大臣賞」、2004年「紫綬褒章」、2010年「旭日小綬章」、2013年「日本芸術院賞」、2008年「大阪市市民表彰」、2012年「文化功労者」、2015年第56回「毎日芸術賞」をそれぞれ受賞(章)。2014年より芸術院会員を務めた。2014-18年には新国立劇場のオペラ芸術監督を務め、ハリー・クプファー新演出による「パルジファル」を皮切りに、「ニーベルングの指環」を含むワーグナー作品を演奏、そしてカタリーナ・ワーグナーの鮮烈な演出「フィデリオ」でのベートーヴェンの精神を体現する名演で、同劇場開場20周年シーズンを国際的な成功へと導く。東京シティ・フィルハーモニックおよび関西フィルハーモニー管弦楽団の桂冠名誉指揮者。
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2024年1月22日

ショパン:ノクターン ハ短調 作品48-1
マズルカ イ短調 作品68-2
マズルカ ヘ長調 作品68-3
マズルカ 嬰へ短調 作品6-1
マズルカ イ短調 作品17-4
ポロネーズ 嬰ヘ短調 作品44
ポロネーズ 変イ長調 作品53「英雄」
ポロネーズ 変イ長調 作品61「幻想」
ノクターン 嬰ハ短調 遺作
ピアノ:遠藤郁子
録音:2015年10月、東京オペラシティ リサイタルホール(東京)<ライヴ録音>
CD:カメラータトウキョウ CMCD-28390
「90年の人生で初めて霊感で弾かれたショパンを聴いた」(ペルルミュテル)、「イクコ・エンドウ、偉大なるピアノの才能」(ルビンシュタイン)などと世界から絶賛された遠藤郁子の演奏は、国内外に根強いファンを持つ。このCDは、2015年に東京オペラシティのリサイタルホールで、遠藤郁子のデビュー50周年とポーランド復興勲章「オフィツェルスキ十字勲章」受章を記念して行われたリサイタルより、ショパン9作品の演奏を収録したライヴ録音盤。
遠藤郁子(1944年生まれ)は、東京都出身。幼時に北海道へ移住する。小学校のとき全日本学生音楽コンクール東京大会にて2位入賞(1位は野島稔)。藤女子学園中学校を経て、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校在学中の1962年に、日本音楽コンクールピアノ部門第2位。東京藝術大学に進み、1965年第7回「ショパン国際ピアノコンクール」で特別銀賞を受賞。同年大学1年生の時、安宅賞受賞したが中退してポーランドに留学、ルードヴィク・ステファンスキ、ハリーナ・チェルニー=ステファンスカに師事。1970年再度「ショパン国際ピアノコンクール」に出場し8位に入賞し、同時に奨励賞を受賞。1974年からはパリに在住。自らがんとの長い闘病生活を経て、再度、ピアニストとして復活を果たす。2冊のエッセイ集「いのちの声」(海竜社)と「いのちの響き」(同)は、苦しみを負った人びとから、現在に至るまで静かに長く読みつがれている書籍となっている。彼女の演奏やCDが、不幸を背負った人々に、生きる力をもたらしたことから“奇跡のピアニスト”あるいは“癒しのピアニスト”と呼ばれるようになる。NPO法人「まずるか北海道」を母体にボランティア活動を、1987年以来精力的に続ける。1980年日本ショパン協会賞。1997年松本市長より表彰を受けた。1985年「ユーゴスラビア・オフリッド・フェスティバル25周年記念功労賞」を受賞。2015年ポーランド復興勲章「オフィツェルスキ十字勲章」受章。これまで「ショパン国際ピアノコンクール」(ワルシャワ)、「ヴィアンナ・ダ・モッタ国際コンクール」(ポルトガル)などの審査員を務めた。また、アルド・チッコリー二の後継者として、伝統ある「オフリッド・サマー・フェスティヴァル(オフリッド・ユーゴスラヴィア)」の講師を5年間勤めたのに加え、東京芸術大学講師などを歴任。
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2024年1月18日

ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」
交響曲 第6番 ヘ長調 作品68「田園」
指揮:アントネッロ・マナコルダ
管弦楽:カンマーアカデミー・ポツダム(KAP)
指揮者のアントネッロ・マナコルダは、イタリア、トリノ出身。フランス・イタリア系の家庭に生まれ、アムステルダムで教育を受けた。アバドが設立したマーラー・チェンバー・オーケストラの創設メンバーの1人として、長年にわたりコンサートマスターを務め後に、スウェーデンの伝説的指揮者ヨルマ・パヌラのもとで指揮を学ぶ。2010年からはカンマーアカデミー・ポツダム(KAP)の首席指揮者兼芸術監督を務めている。ソニー・クラシカルから発売されたKAPとのメンデルスゾーンとシューベルトの交響曲全集は、各紙から高評価を得て、2015年にはドイツの権威あるエコー・クラシック賞の「ベスト・オーケストラ・オブ・ザ・イヤー」を受賞。ポツダムのニコライザールを本拠に、ブランデンブルク州におけるさまざまな年齢層を対象とした数多くのコンサート・シリーズを開催。バロックから現代音楽に至るさまざまなオーケストラ作品を取り上げるなど、欧米各地のオーケストラ、歌劇場から招かれている。また、ポツダム新宮殿内のシュロス劇場で開催される「ポツダム・ウィンター・オペラ」で指揮をするなど、オペラの演奏にも注力している。2022年紀尾井ホール室内管弦楽団で日本デビューを果たした。
カンマーアカデミー・ポツダム(KAP)は、ドイツのポツダムに本拠を置くモダン楽器による室内オーケストラで、ブランデンブルク州都ポツダム市の公認オーケストラ。2001年、ポツダムのペルシウス・アンサンブル(指揮者なしの弦楽オーケストラ)とベルリンのアンサンブル・オリオル(木管・金管・弦楽の室内アンサンブル)のメンバーを統合して創設された。金管楽器とティンパニにピリオド楽器を取り入れた生命力に富む演奏で注目され、ピーター・ルンデル、セルジオ・アッツォリーニ、アンドレア・マルコン、ミヒャエル・ザンデルリンクら歴代の芸術監督のもとでその個性を育んできた。2010年からはアントネッロ・マナコルダが首席指揮者兼芸術監督を務めている。
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2024年1月15日

●ニコラ・マッテイス・Jr(息子)(1670年代後半~1737):ファンタジア イ短調“Alia Fantasia”(ソロ・ヴァイオリンのための2つのファンタジアより)
●ニコラ・マッテイス・Sr(父)(1650年頃-1713以降):ヴァイオリンのためのエア集(Ayres for the Violin (抜粋))
・プレリュード・パッサッジョ・ロット – アンダメント・ヴェローチェ・ファンタジア
●ヨーハン・ゲオルク・ピゼンデル(1687-1755):ソナタ イ短調〔I. プレリュード – II. アレグロ – III. ジーガ – IV. 変奏〕
●ルイ=ガブリエル・ギユマン(1705-1770):ソロ・ヴァイオリンのためのアミュズモン op.18(抜粋)〔アレグロ – アレグレット – アンダンティーノ – アレグロ/マエストーゾ- アリア/グラティオーゾ – ヴァリアツィオーネ – アルトロ – アルトロ〕
●ヨハン・ヨーゼフ・ヴィルスマイアー(1663-1722):パルティータ第5番 ト短調
●ハインリヒ・イグナツ・フォン・ビーバー(1644-1704):パッサカリア ト短調「守護天使」(ロザリオのソナタより)
◇
ヴァイオリン:イザベル・ファウスト<ヴァイオリン/ヤコブス・シュタイナー(1658)>
CD:キングインターナショナル HARMONIAMUNDI HMM-902678
このCDのプログラムは、バロック後期の無伴奏ヴァイオリン作品。世界最高峰のヴァイオリン奏者、イザベル・ファウスト。深遠極まりない、無伴奏による新譜の登場。
ヴァイオリンのイザベル・ファウストは、ドイツ出身。現在、世界を代表するヴァイオリニストの一人。1987年アウグスブルクの「レオポルト・モーツァルト・コンクール」、1993年「パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクール」で共に第1位。1997年には、バルトークのソナタのデビュー録音でグラモフォン賞「ヤング・アーティスト・オ ブ・ザ・イヤー」を受賞した。古典作品に加え前衛的なレパートリーも持っており、世界初演も多い。室内楽奏者としても各地の音楽祭に定期的に出演。
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2024年1月11日

ベートーヴェン:ピアノソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」 変ロ長調 作品106
ピアノ:ヴァレリー・アファナシエフ
CD:ソニーミュージック SICC-19075
ピアノのヴァレリー・アファナシエフ(1947年生まれ)は、ロシア、モスクワ出身。モスクワ音楽院におてエミール・ギレリスとヤコフ・ザークにピアノを師事。1969年「ライプツィヒ・バッハ国際コンクール」、1972年「エリザベート王妃国際音楽コンクール」において優勝。その後、ベルギー国籍を取得。ブリュッセルの郊外に住み、音楽活動のかたわらフランス語で詩作や小説の執筆にも取り組んでいる。自らのリサイタルでは、自作の詩や哲学的なエッセイを朗読することがある。異才、鬼才、思索するピアニストなどと呼ばれてその個性を讃えるファンも多い。
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2024年1月08日

サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 作品22
組曲「動物の謝肉祭」
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(ピアノ編)
ドビュッシー:《小組曲》(ピアノ連弾のための)
フォーレ:楽園にて(《レクイエム》作品48から第7曲)(エミール・ナウモフ編)
ドリーブ:花の二重唱(歌劇《ラクメ》から)(エミール・ナウモフ編)
サン=サーンス:第5協奏曲によるトッカータ(6つの練習曲 作品111から第6曲)
フォーレ:パヴァーヌ 作品50
ファランク:練習曲 第10番 嬰ヘ短調(全調による30の練習曲 作品26から)
ソヒー:無言歌(4つのロマンティックな小品 作品30から第4番)
タイユフェール:ゆるやかなワルツ
ボニス(メル・ボニ):小さな子供が眠りにつく(14の子供の情景《Miocheries》から第13番)
ブーランジェ:明るい庭から(ピアノのための3つの作品から)
サン=サーンス:白鳥(組曲《動物の謝肉祭》から第13曲)(エミール・ナウモフによる1台4手編曲)
ピアノ:ラン・ラン、ジーナ・アリス
指揮:アンドリス・ネルソンス
管弦楽:ゲヴァントハウス管弦楽団
CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45088~9
このCDアルバムで協奏曲にカップリングされるのは、何世代にもわたって愛されるサン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」。家族でクラシック音楽を楽しんでもらいたいというラン・ランの思いから、妻でピアニストのジーナ・アリスとの連弾を披露している。ディスク2では、リリ・ブーランジェやルイーズ・ファランクなど5人のフランス人女性作曲家による小品のほか、ラヴェルやドビュッシーなど、フランス音楽を代表する作曲家による名曲を幅広く収録。
ピアノのラン・ラン(1982年生れ)は、中国遼寧省瀋陽出身。5歳で「瀋陽ピアノ・コンクール」に優勝して最初のリサイタルを開く。1997年に渡米し、フィラデルフィアのカーティス音楽院でゲイリー・グラフマンに師事。2002年「シュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭」でレナード・バーンスタイン賞を受賞。2004年サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルと共演し、国際的にテレビ放映された。2008年北京五輪開会式で演奏。
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2024年1月04日

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 Op.74「ハープ」
弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130
弦楽四重奏:キアロスクーロ四重奏団
アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)
パブロ・エルナン=ベネディ(ヴァイオリン)
エミリー・ホーンルンド(ヴィオラ)
クレール・チリヨン(チェロ)
CD:キングインターナショナル KKC-6740
このCDは、キアロスクーロ四重奏団によるベートーヴェン:弦楽四重奏曲シリーズの第3弾となる第10番「ハープ」と第13番。
キアロスクーロ四重奏団は、現代屈指のヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァが率いるメンバーで構成され、今海外で最も注目を集める弦楽四重奏団のひとつ。このクァルテットの名「キアロスクーロ」とは、イタリア語で「明暗」の意味。作曲された当時の奏法を研究し、ガット弦&ノン・ヴィブラートを駆使し、立奏を採用したエキサイティングなスタイルで得られる「明暗」の鮮烈な表現が、他の室内楽団と一線を画す個性。ウィグモア・ホールをはじめ世界中名だたるホールや音楽祭に登場。
ヴァイオリンのアリーナ・イブラギモヴァ(1985年生まれ)は、ロシア、ポレフスコイ出身。グネーシン音楽学校でヴァイオリンを学ぶ。1996年、10歳の時、イギリスへ移住。イギリスでは、ユーディ・メニューイン音楽学校、ギルドホール音楽・演劇学校でヴァイオリンの研鑽を積み、さらに王立音楽大学で学ぶ。ロンドンのウィグモアホール、アムステルダムのコンセルトヘボウ、ザルツブルクのモーツァルテウム大学、ウィーンのムジークフェライン、ニューヨークのカーネギーホールなど世界各地でリサイタルを開催。しばしば来日してコンサートツアーを行う。
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2023年12月28日

ホルスト:組曲「惑星」作品32
第1曲 ≪火星、戦争の神≫
第2曲 ≪金星、平和の神≫
第3曲 ≪水星、翼のある使いの神≫
第4曲 ≪木星、快楽の神≫
第5曲 ≪土星、老年の神≫
第6曲 ≪天王星、魔術の神≫
第7曲 ≪海王星、神秘の神≫
指揮:大友直人
管弦楽:東京交響楽団
CD:キングレコード KICC-93759
指揮の大友直人(1958年生まれ)は、東京都出身。桐朋学園大学卒業。桐朋学園大学在学中からNHK交響楽団の指揮研究員となり、22歳で楽団推薦により同団を指揮してデビュー。以来、国内の主要オーケストラに定期的に客演するほか、日本フィルハーモニー交響楽団正指揮者、大阪フィルハーモニー交響楽団指揮者、東京交響楽団正指揮者および常任指揮者、京都市交響楽団首席指揮者および常任指揮者兼アーティスティック・アドバイザーを経て、現在、群馬交響楽団音楽監督、東京交響楽団名誉客演指揮者、京都市交響楽団桂冠指揮者、琉球交響楽団音楽監督。また、2004年から8年間にわたり、東京文化会館の初代音楽監督を務めた。この間ほかにも1986年大阪フィルとのヨーロッパ・ツアー、1992年東響との東南アジア・ツアー、1994年ポルトガル公演、1996年、2001年ヨーロッパ・ツアーなどでも絶賛を博している。オペラにも力を入れており、1988年、日生劇場における《魔弾の射手》でのオペラデビュー以来、《オルフェオとエウリディーチェ》《リゴレット》《魔笛》《忠臣蔵》などを指揮し、高く評価されている。近年では教育的活動にも力を注ぎ、国際音楽セミナー「ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン」を盟友である指揮者A.ギルバートと毎年開催するなど、活発な活動を行っている。第8回渡邊暁雄音楽基金音楽賞(2000年)、第7回齋藤秀雄メモリアル基金賞(2008年)を受賞。
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2023年12月21日

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18
幻想的ピアノ小品集Op.3 より 第3曲メロディ
愛の悲しみ(クライスラー/ラフマニノフ編)
コレッリの主題による変奏曲 ニ短調 Op.42
6つの歌 Op.4 より第3曲 夜の静けさ(ゲルシュタイン編)
ピアノ:キリル・ゲルシュタイン
指揮:キリル・ペトレンコ
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
CD:キングインターナショナル KKC-6741
ラフマニノフ生誕150周年を記念して「ベルリン・フィル・レコーディングス」から特別なアルバムがリリース。第1弾はピアニスト、キリル・ゲルシュタインをソリストに迎えた。ベルリン・フィルが毎年シーズンの最後に野外で行うヴァルトビューネ・コンサートの2022年ライヴ録音。急病のダニール・トリフォノフに代わってキリル・ゲルシュタインが登場。ピアノ協奏曲第2番という中期の傑作を核としながらも、初期から後期の作品を網羅した生誕150周年にふさわしい内容となるように選曲。
ピアノのキリル・ゲルシュタイン(1979年生まれ)は、ロシア、ヴォロネジ出身。12歳の時に初めて出場した第1回「バッハコンクール」(ポーランド)で優勝。その後、父親の影響でジャズに興味を持ち、1993年バークリー音楽大学のサマースクールに招聘された(正規の学生となり、14歳にして大学設立以来の最年少の大学生となった)。その後クラシック音楽に戻り、マンハッタン音楽学校で学ぶ。20歳で音楽の学士と修士号を得た。さらにマドリードのソフィア王妃音楽大学で学ぶ。2001年「ルービンシュタイン国際ピアノコンクール」(テルアビブ)で優勝。2003年にアメリカの市民権を獲得。シュトゥットガルト音楽演劇大学の教授職も務めている。2009年シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団とショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番を共演。2010年「ギルモア・アーティスト賞」受賞。
指揮のキリル・ペトレンコ(1972年生まれ)は、ロシア出身。11歳でピアニストとしてオムスクの交響楽団と演奏してデビューし、18歳の時にオーストリアに転居。フォアアールベルク州立音楽学校で音楽を学び、ピアノを優秀な成績で終えてウィーン国立音楽大学に入学。1995年オペラ指揮者としてデビュー。1997年から1999年まではウィーン・フォルクスオーパーの指揮者。1999年から2002年までマイニンゲン宮廷楽団の音楽監督を務める。2002年からはベルリン・コーミッシェ・オーパーの音楽監督に就任し2007年まで務めた。オペラ指揮者としてのキャリアと並行して、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団などのオーケストラと共演。2013年よりバイエルン国立歌劇場の音楽監督に就任し、同年からバイロイト音楽祭の新演出による「ニーベルングの指環」の指揮も担当。2019年からサイモン・ラトルの後任としてベルリン・フィルの首席指揮者・芸術監督に就任。ロシア出身者がベルリン・フィルの首席指揮者を務めるのはレオ・ボルヒャルト以来、約70年ぶり。
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2023年12月18日

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
ピアノ:ルドルフ・ゼルキン
CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45086
巨匠ピアニスト、ルドルフ・ゼルキンの生誕120周年を記念して、ゼルキンが人生最後に録音したベートーヴェンのピアノ・ソナタ「ワルトシュタイン」と「熱情」の未発表録音が登場。1988年に最後のコンサートに出演し、1991年に亡くなるまで闘病生活を送っていたゼルキン。この録音は、ゼルキンからの最終的な承認を得ることができず、今までリリースが実現されていなかった貴重な録音。
ピアノのルドルフ・ゼルキン(1903年―1991年)は、ボヘミア、エーゲル(ヘプ)出身。20世紀の大ピアニストの一人。幼少のころにウィーンに移り、ピアノと作曲を学ぶ。1915年、12歳でウィーン交響楽団とメンデルスゾーンのピアノ協奏曲を共演してデビュー。1920年、17歳でヴァイオリニストのアドルフ・ブッシュのデュオ相手に抜擢され、ヨーロッパ各地で演奏活動。この縁により、のちにブッシュの娘イレーネと結婚する。1936年、アルトゥーロ・トスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルハーモニックと共演してアメリカ・デビュー。1939年、ナチスから逃れるためにアメリカに移住し、カーティス音楽院で教鞭をとる。1951年、マルセル・モイーズらとともにマールボロ音楽学校と同音楽祭を創設。ピアノ独奏、室内楽、協奏曲など数々の録音を遺した。
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