2023年12月21日

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18
幻想的ピアノ小品集Op.3 より 第3曲メロディ
愛の悲しみ(クライスラー/ラフマニノフ編)
コレッリの主題による変奏曲 ニ短調 Op.42
6つの歌 Op.4 より第3曲 夜の静けさ(ゲルシュタイン編)
ピアノ:キリル・ゲルシュタイン
指揮:キリル・ペトレンコ
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
CD:キングインターナショナル KKC-6741
ラフマニノフ生誕150周年を記念して「ベルリン・フィル・レコーディングス」から特別なアルバムがリリース。第1弾はピアニスト、キリル・ゲルシュタインをソリストに迎えた。ベルリン・フィルが毎年シーズンの最後に野外で行うヴァルトビューネ・コンサートの2022年ライヴ録音。急病のダニール・トリフォノフに代わってキリル・ゲルシュタインが登場。ピアノ協奏曲第2番という中期の傑作を核としながらも、初期から後期の作品を網羅した生誕150周年にふさわしい内容となるように選曲。
ピアノのキリル・ゲルシュタイン(1979年生まれ)は、ロシア、ヴォロネジ出身。12歳の時に初めて出場した第1回「バッハコンクール」(ポーランド)で優勝。その後、父親の影響でジャズに興味を持ち、1993年バークリー音楽大学のサマースクールに招聘された(正規の学生となり、14歳にして大学設立以来の最年少の大学生となった)。その後クラシック音楽に戻り、マンハッタン音楽学校で学ぶ。20歳で音楽の学士と修士号を得た。さらにマドリードのソフィア王妃音楽大学で学ぶ。2001年「ルービンシュタイン国際ピアノコンクール」(テルアビブ)で優勝。2003年にアメリカの市民権を獲得。シュトゥットガルト音楽演劇大学の教授職も務めている。2009年シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団とショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番を共演。2010年「ギルモア・アーティスト賞」受賞。
指揮のキリル・ペトレンコ(1972年生まれ)は、ロシア出身。11歳でピアニストとしてオムスクの交響楽団と演奏してデビューし、18歳の時にオーストリアに転居。フォアアールベルク州立音楽学校で音楽を学び、ピアノを優秀な成績で終えてウィーン国立音楽大学に入学。1995年オペラ指揮者としてデビュー。1997年から1999年まではウィーン・フォルクスオーパーの指揮者。1999年から2002年までマイニンゲン宮廷楽団の音楽監督を務める。2002年からはベルリン・コーミッシェ・オーパーの音楽監督に就任し2007年まで務めた。オペラ指揮者としてのキャリアと並行して、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団などのオーケストラと共演。2013年よりバイエルン国立歌劇場の音楽監督に就任し、同年からバイロイト音楽祭の新演出による「ニーベルングの指環」の指揮も担当。2019年からサイモン・ラトルの後任としてベルリン・フィルの首席指揮者・芸術監督に就任。ロシア出身者がベルリン・フィルの首席指揮者を務めるのはレオ・ボルヒャルト以来、約70年ぶり。
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2023年12月18日

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
ピアノ:ルドルフ・ゼルキン
CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45086
巨匠ピアニスト、ルドルフ・ゼルキンの生誕120周年を記念して、ゼルキンが人生最後に録音したベートーヴェンのピアノ・ソナタ「ワルトシュタイン」と「熱情」の未発表録音が登場。1988年に最後のコンサートに出演し、1991年に亡くなるまで闘病生活を送っていたゼルキン。この録音は、ゼルキンからの最終的な承認を得ることができず、今までリリースが実現されていなかった貴重な録音。
ピアノのルドルフ・ゼルキン(1903年―1991年)は、ボヘミア、エーゲル(ヘプ)出身。20世紀の大ピアニストの一人。幼少のころにウィーンに移り、ピアノと作曲を学ぶ。1915年、12歳でウィーン交響楽団とメンデルスゾーンのピアノ協奏曲を共演してデビュー。1920年、17歳でヴァイオリニストのアドルフ・ブッシュのデュオ相手に抜擢され、ヨーロッパ各地で演奏活動。この縁により、のちにブッシュの娘イレーネと結婚する。1936年、アルトゥーロ・トスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルハーモニックと共演してアメリカ・デビュー。1939年、ナチスから逃れるためにアメリカに移住し、カーティス音楽院で教鞭をとる。1951年、マルセル・モイーズらとともにマールボロ音楽学校と同音楽祭を創設。ピアノ独奏、室内楽、協奏曲など数々の録音を遺した。
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2023年12月14日

ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」 作品8
ホワットエヴァー(オアシス)
ありがとう(いきものがかり)
特典DVD(約22分)
演奏:弦楽アンサンブル「石田組」
収録:2022年8月19日、ミューザ川崎シンフォニーホール(ライヴ録音)
CD:ユニバーサルミュージック D2CC-1047
いま最も聴きたいカリスマ・ヴァイオリニスト 石田泰尚率いる 「石田組」 第2章。「石田組 2023・春」は、サウンドスキャンの週間クラシック・チャート第1位を獲得し、以後常に上位をキープ。アルバム発売を記念した29公演の全国ツアーも各所大入りの大盛況。
ヴァイオリンの石田泰尚(1973年生まれ)は、神奈川県川崎市出身。1995年国立音楽大学を首席で卒業、同時に矢田部賞を受賞。1994年~2001年新星日本交響楽団コンサートマスター。2001年から神奈川フィルハーモニー管弦楽団ソロ・コンサートマスターを務め、現在、同管弦楽団首席ソロ・コンサートマスター。2020年から京都市交響楽団特別客演コンサートマスター。このほか、1994年に結成された弦楽四重奏団「YAMATO String Quartet」、ピアソラを追及した「トリオ・リベルタ」、ピアニスト及川浩治の呼びかけで結成されたピアノトリオ「Bee」等、様々なユニットで活躍する。2014年弦楽アンサンブル「石田組」結成。
弦楽アンサンブル「石田組」は、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の首席ソロ・コンサートマスターを務める石田泰尚が、2014年に企画・結成した弦楽アンサンブル。石田が集めたメンバーは全員男性のみで“石田組長”が信頼を置く第一線で活躍するオーケストラメンバーを中心に“組員”が構成されている。月刊「音楽の友」(2021年4月号)のアンケート調査「あなたが好きな室内楽グループは?」(弦楽四重奏団を除く、九重奏団まで)において、堂々4位にランクインし(ちなみに3位はベルリン・フィル八重奏曲、5位はカザルス・トリオ)、その人気のほどが窺える。
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2023年12月11日

バッハ:フルートとチェンバロのためのソナタ集(全曲)
フルートとチェンバロのためのソナタ ロ短調 BWV1030
フルートと通奏低音のためのソナタ ホ長調 BWV1035
無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1013
フルートとチェンバロのためのソナタ イ長調 BWV1032
フルートとチェンバロのためのソナタ イ長調 BWV1032
フラウト・トラヴェルソ(木管の古楽器):バルトルド・クイケン
チェンバロ:渡邊順生
CD:キングインターナショナル KKC-107
このCDは、世界的なフルートの名手、古楽界のレジェンド、バルトルド・クイケンと現代日本を代表するチェンバロ奏者、渡邊順生によるバッハのフルート作品全曲録音。出会いから40年以上、旧知の仲の名匠二人による初めての共演。
リコーダー奏者、フルート奏者、指揮者のバルトルド・クイケン(1949年生まれ)は、ベルギー出身。2人の兄ヴィーラントとシギスヴァルトが積極的に楽器を演奏するような音楽的な環境に育ち、早くから楽器の歴史的な演奏習慣に興味を持つ。ブルッヘ音楽院で音楽を学び始め、ブリュッセル王立音楽院とデン・ハーグ王立音楽院で研鑚を積む。18世紀初頭から原形を留めたままのフラウト・トラヴェルソ(木管楽器の古楽器の一種で、今日のフルート<モダン・フルート>の前身となった横笛)を発見。1970年代から頻繁にバロック音楽を演奏するようになり、ガンバ奏者の兄ヴィーラント、バロック・ヴァイオリン奏者の兄シギスヴァルト、バロック・オーボエ奏者のパウル・ドンブレヒト(ポール・ドンブレシュト)、チェンバロ奏者のロベール・コーネン、グスタフ・レオンハルト、ボブ・ファン・アスペレン、ルネ・ヤーコプス(カウンターテノール)らと共演。現在、ブリュッセル王立音楽院およびデン・ハーグ王立音楽院においてフラウト・トラヴェルソの教授を務めている。
チェンバロ奏者、フォルテピアノ奏者、クラヴィコード奏者、指揮者の渡邊順生(1950年生まれ)は、神奈川県鎌倉市出身。ピアノを宅孝二に師事。一橋大学社会学部在学中にチェンバロ奏者を志して小林道夫に師事。卒業後、アムステルダム音楽院でグスタフ・レオンハルトに師事。1977年、最高栄誉賞付きソリスト・ディプロマを得て卒業、またオランダの音楽教育における最高の賞であるプリ・デクセランスを受賞。1978年、東京でデビューリサイタルを開く。1980年に日本へ帰国。以降、渡邊順生チェンバロ音楽シリーズを開催し、1984年には日本初のオリジナル楽器のオーケストラ”バロック・バンド”を結成するなど、精力的に活動。指揮者としても、モンテヴェルディ、ヘンデル、バッハらの作品を演奏し、フォルテピアノとクラヴィコードの演奏でも活躍。上野学園大学音楽学部客員教授、国立音楽大学演奏学科鍵盤楽器専修講師、東京音楽大学音楽学部器楽専攻講師、桐朋学園大学音楽学部古楽器専攻講師等として後進の指導にあたる。
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2023年12月07日

モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581
キュフナー(伝ウェーバー)(レオナルド・コール編):序奏、主題と変奏 変ロ長調
モーツァルト:オーボエ四重奏曲 へ長調 K.370
モーツァルト:アダージョ ハ長調 K.580a~イングリッシュ・ホルンとヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための
クラリネット:ザビーネ・マイヤー
オーボエ&イングリッシュホルン:ハンスイェルク・シェレンベルガー
弦楽四重奏:フィルハーモニア・カルテット・ベルリン
エドゥアルト・ジェンコフスキー(ヴァイオリン)
ワルター・ショーレフィールド(ヴァイオリン)、
土屋邦雄(ヴィオラ)
ヤン・ディーセルホルスト(チェロ)
録音:1982年6月25,27日/1981年9月20日-23日、旧西ベルリン、ジーメンス・ヴィラ
CD:COLUMBIA X TOWER RECORDS TWSA1154
このCDは、カラヤンに見いだされた名手によるモーツァルトの2大名曲の復刻盤。名手ザビーネ・マイヤーの日本デビュー盤とBPO首席奏者を務めたシェレンベルガーのDENON録音盤から2曲をカップリング。現在も世界屈指の奏者として活躍するクラリネットのマイヤーとオーボエのシェレンベルガーがその評価を決定的なものとした名演。日本コロムビアが独自に開発したORTマスタリング技術によりハイレゾ化を行い、初SACD化。音場・音質が鮮やかに向上している。CD層も今回のマスタリング音源を使用。
クラリネットのザビーネ・マイヤー(1960年生まれ)は、ドイツ、バイエルン州出身。父親からクラリネットの手ほどきを受ける。1971年、シュトゥットガルト音楽大学で学び、1979年にボンのドイツ音楽コンクールで第2位に入賞。1981年にバイエルン放送交響楽団に入団。その後、ソロ奏者の道を歩む。
オーボエのハンスイェルク・シェレンベルガー(1948年生まれ)は、ドイツ、ミュンヘン出身。1967年ミュンヘン国立音楽大学に入学。1971年ケルン放送交響楽団副首席奏者に就任。1980年ベルリン・フィルの首席オーボエ奏者に就任。ベルリン・フィル退団後は、自らレコード会社「カンパネラ・ムジカ」を興し、多くのレコーディングを行なっている。
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2023年12月04日

シベリウス:交響曲第2番 二長調 作品43
指揮:沖澤のどか
管弦楽:読売日本交響楽団
録音:2021年10月9日~10日、東京芸術劇場<ライブ録音>
CD:日本コロムビア COCQ-85619
このCDは、2021年10月に沖澤のどかが、読売日本交響楽団に初登場した際のシベリウス:交響曲第2番のライブ録音盤。
指揮の沖澤のどか(1987年生まれ)は、青森県三沢市出身。東京藝術大学音楽学部指揮科首席卒業。卒業時にアカンサス音楽賞、同声会賞を受賞。同大学院音楽研究科指揮専攻修士課程修了。2011~2012年、オーケストラ・アンサンブル金沢指揮研究員。2015年、フェリックス・メンデルスゾーン基金の奨学生に選出。2017年、ダニエレ・ガッティとロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団によるマスタークラスに参加。2018年第18回「東京国際音楽コンクール〈指揮〉」にて、女性として初めて第1位及び特別賞、齋藤秀雄賞を受賞。第7回「ジュネス・ミュジカル・ブカレスト国際指揮者コンクール」第3位。第1回「ニース・コートダズール・オペラ指揮コンクール」セミファイナリスト。2019年第56回「ブザンソン国際指揮者コンクール」優勝、同時に聴衆賞及びオーケストラ賞受賞。同年、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン修士課程オーケストラ指揮専攻を修了。2020年よりベルリン・フィルのカラヤン・アカデミーの奨学金を受け、キリル・ペトレンコの助手となる。2022年3月には、急病のペトレンコの代役としてベルリン・フィルを指揮した。メルボルン交響楽団、MDR交響楽団、トーンキュンストラー管弦楽団との定期公演に登場。2023年第21回「齋藤秀雄メモリアル基金賞」受賞。2023年4月京都市交響楽団の第14代常任指揮者に就任。
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2023年11月30日

<CD1>
バッハ:管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV 1068より エア(アレクサンドル・ジロティによるピアノ編曲)
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV 903
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S 178
歌曲集「白鳥の歌」から「影法師」 S 560/12(シューベルト原曲)
<CD2>
ベルク:ピアノ曲 ロ短調
ピアノ・ソナタ 作品1
ブゾーニ:対位法的幻想曲 BV 256
クリスマスの夜 BV 251
ピアノ:イゴール・レヴィット
ピアノのイゴール・レヴィット(1987年生まれ)は、ロシア、ニジニーノヴゴロド出身。8歳のときに家族と共にドイツ移住。2009年ハノーファー音楽演劇メディア大学で学ぶ。2005年、テルアヴィヴの「アルトゥール・ルービンシュタイン・コンクール」に最年少で参加し、銀メダル及び最優秀室内楽演奏賞、観客賞、最優秀現代音楽演奏賞を獲得した。ベートーヴェンの後期ソナタ5曲のCDで、2014年「BBCミュージック・マガジン新人賞」、同年ロイヤル・フィルハーモニック協会「ヤング・アーティスト賞」を受賞。さらに2015年、ハイデルベルクの春音楽祭の協力を得て、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」、ベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」、ジェフスキーの「不屈の民」変奏曲を収録したCDは、2016年のグラモフォン・クラシック・ミュージック・アワードにおいて、「レコーディング・オブ・ザ・イヤー」と「器楽賞」を受賞した。さらに、2018年「ギルモア・アーティスト賞」、同年ロイヤル・フィルハーモニック協会の「年間最優秀器楽奏者賞」を受賞している。
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2023年11月27日

ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調 M.83
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調 M.82
ファリャ:スペインの庭の夜
ピアノ:アレクサンドル・タロー
指揮:ルイ・ラングレー
管弦楽:フランス国立管弦楽団
CD:ワーナーミュージック・ジャパン 5419.766071
現代フランスを代表するピアニストの一人、アレクサンドル・タロー(1968年生まれ)は、フランス、パリ出身。パリ国立高等音楽院卒業。1989年「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」第2位となり、以来国際的な演奏活動を展開。CD録音にも力を入れ、特にラモーの「新クラヴサン組曲」は非常に高い評価を得ているほか、ラヴェルのピアノ作品全集は、2003年「アカデミー・シャルル・クロ・グランプリ ディアパソン金賞」を受賞。ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノフェスティバル、BBCプロムス、ルフトハンザ・バロック音楽祭など多くの音楽祭に出演。近年はジャン=ギアン・ケラスとデュオを組み、公演およびCD録音などの活動も行っている。
指揮のルイ・ラングレー(1961年生まれ)フランス出身。ストラスブール音楽院で学んだが指揮の正式なトレーニングは受けていなかった。1983年から1996年までリヨン国立歌劇場で声楽コーチと助手を務める。エクス=アン=プロヴァンス音楽祭やバイロイト音楽祭で副指揮者を務める。1989年から1992年までパリ管弦楽団の副指揮者、」1993年から1998年までピカルディ管弦楽団、1998年から2000年までリヨン国立歌劇場、1998年から2003年までグラインドボーン・ツアーリング・オペラ、2001年から2006年までリエージュ王立フィルハーモニー管弦楽団音楽監督を歴任。2011年カメラータ・ザルツブルクの首席指揮者に就任。
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2023年11月23日

メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 op.90 「イタリア」
①最終稿(1834年)
②初稿(1833年)
指揮:ジョルディ・サバール
室内楽団:ル・コンセール・デ・ナシオン
CD:キングインターナショナル KKC-6746(ALIA VOX AVSA-9955)
メンデルスゾーン:交響曲第4番は、1833年、メンデルスゾーン自身の指揮で初演され、高い評価を受けたが、メンデルスゾーン自身は満足することはなかった。メンデルスゾーンは、第2楽章のテーマをシンプルにし、続く楽章のトリオをよりドラマティックにし、フィナーレにピチカートを入れ、フィナーレを長くした(264小節から305小節に)。第1楽章の改訂版は現存していないが、手紙から何かしらの加工を試みたと考えられている。1834年のこの改訂稿は、2001年になって初めて出版された。サバールは、メンデルスゾーンの手紙などを検証、検討を重ねた結果、両方のバージョンを録音することとなった。
ジョルディ・サバール(1941年生まれ)は、スペイン、カタルーニャ地方のバルセロナ県イグアラダ出身のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者・指揮者。バーゼル・スコラ・カントルムでヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。1974年にオリジナル楽器を使用するエスペリオンXX(現エスペリオンXXI)を設立。1987年に声楽アンサンブルのラ・カペイラ・レイアルを、1989年にはル・コンセール・デ・ナシオンを設立。ルネサンスやバロックなどの作品を得意とするが、近年になり19世紀の音楽も演奏している。アラン・コルノー監督の「めぐり逢う朝」(1991)の音楽を担当し、サウンドトラックが高い評価を受けたことでも知られる。
ル・コンセール・デ・ナシオンは、1989年にジョルディ・サバールが設立。古楽器を用いるスペインの室内楽団で、バロック音楽を専門にしている。スペインの女性ヴァイオリニストのリナ・トゥール・ボネがコンサート・ミストレスを務め、2022年メンデルスゾーン・アカデミーに参加した若手奏者からの選抜メンバーも参加している。
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2023年11月20日

マーラー:交響曲第5番
指揮:アンドレア・バッティストーニ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
録音:2022年9月19日、Bunkamuraオーチャードホール
CD:日本コロムビア COCQ-85613
指揮のアンドレア・バッティストーニはマーラー:交響曲第5番について、「暗闇や絶望から、光、希望、新たな生命に至る旅を描いたこの作品は、まさに今の私たちが必要とするエネルギーを与えてくれるものだ」と語っている。
指揮のアンドレア・バッティストーニ(1987年生れ)は、イタリア、ヴェローナ出身。ヴェローナの音楽院で学んだ後、2008年指揮者デビューを果たす。2013年から2016年までジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ歌劇場首席客演指揮者、2017年から2019年まで首席指揮者を務めた。2016年から東京フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者を務めている。2018年~19年の第24回「東急ジルベスターコンサート」には、コンサート史上初となる日本国外出身の指揮者として出演し、年越しカウントダウン曲である「凱旋行進曲」を指揮した。スカラ座、ヴェニス・フェニーチェ劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、スウェーデン王立歌劇場、アレーナ・ディ・ヴェローナ、バイエルン国立歌劇場、マリインスキー劇場など、また、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管、イスラエル・フィルなど、世界の主要歌劇場、オーケストラとの共演を重ねている。現在、国際的に最も注目される指揮者の一人。
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