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2023年8月28日

★ワルター指揮コロンビア交響楽団のベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、9年ぶりのリマスターで再登場


ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」

指揮:ブルーノ・ワルター

管弦楽:コロンビア交響楽団

CD:キングインターナショナル GS-2297

録音:1958年1月13、15、17日、アメリカ、カリフォルニア州、アメリカン・リージョン・ホール

 <制作者より>2014年8月に発売したGS-2115以来、9年ぶりのリマスターで再登場です。今回復刻に使用したのはGS-2115と同じくアメリカから入手した2トラック、38センチ、オープンリール・テープの「Safety copy」ですが、当GS-2297では音採りから最終調整まですべてプロ用の機器でマスタリングを行い、めざましい効果を獲得しました。今度こそ、本当の〈最終形〉です。解説書は内容を刷新し、このLPの国内初出に関連した情報を限りなく収集しました。国内盤に関する情報こそ、日本のレーベルの仕事であると認識しています。 (平林 直哉)

 ブルーノ・ワルター(1876年―1962年)は、ドイツ、ベルリン出身。ウィーン宮廷歌劇場楽長、ミュンヘン宮廷歌劇場、ベルリン市立歌劇場音楽監督、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団楽長などを務め、その名声が知れ渡ることになる。しかし、ユダヤ系のワルターはナチから迫害を避けウィーンへと向かい、ウィーン国立歌劇場やウィーン・フィルへと活躍の場を移した。しかし、ここでもオーストリアがナチス・ドイツに併合されてしまい、安住の地ではなかった。この間、次女が不幸に見舞われ亡くなるなど、ワルターの人生には徐々に暗雲が立ち込めることになっていく。その後、スイス、フランスなどヨーロッパを転々とした挙句、最後にはアメリカへと旅立つ。第二次世界大戦後は、ニューヨーク・フィルの音楽顧問を務めるなど、欧米で活躍し、1960年に引退する。しかし、その引退を惜しみ、CBSレコードがワルターの指揮を後世に残すため、専属のオーケストラであるコロンビア交響楽団を急遽結成し、現在にも伝えられる名録音を残すことになる。

 コロンビア交響楽団とは、ワルターの録音を後世に残すために臨時に編成されたオーケストラの名称。このようなケースはほとんど他にはなく、それだけにワルターという指揮者は、当時別格の扱いを受けていた大指揮者であったということが分る。ワルターは、死去する数年前から、このコロンビア交響楽団とコンビを組み、録音だけの活動に終始した。

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