2022年11月21日
ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
ピアノ:角野隼斗
指揮:マリン・オルソップ
管弦楽:ポーランド国立放送交響楽団
CD:イープラス EM-25(タワーレコード)
発売:2022年12月21日
このCDは、2022年9月のマリン・オルソップ指揮ポーランド国立放送交響楽団の来日ツアーに、角野がソリストとして参加し演奏されたショパン: ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11」をザ・シンフォニーホールにおいてライヴ録音。今回の来日ツアーは23年ぶり。指揮のマリン・オルソップは、バーンスタインの愛弟子で、名だたる楽団の音楽監督を歴任している巨匠。ショパンコンクールで一躍脚光を浴びた新世代のピアニスト角野隼斗が、ショパンの故郷であるポーランドの名門オーケストラ、一流の指揮者と共演した記念碑的ライヴ録音。
初回盤にはボーナス・トラックとして角野がショパンからインスパイアを受けて作曲したオリジナル楽曲「胎動」「追憶」を特別収録(初CD化)。
ピアノの角野隼斗(1995年生まれ)は、千葉県八千代市出身。2014年に開成高校から東京大学理科一類に進学。東京大学大学院進学後は情報理工学系研究科創造情報学専攻にて機械学習を用いた自動採譜と自動編曲について研究。2018年ピティナ・ピアノコンペティション(PTNA/ピティナ)特級にグランプリを受賞。これにより音響工学研究者に加え音楽家になる決意を固め、プロピアニストとして活動を始める。2018年フランス音響音楽研究所 (IRCAM) に留学し、音楽情報処理の研究に従事。2019年に東大POMPの先輩らと男女混成6人のシティソウルバンド「Penthouse」を結成し、Cateen名義でPf.(ピアノ/キーボード)を担当。同年「リヨン国際ピアノコンクール」第3位。2020年東京大学総長大賞を受賞し、大学院(修士課程)を修了。2021年第18回「ショパン国際ピアノコンクール」三次予選進出(セミファイナリスト)。自身のYouTubeチャンネルでは「Cateen かてぃん」名義で活動し、チャンネル登録者数は100万人、総再生回数は1億1600万回を超えている。
指揮のマリン・オールソップ(1956年生まれ)は、アメリカ、ニューヨーク、マンハッタン出身の女性指揮者。イェール大学に進学した後、ジュリアード音楽院で修士・博士号(ヴァイオリン科)を取得。1989年、タングルウッド音楽祭「クーセヴィツキー賞」を受賞し、レナード・バーンスタイン、小澤征爾らに教えを受けた。1980年代にはジャズとクラシック音楽の融合を目指した活動に力を入れており、1981年にビッグバンド室内アンサンブル「ストリング・フィーヴァー」を立ち上げる。1984年に組織したコンコーディア管弦楽団は、ジャズとのクロスオーヴァーを主体としている。コロラド交響楽団音楽監督(1993年―2005年)、ボーンマス交響楽団首席指揮者(2002年~2008年)を歴任。2007年ボルティモア交響楽団音楽監督に就任。これによりオールソップは、アメリカで初めてメジャー・オーケストラの音楽監督を務める女性指揮者となった。
ポーランド国立放送交響楽団は、ポーランド南部の都市カトヴィツェを本拠地とするオーケストラ。1935年、ワルシャワで設立された。結成を主導した指揮者・作曲家のグジェゴシュ・フィテルベルクが初代の首席指揮者。第二次世界大戦の勃発と共に一時活動停止を余儀なくされるが、1945年3月、ポーランドの指揮者ヴィトルド・ロヴィツキによりカトヴィツェで再結成され、その後再びフィテルベルクが芸術監督に就任。以降はヤン・クレンツ、ボフダン・ヴォディチコが後を継ぎ、タデウシュ・ストルガーラ、イェジー・マクシミウク、スタニスワフ・ヴィスウォツキ、ヤツェク・カスプシク等が音楽監督を務めた後、1983年からはアントニ・ヴィトが17年間にわたって芸術監督を務めた。ヴィトの後任はガブリエル・フムラ(2001年~2007年、音楽監督)で、2009年よりヤツェク・カスプシクが音楽監督に再度就任し、2012年からはアレクサンダー・リープライヒが芸術監督兼首席指揮者を務めている。