クラシック音楽 新譜CD情報


2023年2月09日

★ルノー・カプソンとマルタ・アルゲリッチのシューマン、ベートーヴェン、フランク:ヴァイオリン・ソナタ集

シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調 作品105
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47 「クロイツェル」
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調

ヴァイオリン:ルノー・カプソン

ピアノ:マルタ・アルゲリッチ

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45067

 2022年9月に名門レーベルドイツ・グラモフォン(DG)との契約を発表したヴァイオリニスト、ルノー・カプソン。DGアルバム第1弾は、自身が芸術監督を務める「エクスアン・プロヴァンス音楽祭」で、ピアニスト、ニコラ・アンゲリッシュに捧げたリサイタルのライヴ録音。

 ニコラ・アンゲリッシュ(1970年―2022年)は、アメリカ、オハイオ州シンシナティ出身のピアニスト。13歳でパリ国立高等音楽・舞踊学校に留学。1989年「クリーブランド国際ピアノコンクール」第2位、1994年「ジーナ・バッカウアー国際ピアノコンクール」第1位。2004年にはクルト・マズア指揮フランス国立管弦楽団と日本ツアーを行った。2006年には、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン (熱狂の日)音楽祭」に出演。その後もNHK交響楽団でのオーケストラやソロ・リサイタルなど定期的に来日していた。だが、慢性的な肺疾患に侵されていたアンゲリッシュは2021年頃から活動を休止。そのまま回復することなく2022年4月18日、パリの病院にて死去した。51歳の若さだった。

 ヴァイオリンのルノー・カピュソン(1976年生れ)は、フランス、シャンベリ出身。14歳でパリ国立高等音楽院に入学し、室内楽とヴァイオリンのプルミエ・プリを獲得。その後ベルリンでトマス・ブランディスに、続いてアイザック・スターン、シュロモ・ミンツに師事。1998年から2000年までは、クラウディオ・アバードの指名によってマーラー・ユーゲント・オーケストラのコンサートマスターを務めた。モダン楽器のヴァイオリニストではあるが、バロック奏法の影響を受け、さらにフランコ・ベルギー派の伝統も受け継いでいると言われる。自身が創設した「イースター音楽祭」の音楽監督、および「グシュタード冬音楽祭」の音楽監督を務める。弟はチェリストのゴーティエ・カピュソン。

 ピアノのマルタ・アルゲリッチ(1941年生まれ)は、アルゼンチン出身。1955年家族とともにオーストリアに移住し、ウィーン、ザルツブルク、ジュネーヴ、イタリアなどでピアノを学ぶ。1957年「ブゾーニ国際ピアノコンクール」優勝。また、「ジュネーブ国際音楽コンクール」の女性ピアニストの部門においても優勝。1965年「ショパン国際ピアノコンクール」で優勝。その後、徐々に活動の中心をソロ演奏から室内楽に移していく。1990年代に入ると、今度は自身の名を冠した音楽祭やコンクールを開催し、若手の育成に力を入れる。日本においての「別府アルゲリッチ音楽祭」の取り組みなどが高く評価され、第17回「高松宮殿下記念世界文化賞」(音楽部門)受賞、「旭日小綬章」受章するなど、日本とのかかわりは深い。2007年「別府アルゲリッチ音楽祭」の主催団体であるアルゲリッチ芸術振興財団の総裁に自ら就任し、1998年以降は「別府アルゲリッチ音楽祭」のため毎年来日している。

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