クラシック音楽 新譜CD情報


2025年6月05日

★太鼓の巨匠 林 英哲 18年ぶりのCDアルバム 渾身の集大成


七星 Shichi-sei (Seven Stars)
三つ舞 Mitsumai (Three Dances)
若冲の翼〜冲しきが若きも Jakuchu 2024 -The Wings of flightless birds-
太鼓打つ子ら Taiko utsu kora

太鼓、歌:林 英哲

太鼓、歌、箏、マリンバ:英哲風雲の会

              上田秀一郎、はせみきた、田代誠、辻祐、小泉謙一、木村優一

能管:藤舎貴生

尺八:藤原道山

CD:ART INFINI MECO-1084

 このCDは、林英哲、全曲ニューレコーディングによる18年ぶりのアルバム。まさに円熟の極みに達した林 英哲の音世界の集大成。精緻なアンサンブルを披露する英哲風雲の会を従え、スペシャルゲストとして邦楽界のトップランナー藤原道山(尺八)、藤舎貴生(能管)を迎えた。

 和太鼓奏者・作曲家の林 英哲(1952年生まれ)は、広島県出身。1971年に「佐渡・鬼太鼓座」の創設に誘われて参加。「鼓童」の創設にも関わり、11年間のグループ活動を経た1982年にソロ奏者(ソリスト)として独立。1984年(昭和59年)にはオーケストラ曲「交響的変容」(水野修孝作曲)で、和太鼓ソリストとして初となる米カーネギー・ホールでの演奏を果たした。若手和太鼓奏者と組んだ「英哲風雲の会」というユニットでの活動も行う。2013年、出身地の広島県庄原市より「市民栄誉賞」を受賞、2022年(令和4年)福岡市より「福岡アジア文化賞大賞」受賞、同年秋の叙勲で「旭日小綬章」受章。洗足学園音楽大学で客員教授も務める。著書:「あしたの太鼓打ちへ」(晶文社、1992年)、「太鼓日月 独走の軌跡」(講談社、2012年)、「あしたの太鼓打ちへ 増補新装版」(羽鳥書店、2017年)。

コメント/トラックバック投稿 »



2025年6月02日

★千住真理子のメンデルスゾーン&チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲


メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

ヴァイオリン:千住真理子

指揮:岩村 力

管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

CD:ユニバーサルミュージック UCCY-45004

 ヴァイオリンの千住真理子は、1977年第46回「日本音楽コンクール」に最年少15歳で優勝。1979年第26回「パガニーニ国際コンクール」に最年少で入賞。1985年慶応義塾大学文学部哲学科卒業後、指揮者故ジュゼッペ・シノーポリに認められ、1987年フィルハーモニア管弦楽団定期演奏会でロンドンデビュー、さらに1988年サンタチェチリア音楽院管弦楽団定期演奏会でローマデビューを果たす。1999年ニューヨーク・カーネギーホールにおいてソロ・リサイタルを開き成功を収める。1995年「モービル音楽賞(奨励賞)」受賞。

 指揮の岩村 力は、2000年から2007年までNHK交響楽団のアシスタントコンダクターを務めた。2010年より兵庫芸術文化センター管弦楽団のレジデント・コンダクターを務める。2015年兵庫県功労者表彰(文化功労)。近年はナレーター・朗読家としての研鑽も積み、ライブや収録における新たな展開を重ねている。第15回「マスタープレイヤーズ国際音楽コンクール(スイス)」指揮部門優勝およびマスタープレイヤーズ大賞受賞、第1回「マリオ・グゼッラ国際指揮者コンクール(イタリア)」第2位。

コメント/トラックバック投稿 »



2025年5月29日

★ヤン・リシエツキのショパン:24の前奏曲ほか


ショパン:前奏曲 変イ長調(遺作)
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より前奏曲 第1番 ハ長調 BWV 846
ラフマニノフ:10の前奏曲 作品23より第3番 ニ短調
メシアン:前奏曲
ショパン:前奏曲 嬰ハ短調 作品45
ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 作品3の2
グレツキ:4の前奏曲 作品1より第1番
グレツキ:4の前奏曲 作品1より第4番
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より前奏曲 第2番 ハ短調 BWV 847
ラフマニノフ:10の前奏曲 作品23より第5番 ト短調

ショパン:24の前奏曲 作品28

ピアノ:ヤン・リシエツキ

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45116

 ピアノのヤン・リシエツキ(1995年生まれ)は、カナダ、カルガリー出身。両親はポーランド人。わずか9歳でオーケストラ・デビューを果たす。トロントの王立音楽院のグレン・グールド・スクールで学部課程を修了。2008年、2009年と2年連続でワルシャワのショパンおよびそのヨーロッパ国際音楽祭に招かれ、ショパンの協奏曲第1番と第2番を演奏し、聴衆そして評論家から絶賛を博す。この公演は、ポーランド放送によりラジオ中継され、その内容を収めたCDが、ポーランド国立ショパン協会の自主レーベルとして2010年初頭にリリースされた。2010年のカナダデーの祝賀行事の一環として、カナダのオンタリオ州オタワにあるパーラメントヒルで、エリザベス2世女王と10万人の観客の前で演奏。2010年、リシエツキのこのデビューCDは「ディアパゾン・ドール賞」を受賞。2011年、15歳という若さでドイツ・グラモフォンとの専属契約を結び、モーツァルト:ピアノ協奏曲第20/21番を収録したCDを発売。2013年、クラシック音楽界のオスカーとも呼ばれる「グラモフォン・アワード」において、「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞。2017年ショパンのピアノとオーケストラのための演奏曲のCDが、ドイツとカナダで「エコー・クラシック賞」と「ジュノー賞」を受賞。

コメント/トラックバック投稿 »



2025年5月26日

★アンブル天下統一(長原幸太/鈴木康浩/中木健二)のベートーヴェン:弦楽三重奏曲全集


<DISC 1>

ベートーヴェン:弦楽三重奏曲 変ホ長調 作品3
        ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのためのセレナーデ ニ長調 作品8

<DISC 2>

ベートーヴェン:弦楽三重奏曲 ト長調 作品9-1
        弦楽三重奏曲 ニ長調 作品9-2
        弦楽三重奏曲 ハ短調 作品9-3

弦楽三重奏:アンサンブル天下統一

        長原幸太(ヴァイオリン)
        鈴木康浩(ヴィオラ)
        中木健二(チェロ)

CD:オクタヴィアレコード OVCL-00875

 「アンサンブル天下統一」 は、2013年に愛知県の岡崎市シビックセンター コンサートホール コロネットのレジデント・アンサンブルとして結成された。NHK交響楽団第1コンサートマスターの長原幸太、読売日本交響楽団ソロ・ヴィオラ奏者の鈴木康浩、東京藝術大学准教授の中木健二という、日本の楽壇を代表する3名により、今回、弦楽三重奏曲全集が完成。

コメント/トラックバック投稿 »



2025年5月22日

★クァルテット・インテグラのハイドン&ベートーヴェン


ハイドン 弦楽四重奏曲「5度」
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第3番
ハイドン:弦楽四重奏曲第61番 ニ短調「5度」作品76-2, Hob.III:76
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番 ニ長調 作品18-3

弦楽四重奏:クァルテット・インテグラ

        三澤響果(vn)
        菊野凜太郎(vn)
        山本一輝(va)
        パク・イェウン(vc)

CD:ナミレコード WWCC-8030

 今、最も話題の弦楽四重奏団「クァルテット・インテグラ」、早くもCD第4弾リリース。ハイドンの絶頂期の名作とベートーヴェンの若き創作意欲の発露の結晶。

 弦楽四重奏団のクァルテット・インテグラは、2015年桐朋学園に在学中のメンバーによりに結成された、メンバーの年齢が全員二十代という若いカルテットである。2021年「バルトーク国際コンクール」弦楽四重奏部門第1位。2022年「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」弦楽四重奏部門第2位、併せて、聴衆賞を受賞。第8回「秋吉台音楽コンクール」弦楽四重奏部門第1位、併せて、ベートーヴェン賞、山口県知事賞を受賞。キジアーナ音楽院夏期マスタークラスにて最も優秀な弦楽四重奏団に贈られる「Banca Monte dei Paschi di Siena賞」を受賞。クライブ・グリーンスミス氏、ギュンター・ピヒラー氏の指導を受ける。第41回霧島国際音楽祭に出演し、「堤剛音楽監督賞」及びに「霧島国際音楽祭賞」を受賞。NHK「クラシック倶楽部」、「リサイタル・パッシオ」、「ららら♪クラシック」等に出演。サントリーホール室内楽アカデミー第5,6期フェロー。磯村和英、山崎伸子、原田幸一郎、池田菊衛、花田和加子、堤剛、毛利伯郎、練木繁夫各氏に師事。公益財団法人松尾学術振興財団より助成を受ける。2022年秋よりロサンゼルスのコルバーンスクールにレジデンスアーティストとして在籍。現在、クライブ・グリーンスミス氏、マーティン・ビーヴァー氏に師事。

コメント/トラックバック投稿 »



2025年5月19日

★ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団のベートーヴェン:交響曲 第6番「田園」/交響曲 第1番(ライヴ録音)


ベートーヴェン:交響曲 第6番「田園」
        交響曲 第1番

指揮:ジョナサン・ノット

管弦楽:東京交響楽団

録音:2019年7月27日、2023年11月11日(ライヴ録音)

CD:オクタヴィアレコード Exton OVCL-00876

 指揮のジョナサン・ノット(1962年生れ)は、イギリス、ウェスト・ミッドランズ州出身。 ケンブリッジ大学で音楽学を専攻したのち、ロイヤル・ノーザン音楽大学で声楽とフルートを学ぶ。後に指揮に転向。フランクフルト歌劇場などでカペルマイスターを務めた後、2000年バンベルク交響楽団の首席指揮者に就任。ベルリン・フィルなど欧州の主要オーケストラに客演。2014年東京交響楽団第3代音楽監督に就任。2017年スイス・ロマンド管弦楽団音楽監督に就任。

コメント/トラックバック投稿 »



2025年5月15日

★ヤーノシュ・シュタルケルの芸術~コダーイ: 無伴奏チェロ・ソナタ ほか


<DISC1>

ボタームント-シュタルケル編:パガニーニの主題による変奏曲
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ 作品8
ボタームント-シュタルケル編:パガニーニの主題による変奏曲
                 (ビクタースタジオ録音)
ボタームント-シュタルケル編:パガニーニの主題による変奏曲
                    (杉並公会堂録音)

<DISC2>

シューベルト:チェロ・ソナタ イ短調 「アルペジョーネ」 D.821
フランク:チェロ・ソナタ イ長調

チェロ:ヤーノシュ・シュタルケル

ピアノ:岩崎 淑
    ジェルジ・シェベック

録音:1970年12月4日 ビクタースタジオ/1970年12月5日 杉並公会堂/1971年1月23日 ミラノ

CD:タワーレコード VICTOR X TOWER RECORDS NCS88034

 チェロのヤーノシュ・シュタルケル(1924年―2013年)は、ハンガリー出身。7歳でブダペスト音楽院に入学を許され、幼いときから神童ぶりを発揮していた。11歳でソロ・デビューを果たす。1945年、ブダペスト国立歌劇場管弦楽団およびブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の首席チェロ奏者に就任。同時に、ピアニストのジェルジ・シェベック(1922年―1999年)らとピアノ・トリオを結成した。その後、ヨーロッパ各地で演奏活動を展開し、この時、フランスで録音したもの中に、後にシュタルケルの名を世界的に知らしめることになる、コダーイの無伴奏チェロソナタが含まれる。この録音は、1948年のディスク大賞を受賞した。1948年、アンタル・ドラティの招きでダラス交響楽団の首席チェリストに就任。以後、アメリカを拠点に演奏活動を展開することになる。1949年にはフリッツ・ライナーの招きを受けて、メトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席チェリストに就任。さらに、ライナーに従いシカゴ交響楽団に移籍した。1950年、コダーイの無伴奏チェロソナタを再録音したが、これがセンセーションを巻き起こし、一躍その名を世界中に轟かせることになる。晩年は、インディアナ大学の教授に就任するなど後輩の教育に力を入れた。

コメント/トラックバック投稿 »



2025年5月12日

★パリ国立オペラ座管弦楽団のヴァイオリニスト大島莉紗のプロコフィエフ: ヴァイオリン・ソナタ集


プロコフィエフ:2台のヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.56
        ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 Op.94a
        無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.115

ヴァイオリン:大島莉紗
       トーマス・ツェートマイアー

ピアノ:シュテファン・シュトロイッスニク

CD:Quartz(海外盤)

 長年、パリ・オペラ座管のヴァイオリニストを務める大島莉紗。待望のプロコフィエフ・アルバム第2弾は、ヴァイオリンのトーマ・ツェートマイアー、ピアノのシュテファン・シュトロイッスニクとの共演盤。

 ヴァイオリンの大島莉紗は、東京出身。桐朋女子高校音楽科を卒業。1997年より渡英。英国国立音楽大学大学院に留学し、フェリックス・アンドリエフスキー氏、トーマス・ツェートマイアー氏に師事する。同大学院修士課程を過去最高点・首席で卒業。2002年ドイツ・ラインランドファルツフィルハーモニー管弦楽団に入団。2003年、パリ国立オペラ座管弦楽団入団。以来、パリ・オペラ座を拠点に、ヨーロッパ各地で、ソリスト・室内楽奏者として多彩な活動を展開している。第18回「リピツァー賞国際ヴァイオリンコンクール」入賞、第9回「ポスタッチーニ国際ヴァイオリンコンクール」入賞、「ヤマハ・ヨーロッパファウンデーションコンクール」優勝を始め、数々のコンクールに入賞。ブログ「パリ・オペラ座からの便り」(https://lisaoshima.exblog.jp/14466277/)。

 ヴァイオリンのトマス・ツェートマイアー(1961年生まれ)は、オーストリア、ザルツブルク出身。地元ザルツブルク・モーツァルテウム大学に学ぶ。1977年にザルツブルク音楽祭でデビューを果たし、1978年に「モーツァルト国際コンクール」にて優勝。翌年にはウィーン楽友協会音楽ホールにデビューした。その後は国際的な主要なオーケストラや指揮者と共演を重ねている。古典派音楽やロマン派音楽のレパートリーの演奏だけでなく、現代音楽の解釈にも活動の重点を置いている。ソリストとしての活動のほかに、室内楽奏者や指揮者としての活動にも携わるようになった。1994年にはツェートマイアー四重奏団を結成。指揮者としては、シュトゥットガルト室内管弦楽団、フランス国立オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ管弦楽団、アイルランド室内管弦楽団の首席指揮者および、ノーザン・シンフォニアの桂冠指揮者を務めている。

コメント/トラックバック投稿 »



2025年5月08日

カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲 第5番「運命」/第7番


ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」
        交響曲 第7番 イ長調 作品92

指揮:カルロス・クライバー

管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1974年3月、4月、1975年11月、1976年1月、ウィーン

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-46027

 このCDは、伝説の巨匠カルロス・クライバーが名門ウィーン・フィルを指揮した、ベートーヴェンの2大人気交響曲の黄金カップリング盤。今も両曲のベスト録音を選ぶ際には真っ先に挙げられる名盤中の名盤。

 指揮のカルロス・クライバー(1930年―2004年)は、ドイツ生まれ(後にオーストリア国籍取得)の名指揮者であり、父は世界的名指揮者として名高かかったエーリッヒ・クライバー(1890年―1956年)。息子のカルロス・クライバーは、そんな偉大な父親の七光りで有名になった指揮者であったわけではなく、毛並みに加え実力も兼ね備えた指揮者であった。アルゼンチンのブエノスアイレルで育ったカルロスは、1954年に指揮者デヴューを果たす。1968年にバイエルン国立歌劇場の指揮者となると、独力で指揮者としての地位を確固としたものにした。1974年にはバイロイト音楽祭にもデビューを果たしている。さらに1987年には、シカゴ交響楽団を指揮し米国へも進出した。その後クライバーは、一般の指揮者がたどるような特定のオーケストラの音楽監督に就任することはなかった。

コメント/トラックバック投稿 »



2025年5月05日

★ベルトラン・シャマユのラヴェル生誕150年記念CDアルバム


モーリス・ラヴェル

 3羽の美しい極楽鳥( 「3つのシャンソン」より)
 ダフニスの優雅で軽やかな踊り

ホアキン・ニン(1879-1949)

 ラヴェルへのメッセージ(「一連のワルツ」より)

モーリス・ラヴェル

 花嫁の歌(「5つのギリシャ民謡」より)

サルヴァトーレ・シャリーノ(1947- )

 夜の

モーリス・ラヴェル

 ダフニスとクロエからの交響的断章
   夜想曲―間奏曲―戦いの踊り

アレクサンデル・タンスマン(1897-1986)

 前奏曲 第5番( モーリス・ラヴェルへのオマージュ)

モーリス・ラヴェル

 ハバネラ形式のヴォカリーズ

フレデリック・デュリユー(1959- )

 すべての倒れる者たちのために(モーリス・ラヴェルへのオマージュ)

モーリス・ラヴェル

 ラ・ヴァルス

リカルド・ビニェス(1875-1943)

 メヌエット・スペクトラル(モーリス・ラヴェルを偲んで)

ハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002)

 モーリス・ラヴェルへの哀歌

ベッツィ・ジョラス(1926- )

 しおり紐(モーリス・ラヴェル讃)

アルテュール・オネゲル(1892-1955)

 ラヴェルへのオマージュ(「3つの小品」より)

モーリス・ラヴェル

 ダフニスとクロエの情景

ピアノ:ベルトラン・シャマユ

CD:ワーナーミュージック 2173.260123

 このCDは、ラヴェル作品に対してお互いに向き合い、ラヴェルに敬意を表した作品を組み合わせた、これまでのアルバムが世界的に高い評価を得ているベルトラン・シャマユによる、ラヴェル生誕150年記念アルバム。

 ベルトラン・シャマユ(1981年生まれ)は、フランス、トゥールーズ出身。ロマン派音楽を中心に、ラヴェルや現代音楽の演奏でも知られる。わずか1ヶ月足らずで楽譜が読めるようになった幼少時のシャマユは、しかしとくに執拗な練習をするということはなく、自作曲を自宅のアップライト・ピアノで試奏するなどして過ごしていた。トゥールーズ音楽院のクロディーヌ・ウィロースに、さらにパリ音楽院のジャン=フランソワ・エッセールに師事し、15歳でパリ音楽院に入学。その後、ロンドンにてマリア・クルチオから個人的な指導を受けたほか、レオン・フライシャー、ドミトリー・バシキーロフからも薫陶を受け、マレイ・ペライアからは最大の影響を受けた。2001年「ロン=ティボー国際コンクール」第4位などの受賞歴を持つ。その後世界各国の主要な管弦楽団との共演、音楽祭への出演、室内楽の演奏などを行うほか、ナイーヴ、ソニー・クラシカル、エラート/ワーナー・クラシックスといったレーベルから多くの録音を発表。ロマン派音楽を中心的なレパートリーとするほか、アンリ・デュティユー、ピエール・ブーレーズ、エサ=ペッカ・サロネンといった現代の作曲家の新作の演奏においても存在感を発揮。2015年には芸術文化勲章「シュヴァリエ」を授与されたほか、クラシック音楽「ヴィクトワール賞」を唯一3度受賞している。

コメント/トラックバック投稿 »