クラシック音楽 新譜CD情報


2024年8月08日

★セルゲイ・ハチャトリャン、イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタをイザイが使用していたグァルネリ「イザイ」で録音


イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ op.26(全6曲)

      ソナタ第1番 ト短調(ヨーゼフ・シゲティに献呈)
      ソナタ第2番 イ短調(ジャック・ティボーに献呈)
      ソナタ第3番 ニ短調「バラード」(ジョルジュ・エネスコに献呈)
      ソナタ第4番 ホ短調(フリッツ・クライスラーに献呈)
      ソナタ第5番 ト長調(マティウ・クリックボームに献呈)
      ソナタ第6番 ホ長調(マヌエル・キロガに献呈)

ヴァイオリン:セルゲイ・ハチャトリャン

CD:キング・インターナショナル:KKC-6846

 アルメニアの天才ヴァイオリニスト、セルゲイ・ハチャトリャンが、イザイの無伴奏ソナタ全曲を録音した。楽器はイザイ自身が所有・愛奏していたグァルネリ「イザイ」。限られた者だけが演奏することを許されるこの銘器を用いての録音は世界初。

 ヴァイオリンのセルゲイ・ハチャトゥリアン(1985年生まれ)は、アルメニア、エレバン出身。2000年第8回「シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール」においてコンクール史上最年少の15歳で優勝。さらに2005年「エリザベート王妃国際音楽コンクール」優勝し、天才ヴァイオリニストとして世界から絶賛される。2006年オスモ・ヴァンスカ指揮により、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を演奏し、ニューヨーク・デビューを果たす。来日も果たし、その素晴らしい音楽性は深い感動と共に人々の心に鮮明に記憶されている。2010年10月から2022年5月まで、日本音楽財団よりグァルネリ・デル・ジェス「イザイ」を貸与されたが、この録音では、この「イザイ」を使用している。作曲家のイザイ(1858年―1931年)が所有し、長年演奏活動に使用していたことからこの名前が付けられた銘器で、楽器の中に貼られた小さなラベルには、赤いインクで「このデル・ジェスは私の生涯を通じて忠実なパートナーだった。イザイ1928」とフランス語で書かれている。この楽器はイザイの国葬の際にはクッションに載せられ、棺の前を行進したことでも知られている。

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2024年8月05日

★諏訪内晶子のブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集(第1番~第3番)


ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集(第1番~第3番)

        第1番 ト長調 作品78 「雨の歌」
        第2番 イ長調 作品100
        第3番 ニ短調 作品108

ヴァイオリン:諏訪内晶子

ピアノ:エフゲニ・ボジャノフ

CD:ユニバーサルミュージック UCCD-45029

 現代を代表するヴァイオリニスト、諏訪内晶子。このCDは、ヒットを記録した「J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲)」から2年半ぶりとなるニュー・アルバム。今回はピアニストのエフゲニ・ボジャノフを迎えて、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番~第3番に挑戦。

 ヴァイオリンの諏訪内晶子(1972年生まれ)は、東京都出身。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コースを修了。文化庁芸術家在外派遣研修生としてジュリアード音楽院に留学。1987年「日本音楽コンクール」で第1位。1988年「パガニーニ国際コンクール」で第2位。1989年「エリザベート王妃国際音楽コンクール」で第2位。1990年「チャイコフスキー国際コンクール」で第1位(最年少、日本人初)。2013年から「国際音楽祭NIPPON」を企画、自ら芸術監督を務める。

 ピアノのエフゲニ・ボジャノフ(1984年生まれ)は、ブルガリア出身。ロベルト・シューマン音楽大学(ドイツ)で学ぶ。2008年「リヒテル国際ピアノコンクール」優勝。2010年「エリザベート王妃国際ピアノコンクール」第2位。同年「ショパン国際ピアノコンクール」第4位。2011年に発売された「フレデリック・ショパン」は「ドイツ・レコード評論賞」を受賞。現在、ドイツの名門フォルクヴァンク芸術大学ピアノ科の教授として後進の指導育成にも力を入れている。

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2024年8月01日

★ヤニック・ネゼ=セガン指揮ヨーロッパ室内管弦楽団のブラームス:交響曲全集


ブラームス:交響曲全集(第1番~第4番)

指揮:ヤニック・ネゼ=セガン

管弦楽:ヨーロッパ室内管弦楽団

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45096~8(3枚組)

 このCDアルバムは、3年連続、4つのグラミー賞を受賞した指揮者、ネゼ=セガンとヨーロッパ室内管弦楽団によるブラームス:交響曲全集。ヨーロッパ室内管弦楽団とは『シューマン:交響曲全集』(2014年)、『メンデルスゾーン:交響曲全集』(2017年)、『ベートーヴェン:交響曲全集』(2022年)に続く4度目の録音。

 指揮のヤニック・ネゼ=セガン(1975年生まれ)はカナダ出身。ケベック音楽院モントリオール校とプリンストンのウェストミンスター・クワイヤー・カレッジで学ぶ。19歳でモントリオール・ポリフォニー合唱団の監督に就任。モントリオール・オペラの合唱指揮者も務めた。グラン・モントリオール・メトロポリタン管弦楽団首席指揮者並びに芸術監督、カーティス音楽院メンター・コンダクター、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者を歴任。2012年フィラデルフィア管弦楽団音楽監督、2017年ヨーロッパ室内管弦楽団名誉団員に就任、2018年メトロポリタン歌劇場音楽監督に就任。2018年にドイツ・グラモフォンと専属契約を結んで以来、ピアノ・ソロアルバム『Introspection』や、ヨーロッパ室内管、フィラデルフィア管、ロッテルダム・フィルとの共演によるアルバムを数々リリース。これまでにグラミー賞の13部門にノミネートされており、2022年から3年連続、4つのグラミー賞を受賞。

 ヨーロッパ室内管弦楽団は、イギリス・ロンドンを本拠地とする室内オーケストラで、1981年にECユース管弦楽団(現EUユース管弦楽団)の出身者を中心として、クラウディオ・アバドにより自主運営団体として設立。年数回のコンサートやツアー、ペーザロ・ロッシーニ音楽祭やシティリアルテ音楽祭などの音楽祭に参加している。音楽監督などは置かず、様々な指揮者・ソリストと共演している。

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2024年7月29日

★ブルックナー生誕200周年企画「オルガン編曲による交響曲全集」ついに完結


ブルックナー:交響曲全曲ほか

オルガン:ハンスイェルク・アルブレヒト

CD:海外盤 Oehms Classics OC499(13枚組)

 オルガニストでミュンヘン・バッハ管弦楽団の指揮者でもあるハンスイェルク・アルブレヒトの壮大なプロジェクト「オルガン編曲によるブルックナー交響曲全集」が完結した。リンツのザンクト・フローリアン修道院の「ブルックナー・オルガン」をはじめ、チューリッヒ、ライプツィヒ、ウィーン、ロンドンなど作曲者所縁の地のオルガンを用いることで、各地のオルガンの音色の特徴を楽しめるだけではなく、ブルックナー作品のオルガン的な響きも存分に堪能できる。番号順に並べられたアルバムには、交響曲の他、第二次世界大戦直後にブルックナーの弟子の遺品から発見された「交響的前奏曲」や「詩篇150篇」、3本のトロンボーンのための「エクアーレ」など興味深い作品のオルガン版も収録されている。さらに、現役作曲家がぞれぞれの交響曲から受けたインスピレーションをもとに作曲した各曲への「フェンスター(窓)」を収録(第5番へのフェンスターは配信のみ)。伝統を現代につなぐ企画となっている。

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2024年7月25日

★ピエール=ロラン・エマールのシューベルト:レントラー集


シューベルト:レントラー集

36の独創的舞曲Op.9 D.365より

  (1)第1番 変イ長調 – 第2番 変イ長調 – 第3番 変イ長調
  (2)第5番 変イ長調 – 第12番 変イ長調 – 第14番 変ニ長調
  (3)第21番 ト長調 – 第22番 嬰ト短調 – 第25番 ホ長調 – 第26番 ホ長調
  (4)第29番 ニ長調 – 第31番 ハ長調 – 第34番 ヘ長調 – 第36番 ヘ長調

38のワルツ、レントラーとエコセーズ Op.18 D.145よりワルツ

  (5)第1番 ホ短調 – 第2番 ロ短調 – 第3番 イ短調
  (6)第4番 変イ長調 – 第5番 嬰ハ短調
  (7)第6番 ロ短調 – 第8番 変ホ短調 – 第9番 嬰ヘ短調
  (8)第10番 ロ短調 – 第11番 ロ長調 – 第12番 ホ長調

38のワルツ、レントラーとエコセーズ Op.18 D.145よりレントラー

  (9)第2番 変ホ長調 – 第3番 変イ長調
  (10)第4番 変ニ長調 – 第5番 変ニ長調 – 第6番 変ニ長調
  (11)第7番 変ニ長調 – 第8番 変ロ短調 – 第9番 変ニ長調
  (12)第10番 変ニ長調 – 第11番 変ニ長調 – 第12番 変ニ長調
  (13)第13番 イ長調 – 第14番 ニ長調 – 第15番 ト長調
  (14)第16番 ト長調 – 第17番 ニ長調

18のドイツ舞曲と2つのエコセーズ Op.33 D.783よりドイツ舞曲

  (15)第2番 ニ長調 – 第3番 変ロ長調 – 第8番 変ホ長調
  (16)第4番 ト長調 – 第5番 ロ短調 – 第11番 ホ短調
  (17)第12番 ハ長調 – 第14番 ヘ短調 – 第15番 変イ長調

ギャロップと8つのエコセーズ D.735より

  (18)ギャロップ
  (19)エコセーズ第1番 ト長調 – 第5番 変ホ長調 – 第6番 変ホ長調 – 第7番 変ホ長調 – 第8番 変ホ長調

34の感傷的なワルツ Op.50 D.779より

  (20)第1番 ハ長調 – 第2番 ハ長調 – 第3番 ト長調 – 第4番 ト長調
  (21)第7番 ト短調 – 第9番 イ短調 – 第10番 ト長調 – 第11番 ト長調
  (22)第12番 ニ長調 – 第13番 イ長調 – 第14番 ニ長調 – 第15番 ヘ長調
  (23)第17番 ハ長調 – 第18番 変イ長調 – 第19番 変イ長調
  (24)第23番 変ホ長調 – 第28番 変ホ長調 – 第31番 イ短調

17のレントラー D.366より

  (25)第1番 イ長調 – 第4番 イ長調 – 第6番 ハ長調
  (26)第7番 ト長調 – 第12番 変ホ短調

4つのレントラー D.814より

  (27)第4番 ハ長調

ウィーンの淑女たちのレントラーと2つのエコセーズ Op.67 D.734よりレントラー

  (28)第2番 ニ長調 – 第3番 ト長調 – 第8番 ハ長調
  (29)第6番 イ長調 – 第5番 ニ長調
  (30)第11番 ト長調 – 第13番 ト長調
  (31)第14番 ロ短調 – 第15番 ト長調

ウィーンの淑女たちのレントラーと2つのエコセーズ Op.67 D.734よりエコセーズ

  (32)第1番 イ短調 – 第2番 イ長調

12の高雅なワルツ Op.77 D.969より

  (33)第10番 ヘ長調

12のグラーツのワルツ Op.91 D.924より

  (34)第11番 ホ短調

20のワルツ Op.127 D.146より

  (35)第9番 ハ長調
  (36)第6番 ニ長調
  (37)第3番 ホ短調
  (38)第5番 ヘ長調
  (39)第10番 ヘ長調
  (40)第11番 変ロ長調
  (41)第12番 ト短調 – 第14番 ト長調
  (42)第19番 ヘ長調 – 第15番 ト短調 – 第20番 ニ長調

12のドイツ舞曲 Op.171 D.790より

  (43)第3番 ニ長調 – 第4番 ニ長調 – 第5番 ロ短調 – 第6番 嬰ト短調
  (44)第7番 変イ長調 – 第8番 変イ短調 – 第11番 変イ長調
  (45)第9番 ロ長調 – 第10番 ロ短調

CD:キングインターナショナル KKC-6847

ピアノ:ピエール=ロラン・エマール

 ピエール=ロラン・エマールが、シューベルトの舞曲「レントラー」を録音した。レントラーとは、ゆったりとした3/4拍子の民族舞踊で、18世紀末まで主に南ドイツ、スイスのドイツ語圏で愛好された。シューベルトは、レントラーの拍子を基に素朴で陽気な小品を数多く作曲。シンプルながら豊かな和声が魅力で、まるで絵のように美しく、叙情的で、曲想に富んでいる。

 ピアノのピエール=ロラン・エマール(1957年生れ)は、フランス、リヨン出身。パリ音楽院でイヴォンヌ・ロリオに、ロンドンでマリア・クルチョに師事。1973年「オリヴィエ・メシアン国際コンクール」優勝。弱冠19歳でピエール・ブーレーズからアンサンブル・アンテルコンタンポランのソロ・ピアニストに指名された。1980年代半ばからは、親しかったジョルジ・リゲティの全作品の録音に加わるとともに、練習曲数曲を献呈された。近年ではカルト・ブランシュ(演奏家に自由なプログラミングを託すコンサート)や音楽祭のプロデュースを任されることも多く、2008年にはサウスバンク・センターのメシアン生誕100年祭を企画し注目を集めた。翌年には、オールドバラ音楽祭の芸術監督に就任。ケルン音楽大学とパリ音楽院で後進の指導にも当たる。現代音楽の関係者として特に有名で、ブーレーズの「レポン」、シュトックハウゼンの「ピアノ小品第14番」、リゲティの「練習曲」などの演奏で知られる。近年では、アーノンクール指揮によるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集の録音で、現代音楽の愛好家以外からも注目を浴び、「トゥーランガリラ交響曲」の録音でも絶賛を博している。

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2024年7月22日

★フィリップ・ジョルダン指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団のワーグナー:舞台神聖祭典劇「パルジファル」(全曲)


演出:キリル・セレブレニコフ

指揮:フィリップ・ジョルダン

管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

パルジファル・・・・・・ヨナス・カウフマン(テノール)
クンドリー・・・・・・エリーナ・ガランチャ(メッゾ・ソプラノ)
クリングゾル・・・・・ヴォルフガング・コッホ(バリトン)
アンフォルタス・・・・・・リュドヴィク・テジエ(バリトン)
グルネマンツ・・・・・・ゲオルグ・ツェペンフェルト(バス)
ティトゥレル・・・・・・シュテファン・ツェルニー(バス)
第1の騎士・・・・・・カルロス・オスーナ(テノール)
第2の騎士・・・・・・エリック・ヴァン・ハイニンゲン(バリトン)
第1の小姓・・・・・・パトリシア・ノルツ(ソプラノ)
第2の小姓・・・・・・シュテファニー・マイトランド(メッゾ・ソプラノ)
第3の小姓・・・・・・ダニエル・イェンツ(テノール)
第4の小姓・・・・・・アンゲロ・ポラック(バリトン)
娘たち1隊、第1の娘・・・・・・イレーナ・トンカ(ソプラノ)
娘たち1隊、第2の娘・・・・・・アンナ・ネーカムズ(ソプラノ)
娘たち1隊、第3の娘・・・・・・アウローラ・マルテンス(ソプラノ)
娘たち2隊、第1の娘・・・・・・スラヴカ・ザメンツニコーヴァ(ソプラノ)
娘たち2隊、第2の娘・・・・・・ジョアンナ・ケジオア(ソプラノ)
娘たち2隊、第3の娘・・・・・・イサベル・シニョーレ(ソプラノ)
天井からの声・・・・・・エリーナ・ガランチャ(メッゾ・ソプラノ)

合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団

録音:2021年4月8日、9日、ウィーン、ウィーン国立歌劇場での無観客上演でのライヴ・レコーディング

CD:ソニーミュージック SICC-2244(4枚組)

 このCDアルバムは、キリスト磔刑の際に流された地を受けた「聖杯」をめぐるワーグナー最後のオペラ「パルジファル」。それまでのオペラの歩みを集約し、20世紀へと橋渡しをした大作でもある。この新録音は、2021年ウィーン国立歌劇場で話題を呼んだ新演出上演のライヴ録音盤。

 指揮のフィリップ・ジョルダン(1974年生れ)は、スイス、チューリヒ出身。チューリッヒの学校で学び、その後 各地の歌劇場で経験を積む。ベルリン州立歌劇場のダニエル・バレンボイムの下でアシスタントおよび首席客演指揮者を務める。また、アメリカやヨーロッパの音楽祭などに客演で出演するなどした。2009年パリ国立オペラ音楽監督に就任。2014年フランツ・ウェルザー=メストの後任としてウィーン交響楽団首席指揮者に就任し2020年まで務める。2020年ウィーン国立歌劇場音楽監督に就任。

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2024年7月18日

★角野隼斗、ワールドワイド・デビューアルバム「Human Universe」(LPレコード)


角野隼斗:Human Universe
J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ(カンタータ BWV147より)
パーセル:グラウンド ハ短調 ZD221
フォーレ:イン・パラディスム
角野隼斗:3つのノクターン
      I. Pre Rain
      II. After Dawn
      III. Once in A Blue Moon
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ショパン:夜想曲第13番ハ短調Op.48-1
角野隼斗:追憶
ドビュッシー:月の光
坂本龍一:solari
ハンス・ジマー:Day One(映画「インターステラー」より)
角野隼斗:胎動
ラヴェル:ボレロ
角野隼斗:きらきら星変奏曲

<ボーナストラック>アナログ盤(コバルトブルー・ヴァイナル 完全生産限定盤)

ヘンデル:クラヴサン組曲第2集 第1番変ロ長調 HWV 434よりメヌエット

ピアノ:角野隼斗

録音:2024年1月、4月、Master Chord Studio(ロンドン)

LPレコード:ソニーミュージック SIJP-200(2024年10月30日発売)

 このLPレコードは、角野隼斗の世界デビュー・アルバムで、タイトルは「Human Universe」。角野隼斗は、幼いころから宇宙に興味を持っていたと語り、今回の世界デビューに当たり、音楽と宇宙、人の心の連環をテーマに16トラックから成る音楽世界を練り上げた。アルバムの中軸に位置し、今作の重心の一つとなっているのが、角野が作曲した3曲で構成されるノクターン。それぞれ、「Pre Rain」、「After Dawn」、「Once in A Blue Moon」と副題が付けられ、地球の気象・太陽や月の動態などにインスピレーションを得て作曲した作品。

 ピアノの角野隼斗(1995年生まれ)は、千葉県八千代市出身。2014年に開成高校から東京大学理科一類に進学。東京大学大学院進学後は情報理工学系研究科創造情報学専攻にて機械学習を用いた自動採譜と自動編曲について研究。2018年ピティナ・ピアノコンペティション(PTNA/ピティナ)特級グランプリを受賞。これにより音響工学研究者に加え音楽家になる決意を固め、プロピアニストとして活動を始める。2018年フランス音響音楽研究所 (IRCAM) に留学し、音楽情報処理の研究に従事。2019年に東大POMPの先輩らと男女混成6人のシティソウルバンド「Penthouse」を結成し、Cateen名義でPf.(ピアノ/キーボード)を担当。同年「リヨン国際ピアノコンクール」第3位。2020年東京大学総長大賞を受賞し、大学院(修士課程)を修了。2021年第18回「ショパン国際ピアノコンクール」3次予選進出(セミファイナリスト)。自身のYouTubeチャンネルでは「Cateen かてぃん」名義で活動し、チャンネル登録者数は100万人、総再生回数は1億1600万回を超えている。

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2024年7月15日

★9年ぶり、ヴィットリオ・グリゴーロのイタリアオペラアリア集 


ボーイト:歌劇「メフィストフェーレ」より「野から牧場から」
マスカーニ:歌劇「イリス」より「窓を開けて」
ポンキエッリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」より「空と海」
チレア:歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」より
         「私の心は疲れ」/「私は、何とも優しくほほ笑む」
ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」より
         「五月の晴れた日のように」/「ある日、青空をながめて」
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より「母さん、あの酒は強いね」
プッチーニ:歌劇「外套」より「お前の言う通りだ」
      歌劇「西部の娘」より「やがて来る自由の日」
      歌劇「蝶々夫人」より「さらば愛の家」
レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」より「仮面をつけろ」
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」より「泣くな、リュー」
      歌劇「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」よりアヴェ・マリア

テノール:ヴィットリオ・グリゴーロ

指揮:ピエール・ジョルジョ・モランディ

管弦楽:チェコ国立交響楽団

CD:ソニークラシックス SICC-30847

 テノール歌手 ヴィットリオ・グリゴーロの9年ぶりの新作のタイトルは「ヴァリッシモ」。アルバムタイトルの意味は日本語で「とても本当の」であり、また、同CDで取り上げている”ヴェリズモ・オペラ”(1890年代から20世紀初頭にかけてのイタリア・オペラのヴェリズモ文学に影響を受けた作品)とのかけ合わせでもある。プッチーニ、マスカーニ、レオンカヴァッロを軸にイタリア作曲家のアリアを収録。

 テノールのヴィットリオ・グリゴーロ(1977年生まれ)は、イタリア、アレッツォ出身でローマで育つ。パヴァロッティの再来と称される現代最高のテノール。9歳から5年間、システィーナ礼拝堂の聖歌隊に所属して音楽教育を受けた。13歳の時に、ローマのオペラハウスで、「トスカ」の羊飼いの役で出演。この時のカヴァラドッシ役はパヴァロッティ。18歳で’Vienna Opera Company’にメンバーとして加入し、23歳で、スカラ座に出演した最も若いテノールとして記録を更新した。

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2024年7月11日

★アレクサンドル・タローが気のあった豪華共演者と贈るピアノ連弾作品集


ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番 嬰ヘ短調 WoO 1 No.5
  [共演]ブルース・リウ
バッハ:神の時こそいと良き時(クルターグ編)
  [共演]ダヴィッド・フレイ
ピアソラ:リベルタンゴ(山本京子編)
  [共演]ベアトリーチェ・ラナ
フォーレ:子守歌 ~ 組曲「ドリー」より
  [共演]ニコラ・アンゲリッシュ
チャイコフスキー:バレエ音楽「眠れる森の美女」~ ワルツ(ラフマニノフ編?)
  [共演]アレクサンドル・メルニコフ
ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」~妖精の園
  [共演]ベルトラン・シャマユ
サティ:組曲「パラード」~中国の手品師
  [共演]ゴーティエ・カピュソン
フランセ:「オーギュスト・ルノワールによる15人の子供の肖像」 ~青い帽子の少女
  [共演]ジュリエット
シューベルト:軍隊行進曲 第1番 ニ長調 D.733 No.1
  [共演]ミシェル・ダルベルト
グリーグ:ノルウェー舞曲 第2番 Op.35 No.2
  [共演]ヴィキングル・オラフソン
ハイドン: ピアノ三重奏曲 第39番ト長調 Hob.XV:25 ~第3楽章(R.メッツドルフ編)
  [共演]児玉桃
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 第2番 ホ短調 Op.72/2
  [共演]マリアム・バタシヴィリ
ラヴィニャック:ギャロップ・マーチ(L. ルモワンヌ編)
  [共演]フランク・ブラレイ
シャルル=アンリ: 3足す3は? ~ 第3番:The Just Average
  [共演]Mr Nobody
モーツァルト:4手のためのピアノ・ソナタ ニ長調 K.381 ~ 第3楽章
  [共演]アリエル・ベック
プーランク:4手のためのピアノ・ソナタ FP.8 ~ 第1楽章
  [共演]マニュエル・シュトロッセ
ドビュッシー:小組曲 L.71a ~ 小舟にて
  [共演]フレデリック・ヴァイス=ニッター
グラス:4手のための3つの小品 ~ ストークス
  [共演]ヴァネッサ・ワーグナー
ラフマニノフ:6つの小品 Op.11 ~ 舟歌
  [共演]アレクサンダー・マッジャー
シューマン:カノン形式の練習曲 Op.56 ~ 第4番(ビゼー編)
  [共演]エリック・ル・サージュ
ピエルネ:舟歌 Op.26
  [共演]フィリップ・ジャルスキー
ビゼー:子供の遊び ~ 舞踏会
  [共演]マーティン・ジェームズ・バートレット

ピアノ:アレクサンドル・タロー

CD:ワーナーミュージック 5419.793352

 常に熟考を重ね、革新的なプログラムを披露するピアニスト、アレクサンドル・タロー。このアルバムでは4手のピアノのための作品を演奏。凝りに凝った選曲と彼が相方に選んだ共演者の豪華さに注目。選曲も絶妙。ハンガリー舞曲やフォーレの「子守歌」、シューベルトの「軍隊行進曲」など連弾の定番曲から、ほとんど耳にすることのないフランセやラヴィニャックの作品などを収録。

 現代フランスを代表するピアニストの一人、アレクサンドル・タロー(1968年生まれ)は、フランス、パリ出身。パリ国立高等音楽院卒業。1989年「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」第2位となり、以来国際的な演奏活動を展開。CD録音にも力を入れ、特にラモーの「新クラヴサン組曲」は非常に高い評価を得ているほか、ラヴェルのピアノ作品全集は、2003年「アカデミー・シャルル・クロ・グランプリ ディアパソン金賞」を受賞。ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノフェスティバル、BBCプロムス、ルフトハンザ・バロック音楽祭など多くの音楽祭に出演。近年はジャン=ギアン・ケラスとデュオを組み、公演およびCD録音などの活動も行っている。

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2024年7月08日

★イタリアの名指揮者 カルロ・マリア・ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団のマーラー: 交響曲第1番「巨人」


マーラー: 交響曲第1番「巨人」

指揮:カルロ・マリア・ジュリーニ

管弦楽:シカゴ交響楽団

録音:1971年3月30日

CD:タワーレコード(TOWER RECORDS DEFINITION SERIES)TDSA285

 ジュリーニ指揮シカゴ響の「巨人」を、従来以上の音質向上を目指し、音楽的な見地を持ってマスタリングを敢行した、本国アナログ・マスターテープよりの最新復刻盤。

 指揮のカルロ・マリア・ジュリーニ(1914年―2005年)は、イタリア、プッリャ州出身。最初はヴァイオリンを学んだが、サンタ・チェチーリア国立アカデミア管弦楽団のヴィオラ奏者としてスタート。ヴィオラ奏者時代には、客演したブルーノ・ワルターなど当時の大指揮者の指揮に触れる機会を得る。1946年ローマRAI交響楽団首席指揮者、1950年ミラノRAI交響楽団首席指揮者、1953年ミラノ・スカラ座音楽監督、1969年シカゴ交響楽団の首席客演指揮者、1973年ウィーン交響楽団首席指揮者、1978年ロサンジェルス・フィルハーモニック音楽監督。以後、フリーの指揮者としてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団などヨーロッパの名門オーケストラに客演。

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