2025年8月14日
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 作品109
ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110
ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111
ピアノ:ヴィルヘルム・ケンプ
CD:ユニバーサル ミュージック UCCG-41269
このCDは、ヴィルヘルム・ケンプ 生誕130年記念アルバム。ヴィルヘルム・ケンプの神への敬虔な祈りにも似たそのベートーヴェンは、今のピアニストには求め得ないものであり、聴き終えた後の深い感動はケンプの世界ならではといえる。
ピアノのヴィルヘルム・ケンプ(1895年―1991年)は、ドイツ、ブランデンブルク州出身。幼時よりピアノ、オルガンを学び、卓越した才能を示した。ベルリン音楽大学で学ぶ。1918年にアルトゥル・ニキシュ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番で協演した。1920年にはシベリウスの招きで北欧を歴訪。1924年から1929年にはマックス・フォン・パウアーの後任としてシュトゥットガルト音楽大学の学長を務めた。1932年にはベルリンのプロイセン芸術協会の正会員となり、ドイツ楽壇の中心的役割を担うようになった。1930年代の肩書は「オペラ作曲家」であり、ピアノ演奏は副業であった。第二次世界大戦後、専業ピアニストとしての活動にシフトすることとなった。1950年代にはベートーヴェンのピアノソナタ全集をモノラルでリリース。ケンプは親日家であり、1936年の初来日以来、10回来日した。