クラシック音楽 新譜CD情報


2012年6月19日

★サイモン・ラトル&ベルリン・フィルが挑んだ「ブルックナー交響曲第9番」最終稿

ブルックナー:交響曲第9番(第4楽章付) SPCM補筆完成2012年版

指揮:サイモン・ラトル

管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 
CD:EMIミュージック・ジャパン TOGE-11092~93(SACDハイブリッド2枚組)

 ブルックナーは、死の直前まで交響曲第9番に携わり、1896年に死去した時には、第4楽章を作曲している途中であった。残されたスケッチを基に完成が試みられ、これまでにも複数の完成版が発表されている。今回使用される「サマーレ、フィリップス、コールス、マッズーカ(SPCM)版」は、そのなかでも最も学究性が高いクリティカル・エディション。4人の音楽学者・作曲家が25年以上の歳月をかけて復元し、2010年にさらに改訂が行なわれた。補筆版の終楽章は計647小節に至り、そのうち208小節は、ブルックナーにより完全に作曲されている。これに個々の弦楽パート、管楽器のスケッチが加わるが、37小節分のみが研究者の純粋な創作。ラトルは「このフィナーレで奇妙な個所は、すべてブルックナー自身の手によるもの。ここには、彼が当時体験した脅威、恐れ、感情のすべてが現われている」(ベルリン・フィル・サイトより)と語っている。

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