クラシック音楽 新譜CD情報


2025年10月30日

★アックス 、カヴァコス 、ヨーヨー・マの3人による”ベートーヴェン・フォー・スリー”(交響曲第1番、ピアノ三重奏曲「幽霊」&「街の歌」)

ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 作品21(ピアノ三重奏曲編曲版)
        ピアノ三重奏曲第5番ニ長調 作品70-1 「幽霊」
        ピアノ三重奏曲第4番変ロ長調 作品11 「街の歌」

ピアノ:エマニュエル・アックス

ヴァイオリン:レオニダス・カヴァコス

チェロ:ヨーヨー・マ

CD:ソニーミュージック SICC‐30922

 ”ベートーヴェン・フォー・スリー”は、アックス、カヴァコスとヨーヨー・マの3人がベートーヴェンの交響曲を軸にその音世界をピアノ三重奏曲で演奏するプロジェクト。2021年のタングルウッド音楽祭で3人が初めて「ベートーヴェン:交響曲第2番」をピアノ三重奏形式で演奏したことに端を発する。これまで「運命」「田園」等で伸びやかな新境地を披露し、この度発売される最新アルバムはシリーズ4作目となる。

 ピアノのエマニュエル・アックス(1949年生まれ)は、旧ソ連、リヴォフ(現在のウクライナ・リヴィウ)出身のユダヤ系ポーランド人。6歳のときに父の手ほどきでピアノの学習を開始した。8歳の時に家族とともにワルシャワへ移り、さらに2年後にカナダのウィニペグへ一家で移住。1961年にニューヨークに移住し、ジュリアード音楽院のミェチスワフ・ムンツに師事。また、父の薦めによりコロンビア大学へも入学し、フランス語を専攻した。1970年に米国の市民権を取得。1971年「ヴィアンナ・ダ・モッタ国際音楽コンクール」ピアノ部門第3位。1972年「エリザベート王妃国際音楽コンクール」で7位、1974年「テルアヴィヴ・ルービンシュタイン国際ピアノコンクール」優勝。1979年「ニューヨーク・エイヴリー・フィッシャー賞」受賞。ピアニストの野崎洋子と結婚し、ニューヨークに在住。バッハから現代音楽まで幅広いレパートリーを持っている。

 ヴァイオリンのレオニダス・カヴァコス(1967年生れ)は、ギリシャ、アテネ出身。ギリシャ国立音楽院、インディアナ大学で学ぶ。1984年「アテネ音楽祭」でコンサート・デビュー。1985年「シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール」において最年少で第1位となり、一躍世界の注目を浴びる。1986年「インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクール」第2位。1988年「パガニーニ国際コンクール」第1位。1986年にアメリカデビューし、翌年、各地でリサイタルを行う。毎年、北アメリカの演奏旅行を行い、シカゴ交響楽団、モントリオール交響楽団など主要オーケストラと共演している。ヨーロッパでは、1994年にルツェルン音楽祭に出演したのを始めとして、ザルツブルク音楽祭などに出演。イギリスでは、1992年にプロムスでストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏した他、主要オーケストラと共演した。2006年、ヴァレリー・ゲルギエフの音楽祭に出演。日本では、1988年、カザルスホールでのリサイタル、イギリス室内管弦楽団との日本ツアー、東京都交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団との共演など。2016年には、”pacific music festival 2016 sapporo” に参加。

 チェロのヨーヨー・マ(1955年生まれ)は、フランス、パリ出身の中国系アメリカ人。古典派から現代音楽までの幅広いレパートリーを持ち、デビュー当時、「テクニックは世界最高」といわれた。父は、中国寧波生まれでオーケストラ指揮者・作曲家。母は、香港生まれで南京国立中央大学出身の声楽家。ヨーヨー・マの両親は中国を離れパリに渡りその後、彼が7歳の時にニューヨークに移り住んだ。5歳にしてすでに観衆を前に演奏を行い、7歳の時にはジョン・F・ケネディの前で演奏、また、8歳でレナード・バーンスタインが行ったコンサートでアメリカのテレビに出演した。1976年ハーバード大学を卒業、人類学の学位を取得。1982年に、バッハの無伴奏チェロ組曲を録音する。1994年から1997年にかけて同曲の再録音を行う。室内楽にも熱心であり、ジュリアード音楽院時代から親密にしていたピアニストであるエマニュエル・アックスなどと共演。1991年に、ハーバード大学から名誉博士号を授与される。2000年、テレビドラマ「ザ・ホワイトハウス」に本人役で出演。「グラミー賞」および「エミー賞」受賞。2010年「大統領自由勲章」が授与された。

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