クラシック音楽 新譜CD情報


2025年1月23日

★48歳で夭折したフェレンツ・フリッチャイのモーツァルト:交響曲選集

モーツァルト:交響曲第29番
          第39番
          第40番
          第41番「ジュピター」
       アイネ・クライネ・ナハトムジーク
       ほか

指揮:フェレンツ・フリッチャイ

管弦楽:ウィーン交響楽団
    ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
    ベルリン放送交響楽団

録音:1958年~1961年(2024年リマスター盤)

CD:TOWER RECORDS UNIVERSAL VINTAGE SA-CD COLLECTION PROC-2411~2(2枚組)

 ハンガリーの名指揮者フェレンツ・フリチャイ(1914年―1962年)は、第二次世界大戦の前後を挟んで活躍した指揮者の一人である。フルトヴェングラーとかワルターと活躍時期が重なったこともあり、その名はあまり一般的ではないが、その遺した録音を聴けば、たちどころに傑出した力量の指揮者であったことが理解できる。そのきりりと締まった音楽表現は、今聴いても少しも古臭くなく、逆に、現代の指揮者以上に現代的感覚を豊富に持っていた指揮者だった。

 指揮のフェレンツ・フリチャイ(1914年―1962年)は、ハンガリーのブタペスト出身。ブタペストのリスト音楽院で、ピアノをバルトークに、作曲をコダーイに学ぶ。1934年から指揮者としての活動を開始している。1945年からブタペスト国立オペラとブタペスト・フィルの指揮者を務める。そして、1947年のザルツブルグ音楽祭で急病のクレンペラーに代わり、指揮者を務めたことが、フリチャイに一躍世界的な名声を得るきっかけを与えることになる。それからのフリッチャイは、一気に世界の指揮者の頂点へ目指し快進撃を始める。ベルリン国立歌劇場音楽監督(1945年―1953年)、RIAS交響楽団首席指揮者を歴任。さらに、米国にも進出し、1954年にヒューストン交響楽団指揮者に就任。そして1961年に再建されたベルリン・ドイツ・オペラの音楽監督に就任し、誰もがこれからは、フェレンツ・フリッチャイの時代が到来するものと思っていた矢先、1962年白血病が悪化し、翌1963年、48歳という若さで他界してした。これから円熟の指揮を披露するという時に夭折したことは、何よりも本人が一番残念至極なことであったろう。その死から10年後にフリッチャイ協会が設立されたことを見ても、フェレンツ・フリチャイが如何に図抜けた指揮者であったことが分る。

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