クラシック音楽 新譜CD情報


バックナンバー 2012年 4月

2012年4月27日

★フランス作曲界の長老デュティユーとダエーヌの作品に大野和士が挑戦


デュティユー:同じ和音の上で (2002) /ヴァイオリン協奏曲「夢の樹」 (1985)

ダエーヌ:ヴァイオリン協奏曲

指揮:大野和士

管弦楽:リヨン国立歌劇場管弦楽団

ヴァイオリン:ヨシフ・イヴァノフ

録音:2009年7月

CD:キング・インターナショナル(Aparte) KKC-5181

 デュティユーは、フランスに生まれ、パリ音楽院に学ぶ。1938年、ローマ賞を受賞。デュティユー独特の、空間に点描を描くような音世界、静寂と嵐のよう暴力的な部分の対比を見せる。一方、ダエーヌは、1943年生まれ、ブリュッセルで学ぶ。この作品もオケが底鳴りするような迫力に満ちている。ヴァイオリンのイヴァノフは18歳でエリザベート王妃国際コンクールに優勝した実力派で、知性と技巧を絶妙なバランスで併せ持つ逸材。

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2012年4月24日

★グラミー賞受賞のヴァイオリスト ジョシュア・ベルのフランス音楽作品集


サン=サーンス:ヴァイオリンソナタ第1番 
フランク:ヴァイオリンソナタ 
ラヴェル:ヴァイオリンソナタ 
フォーレ:子守歌

ヴァイオリン:ジョシュア・ベル

ピアノ:ジェレミー・デンク

CD:S‐SICC1532

 ジョシュア・ベルは、1976年生まれのアメリカのヴァイオリニスト。14歳で、リッカルド・ムーティ指揮するフィラデルフィア管弦楽団と共演し、1985年にはセントルイス交響楽団と共演してカーネギーホールにデビュー。アカデミー賞/グラミー賞に輝いた映画「レッド・バイオリン」において、ジョン・コリリアーノ作曲の映画音楽でソロ・パートを演奏。また、2004年のイギリス映画「ラヴェンダーの咲く庭で」においても、ソロ・ヴァイオリン演奏を担当。今回のCDは、待望のフランス音楽作品集。フランク、サン=サーンス、ラヴェルという“フランス音楽 黄金の3大ヴァイオリンソナタ”を収録。1713年製のストラディヴァリウス「ギブソン」を使用。

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2012年4月20日

★アンジェラ・ゲオルギューの「我が心のマリア・カラス」


作曲者:チレア、ヴェルディ、プッチーニ

あなたの愛の呼ぶ声に「ミミの別れ」(歌劇「ラ・ボエーム」)  
何と美しいこの姿「宝石の歌」(歌劇「ファウスト」)  
その無心の微笑みで(歌劇「海賊」)  
大空をはれやかに(歌劇「道化師」)  
あなたの声に心は開く(歌劇「サムソンとデリラ」)  
さようなら、ふるさとの家よ(歌劇「ラ・ワリー」)  
恋は野の鳥「ハバネラ」(歌劇「カルメン」)  
亡くなった母を(歌劇「アンドレア・シェニエ」)  
あなたの子供たちの母親は(歌劇「メデア」)  
泣け、泣け、わが目(歌劇「ル・シッド」)  
あわれな花よ(歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」)  
不思議だわ!(歌劇「椿姫」)  
いつも自由で、花から花へ(歌劇「椿姫」)

ソプラノ:アンジェラ・ゲオルギュー

指揮:マルコ・アルミリアート

管弦楽:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

共演:ジェイムズ・ヴァレンティ、トム・ワトモ、ジャニス・グラハム、カレン・ジョーンズ、ルイザ・タック

CD:EMIミュージック・ジャパン EMI‐TOCE90220

 ソプラノのアンジェラ・ゲオルギューは、1965年ルーマニアのアジュート生まれ。ブカレスト音楽アカデミーで学ぶ。1990年にクルージュ国立歌劇場で「ボエーム」のミミを歌ってデビュー。ウィーンのベルヴェデーレ賞、リスボンのグルベンキアン賞などを受賞。1994年にはロンドンでショルティ指揮の「椿姫」でヴィオレッタに抜擢されて大成功を収める。現在、ヨーロッパの主要な歌劇場で活躍しいる。 「カラスは私の目標というよりも心の糧」というアンジェラ・ゲオルギューが歌ったCD。

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2012年4月17日

★第15回ショパン国際ピアノコンクール優勝者ラファウ・ブレハッチのドビュッシーとシマノフスキ


ドビュッシー:ピアノのために(前奏曲/サラバンド/トッカータ)
       :版画(塔/グラナダの夕暮れ/雨の庭)
       :喜びの島

 シマノフスキ:前奏曲とフーガ 嬰ハ短調 前奏曲/嬰ハ短調 4声のフーガ
        :ソナタ ハ短調 作品8

ドビュッシー:月の光 (「ベルガマスク組曲」から) (日本盤のみ)

ピアノ:ラファウ・ブレハッチ

CD: ユニバーサル ミュージック UM-UCCG1567

 今年は、ドビュッシー生誕150年、シマノフスキ生誕130年に当たる。ドビュッシー作品は、その後 本格的に開花してゆく独自の語法が見え隠れする「ピアノのために」、印象主義の独自のピアノ技法を 確立した「版画」、装飾音やリズムの変化といった技巧が駆使された「喜びの島」。また、近年再評価され 脚光を浴びているポーランドの作曲家のシマノフスキの作品では、初期の作品「前奏曲とフーガ」 と「ピアノ・ソナタ」を収録。ラファウ・ブレハッチ(1985年生まれ)は、ポーランドのピアニスト。 2005年、第15回ショパン国際ピアノコンクールで優勝。同コンクールで「2位なし」の審査結果が出たの は史上初の出来事。今回のCD発売に際し、ブレハッチは次のような献辞を日本に寄せている。「このド ビュッシーの「月の光」 の演奏を、2011年3月に貴国を襲い、悲劇的な結果をもたらした自然災害に直面 した方々との心からの結束と深い同情のしるしとして、とりわけ私のピアノを聴いてくださる日本の皆さ んに捧げます」

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2012年4月12日

★ワルツの革命~モーツァルト、ランナー&J.シュトラウス1世「ダンス、ワルツ&ポルカ集」


J.シュトラウス(1世)/モーツァルト/ランナー

<ディスク:1> 
2つのコントルダンス K.603~第1曲  
5つのコントルダンス K.609~第1曲「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」 
5つのコントルダンス K.609~第4曲  
6つのドイツ舞曲 K.571 第1~6曲
ラデツキー行進曲 作品228 (原典版)
ケッテンブリュッケ・ワルツ 第1番 
羊飼いのカドリーユ  
「パリの謝肉祭」ギャロップ 
パガニーニ風ワルツ  

<ディスク:2> 
サヴェリオ・メルカダンテによるパ・ド・ヌフ 
憧れのマズルカ 
ハンス・イェーゲル・ポルカ 
マラプー・ギャロップ  
ワルツ「魔女のダンス」 
バレエ「コルソ・ドナーティ」~行進曲 
チェリート・ポルカ 
狩りのギャロップ 
ワルツ「シェーンブルンの人々」

指揮: アーノンクール(ニコラウス)

管弦楽: ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

CD:SONY CLASSICAL SICC-1535
 
 巨匠ニコラウス・アーノンクール待望のニュー・アルバムは、「ワルツの革命」というややショッキングなタイトルの2枚組。ヨハン・シュトラウス2世によって19世紀後半のウィーンで完成を見たワルツの源流をたどるという、アーノンクールらしい企画。「ニューイヤー・コンサートの起源はモーツァルトだ!」と言わんばかりに、<ディスク1>ではモーツァルトの舞曲が最初に取り上げられ、それにヨハン・シュトラウス1世の作品が続く。<ディスク2>では、「ワルツの始祖」とも称されるヨゼフ・ランナーの作品。聴きなれた甘いワルツや軽妙なポルカの常識を打ち破る革新的な演奏解釈によって、ワルツの意外な側面が浮き彫りにされる。「ワルツは19世紀のヨーロッパ社会の進化を映す鏡である」(アーノンクール)。

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2012年4月06日

★ケント・ナガノ&モントリオール交響楽団の“ベートーヴェン交響曲全集No4”交響曲第9番「合唱」


ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」

指揮:ケント・ナガノ

管弦楽:モントリオール交響楽団

独唱:エリン・ウォール(ソプラノ)/藤村実穂子(メゾ・ソプラノ)/サイモン・オニール(テノール)/ミハイル・ペトレンコ(バス)

合唱:モントリオール交響楽団合唱団
    ターフェルムジークの室内合唱団
    
録音:2011年9月、メゾン・サンフォニーク・ド・モントリオール(ライヴ録音)

CD:ソニームージック SICC‐1533

 ケント・ナガノと彼が音楽監督を務めるカナダのモントリオール交響楽団による「ベートーヴェン:交響曲全集」プロジェクトの4作目の第9番「合唱」。モントリオールの新しいコンサートホールで、モントリオール響の新たな本拠地となるメゾン・サンフォニーク・ド・モントリオールのこけら落とし公演で2011年9月、ライヴ収録されたもの。これまで同様、オリジナル楽器演奏のメソードを取り入れることで、緊張感の高い演奏を実現。オリジナル・アルバムのタイトルは「人類の悲哀と人間愛」。ヤン・マルテルによる朗読「僕の革命の友達は、どこへ行ってしまったのか」を加えることで、200年前に書かれたベートーヴェンの音楽が21世紀に持つ意味合いを強く意識したコンセプト。

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2012年4月02日

★熊本マリのピアノによる日本の心、日本のメロディー~奥村一作品集~


さくらさくら(日本古謡)   
そうらん節(北海道)    
佐渡おけさ(新潟)   
会津磐梯山(福島)    
松前追分(北海道)    
田植唄(青森)   
五木の子守唄(熊本)    
大漁節(千葉)    
音戸の舟唄(広島)    
木曽節(長野)    
谷茶前節(沖縄)   
八木節(群馬)   
鹿児島おはら節(鹿児島)   
こきりこ(富山)    
麦打唄(群馬)    
稗つき節(宮崎)   
大漁唄い込み(宮城)   
江戸子守歌(東京)   
阿波踊り(徳島)    
黒田節(熊本)    
おてもやん(熊本)    
お江戸日本橋(東京)   
レント(ソナチネ第2楽章)    
おどり   
子守歌    
日本の初春(フルート、チェロ、ピアノのための三重奏曲)   
故郷(熊本マリ編)

ピアノ:熊本マリ

フルート:南部やすか

チェロ:林はるか

録音:2011年10月14日~16日、相模湖交流センター

CD:日本コロムビア COCQ‐84932

 このCDは、戦前生まれ作曲家、奥村一(1925年―1991年)の編曲(作曲)による、ピアノによる日本民謡ピアノ曲集(全22曲)を中心に集成したもの。奥村は流行をいたずらに追うことなく西洋音楽の仕組みの中に日本的情緒を盛り込んだ。熊本マリが奥村作品を知るきっかけとなったのは、シューラ・チェルカスキー(1909年―1995年)のCDであった。絶版となって入手困難な楽譜を、あきらめることなく探し続け、奥村作品の紹介に力を注いできた、熊本マリの10年越しの企画。ピアノの熊本マリは、1975年よりスペイン王立マドリード音楽院で学ぶ。1991年、スペインの作曲家フェデリコ・モンポウ(1893―1987)のピアノ曲全集の録音を完成(世界初)。1993年、モンポウの伝記「ひそやかな音楽」を翻訳。同年、英国王立音楽院よりめざましい演奏活動に功績のあった卒業生にのみ与えられる資格ARAMを贈られた。2008年4月より大阪芸術大学(演奏学科)教授に就任。

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