クラシック音楽 新譜CD情報


2013年3月07日

★サロネンのショスタコーヴィチの未完の歌劇「オランゴ」世界初録音 交響曲第4番とカップリング


ショスタコーヴィチ:歌劇「オランゴ」(プロローグ、第1曲~第11曲)
          :交響曲第4番

指揮:エサ=ペッカ・サロネン

管弦楽:ロサンゼルス・フィルハーモニック

演奏者:ライアン・マッキニー、ジョルダン・ビッシュ、マイケル・ファビアーノ、エウジェン・ブレンコヴァーノ、ユリア・ヴァン・ドーレン、ティムール・ベクボスノフ他

合唱:ロサンゼルス・マスター・コラール

品番:ユニバーサルミュージック(ドイツ・グラモフォン) UCCG-1606(SHM-CD)

録音:2011年12月、ロサンゼルス、ウォルト・ディズニー・コンサート・ホール(ライヴ録音)

 ショスタコーヴィチが1932年に作曲したオペラ「オランゴ」は、プロローグが作曲されたのみで残りは未完に終わった。台本はトルストイとスタルチャコフによって書かれ、台本の素材は、医学実験によって人間と猿のハイブリッドが生まれるというスタルチャコフの作品。半猿半人の主人公という筋は、ロシアの生物学者であるイリヤ・イワノフが行った人間と他の霊長類との融合の試みからインスピレーションを得たとされる。「オランゴ」という題名は、オランウータンを指すらしい。2004年に残りのピアノスケッチの草稿が発見され、英国の作曲家ジェラルド·マクバーニーがオーケストレーションを行い、2011年12月2日にエサ=ペッカ・サロネン指揮ロサンジェルス・フィルハーモニックによって初演された。交響曲第4番は、ショスタコーヴィチの全15曲の交響曲の中でも最大の編成であり、技術的に最も演奏至難な曲。ショスタコーヴィチ自身、それまでの集大成として作曲したという。

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2013年3月05日

★バレンボイムの秘蔵っ子アリサ・ワイラースタインのデビューアルバム<エリオット・カーター追悼>


エルガー:チェロ協奏曲
カーター:チェロ協奏曲
ブルッフ:コル・ニドライ

チェロ:アリサ・ワイラースタイン

指揮:ダニエル・バレンボイム

管弦楽団:シュターツカペレ・ベルリン

CD:ユニバーサルミュージック(デッカ) UCCD-1371(国内盤のみSHM-CD)

録音:2012年4月2,3,5日(エルガー)、2012年9月15,18日(カーター、ブルッフ)、ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ録音)
 
 今回の録音はバレンボイムが手兵を従え、ベルリンで録音されたもの。アリサ・ワイラースタインは、1982年生まれのアメリカ人女流チェリスト。13歳でクリーヴランド管弦楽団と共演し本格的にデビュー。その後、数々のメジャー・オーケストラと共演し、その活躍ぶりが指揮者ダニエル・バレンボイムの目にとまり、2010年5月にはベルリン・フィルのヨーロッパ・コンサートに同行し、ダニエル・バレンボイムと共にエルガーのチェロ協奏曲を共演して大絶賛された。

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2013年3月04日

★若きマエストロ ヤニック・ネゼ=セガンのチャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」


チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
         :ヴァイオリンとピアノのための「ロマンス」

指揮:ヤニック・ネゼ=セガン

ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団

ヴァイオリン:リサ・バティアシュヴィリ

ピアノ:ヤニック・ネゼ=セガン

CD: ユニバーサル ミュージック(ドイツグラモフォン)

 カナダ出身の若きマエストロ、ヤニック・ネゼ=セガンのDG第2弾アルバム。チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」と リサ・バティアシュヴィリのヴァイオリンとヤニック・ネゼ=セガンのピアノでチャイコフスキー:ヴァイオリンとピアノのための「ロマンス」を収録。ヤニック・ネゼ=セガン(1975年生まれ)は、カナダの指揮者。2000年にはモントリオール・オペラの音楽アドバイザーとグラン・モントリオール・メトロポリタン管弦楽団の首席指揮者並びに芸術監督に就任。2005年頃からヨーロッパでの指揮活動も盛んに行う。2008年からロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督およびロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者に就任している。また2012年からは、フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督に就任。

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2013年3月01日

★アレクサンドル・タローの「屋根の上の牛」―1920年代のスウィンギング・パリ


作曲:ガーシュウィン/ラヴェル/ヴィエネール/コール・ポーター/ミヨー他

ショピナータ
私の彼氏
そうです、あれが僕の愛しい人
ドゥ・イット・アゲイン
ハンガリア
レッツ・ドゥ・イット
ドール・ダンス
無器用な私
ブルー・リヴァー
ホワイ・ドゥ・アイ・ラヴ・ユー?
ア・リトル・スロー・フォックス・ウィズ・メアリー
カヴァキーニョ
ポピー・コック
ブルース
イゾルディーナ
ブルース・シャンテ
ゴナ・ゲット・ア・ガール
アンリ、なんで女が嫌いなんだい?
フラッテリーニのタンゴ
5時(ファイヴ・オ・クロック)
キャラメル・ムー(柔らかいキャラメル)
ハーレム
カレジエイト
ジョージアンズ・ブルース
セントルイス・ブルース
クレメンツ・チャールストン

ピアノ:アレクサンドル・タロー

演奏: ジュリエット, ベナバール, ナタリー・デセイ, ギヨーム・ガリエンヌ他

CD: EMIミュージックジャパン TOCE-90253

 ピアノのアレクサンドル・タローは、1968年生まれ。パリ国立高等音楽院卒業。1989年のミュンヘン国際コンクールで第2位を獲得、以来国際的な演奏活動を展開し、現代フランスを代表するピアニストの一人。特に優れたCD録音が注目を集めている。近年はハルモニア・ムンディのアーティストとしてフランス作品を中心に数々の録音をリリース、ラモーの「新クラヴサン組曲」は非常に高い評価を得ており、ラヴェルのピアノ作品全集(世界初録音2作品を含む)は2003年ア カデミー・シャルル・クロ・グランプリ、ディアパソン金賞を受賞した。このCDは、1920年代パリの「屋根の上の牛」という伝説的キャバレーの世界観をモチーフにしたコンセプチュアル・アルバム。

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2013年2月28日

★ブッフビンダー&アーノンクールのモーツァルト:ピアノ協奏曲第25番/第23番


モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番/第23番

フォルテピアノ:ルドルフ・ブッフビンダー

指揮:ニコラウス・アーノンクール

管弦楽:ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(オリジナル楽器使用)

録音:2012年6月、ウィーン、ムジークフェラインザール(ライヴ録音)

CD:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

 ルドルフ・ブッフビンダー(1946年生まれ)は、オーストリアのピアニスト。5歳でウィーン国立音楽大学に入学して8歳でマスタークラスを履修する(同大学の最年少記録)。9歳で最初の公開演奏会を開く。1966年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール特別賞、1967年ベートーヴェン・ピアノコンクールに1等賞を受賞。とりわけベートーヴェンの専門家として名高い。このアルバムは2012年6月、ウィーン芸術週間でのライヴ・レコーディング。共演はニコラウス・アーノンクール指揮するオリジナル楽器オーケストラ、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(COM)。ブッフビンダーは、フォルテピアノでの演奏。

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2013年2月26日

★フランチェスコ・トリスターノのブクステフーデ&バッハ&自作


ブクステフーデ:トッカータ BuxWV165/カンツォーナ BuxWV168/カンツォーBuxWV173/
          シャコンヌ BuxWV160/アリア「ラ・カプリッチョーサ」と32の変奏BuxWV250 

バッハ:第30変奏(1段鍵盤)クオドリベット (ゴルトベルク変奏曲 BWV988から)

トリスターノ:ロング・ウォーク

バッハ:アリア(ゴルトベルク変奏曲 BWV988から)

トリスターノ:グラウンド・バス

       :HIGASHI (日本盤のみのボーナス・トラック)

ピアノ&エレクトロニクス:フランチェスコ・トリスターノ

録音:2012年3月、京都コンサートホール

CD:ユニバーサル ミュージック クラシック(ドイツ・グラモフォン) UCCG-1600(SHM-CD)

 フランチェスコ・トリスターノ(1981年生まれ)は、ルクセンブルクのピアニスト。2000年(19歳)にデビューを果たす。2004年、フランスのオルレアンで開催された20世紀音楽国際ピアノコンクールで優勝。1998年、ジュリアード音楽院へと入学。現在はバルセロナを拠点にヨーロッパを中心として活動。クラシックに加えてテクノの曲をピアノで演奏することでも知られる。このCDは、トリスターノの京都レコーディングによるDGレーベル第2弾アルバム。YAMAHAのCFXコンサート・グランドで、バッハと、バッハが憧れたディートリヒ・ブクステフーデ、そして自作を演奏。

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2013年2月25日

★福田進一のギターによるピアソラ・アルバム


ピアソラ:アディオス・ノニーノ(藤井敬吾編)
     タンゴ組曲 No.1~No.3
     天使のミロンガ(B.ベニーテス編)
     タンゴの歴史(ボーデル1900/カフェ1930/ナイトクラブ1960/現代のコンサート)
     チキリン・デ・バチン(藤井敬吾編)
     ブエノスアイレスの冬(S.アサド編)
     天使の死(L.ブローウェル編)
     忘却(オブリヴィオン)(飯泉昌宏編)
     ブエノスアイレスの春(B.ベニーテス編)

ギター:福田進一

ギター:エドゥアルド・フェルナンデス
フルート:高木綾子
ハーモニカ:和谷泰扶

CD:日本コロムビア COCQ‐84990

 福田進一(1955年生まれ) は、日本のクラシックギター奏者。大阪府出身。上宮高等学校卒業後パリに留学、エコール・ノルマル音楽院に入学し、同音楽院を首席で卒業。1981年にパリ国際ギターコンクールで優勝。現在、日本を代表するギタリストとして活躍。2012年、芸術選奨文部科学大臣賞音楽部門受賞。大阪音楽大学客員教授。このCDは、ピアソラ没後20周年を記念してリリースするギターによるピアソラ・アルバム。福田進一がこれまでコロムビアの複数のアルバムに残したピアソラ楽曲を集め、さらに今回これに5曲の新録音を追加したもの。

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2013年2月22日

★ウィーン・フィルのメンバーによる“モーツァルティステン”のハイドン、モーツァルト、シューベルト


ハイドン:交響曲 第101番「時計」
モーツァルト:弦楽のためのアダージョとフーガK.546
シューベルト:交響曲第5番

指揮:ハンス・ペーター・オクセンホファー

管弦楽:フィルハーモニック・アンサンブル・ウィーン“モーツァルティステン”

録音:2009年5月~6月、ウィーン:スタジオ・バウムガルテン

DVD(ブルーレイディスク):カメラータ・トウキョウ CMBDM-80002(高音質と静止画のみを収録)

 フィルハーモニック・アンサンブル・ウィーン“モーツァルティステン”は、2005年に、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーを中心に結成された室内オーケストラ。音楽監督・指揮は自らもウィーン・フィルのヴィオラ奏者で、ウィーン弦楽四重奏団のメンバーとしても活躍するハンス・ペーター・オクセンホファー。このCDでは、ウィーンゆかりの作曲家、ハイドン、モーツァルト、シューベルトを演奏。ブルーレイディスクにより24bit/96kHzリニアPCMの高音質録音と静止画を収録してある。

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2013年2月21日

★時代に埋もれてしまった作曲家アゴスティーノ・ステッファーニのオペラ・アリア集を世界最高のメゾ・ソプラノ:バルトリが歌う


負け知らずの軍勢よ、遅れるでない(アラリーコ)(《バルトの王アラリーコ》から)
どの心も希望を持つことを許される(ターナクイル)(《セルヴィオ・トゥッリ》から)
わたしはどこに?誰がわたしを助けてくれよう?…わたしの胸から、涙よ(アンフィオーネ)(《テーベの王妃ニーオベ》から) 
もはやあなたたちを隠しませんよ(ロトルーデ)(《タッシローネ》から) 
私を愛してくださいませ(ニーオベ)(《テーベの王妃ニーオベ》から)
貴女を抱擁しよう、わが女神よ…貴方を抱きしめましょう、私の神さま(クレオンテ、ニーオベ)(《テーベの王妃ニーオベ》から)
我が忠実なる軍勢よ、武器を取れ!(ヤルバ、ヤルバの将官たち)(《運命のたび重なる勝利》から)~ 鳴れよ、轟けよ、揺れよ、地は(エルタ)(《アルミーニオ》から) 
妻よ、気が遠くなっていくようだ…どうか、しないでほしい、そなたの涙で(タッシローネ)(《タッシローネ》から) 
わたしは忠告を受け入れぬ(エルモラーオ)(《アレッサンドロの誇り》から) 
そう、そうですわ、休息なさいませ、愛しのお方…またたく美しい(サビーナ)(《バルトの王アラリーコ》から)
盲目の神の味方なる夜よ(アルチビーアデ)(《満たされた自由》から) 
この魂に戦いを挑む(エネーア、ラヴィーニア)(《運命のたび重なる勝利》から) 
容易に得られる勝利へと(シガルド)(《タッシローネ》から) 
戦いと勝利のなか(アレッサンドロと合唱)(《アレッサンドロの誇り》から)
闇を呼ぶ黄昏よ(アスパージア)(《満たされた自由》から)
疲れた精神の緊張を和らげるため…慕わしい天球よ、さあ唇に与えたまえ(アンフィオーネ)(《テーベの王妃ニーオベ》から)
最も恐ろしい角蛇(つのへび)を(アルチーデ)(《エルコレのアケローオとの闘い》から) 
晴れやかにしておくれ、わたしの美しい太陽よ…あなたの腕の中にもどり…わたしの愛の炎よ(アンフィオーネ、ニーオベ)(《テーベの王妃ニーオベ》から) 
そなたの唇を通し、愛はわたしに呼びかける(タッシローネ)(《タッシローネ》から)
どうか、もう飽きて、運命よ(アスパージア)(《満たされた自由》から) 
血を流せ、思い悩め、戦え、懸命になれ(アルチビーアデ)(《満たされた自由》から)
父君、もし彼に咎があるとしても(ロトルーデ)(《タッシローネ》から) 
不安よ、激昂よ(アタランタ、メレアーグロ、合唱)(《和に至った好敵手同士の女》から) 
わたしは破壊と虐殺のなかで死ぬことになろう(エンリーコ)(《エンリーコ・レオーネ》から) 
語られることのないよう、忠誠についてのほか(合唱)(《マルコ・アウレーリオ》から)

メゾ・ソプラノ:チェチーリア・バルトリ

指揮者:ディエゴ・ファソリス

管弦楽:イ・バロッキスティ

リュート:ロザリオ・コンテ

カウンターテノール:フィリップ・ジャルスキー

合唱:スイス・イタリア語放送合唱団

録音:2011年11月-2012年3月、ルガーノ:スイス・イタリア語放送、オーディトリオ・ステリオ・モロ

CD:ユニバーサルミュージック(デッカ) UCCD-1360

 1654年生まれのイタリア・ドイツの作曲家アゴスティーノ・ステッファーニ。生前は作曲家としてだけではなく、聖職者や外交官としても活躍し、当時としては斬新な作曲技法を用い、同時代の劇音楽に大きな影響を与えた。時代の波と共に忘れ去られてしまった彼の作品をバルトリが再び発掘。今回20曲が世界初録音となった。謎が多く波乱の人生を歩んだステッファーニの音楽を、バルトリが見事に蘇らせたアルバム。チェチーリア・バルトリ(1966年生まれ)は、イタリア人のメゾソプラノ歌手で、現役のメゾソプラノ歌手の中で最高の一人。聖チェチーリア音楽院で学ぶ。バレンボイムやニコラウス・アーノンクールと共演しながら、国際的なキャリアを積む。1990年には、カラヤン指揮でバッハのミサ曲ロ短調に参加した後、急速に活動を広げた。1996年、バルトリはコジ・ファン・トゥッテのデスピーナ役でメトロポリタン歌劇場へのデビューを果たした。

 

 
 

 

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2013年2月19日

★スペインの天才トランペット奏者ルベン・シメオによる“ヴィルトゥオーゾ・バロック”


マルチェッロ:トランペット協奏曲 ヴィヴァルディ:トランペット協奏曲ハ長調/変イ長調
ハイドン:トランペット協奏曲
ヴィヴァルディ/バッハ:トランペット協奏曲
タルティーニ:トランペット協奏曲

ピッコロ・トランペット:ルベン・シメオ

オルガン:アレホ・アモエド

録音:2011年9月、ポルト

CD:エイベックス・クラシックス AVCL-25772

 ルベン・シメオは、スペインの天才トランペット奏者。2012年2月に亡くなったモーリス・アンドレの最晩年唯一の弟子。ピッコロ・トランペットとオルガンによるバロック音楽、それは師モーリス・アンドレの十八番。ピッコロトランペットは、トランペットの一種で、19世紀末に、主にバロック期の曲を演奏するために考案された。バッハやヘンデルの祝典的な宗教音楽に良く用いられるのでバッハ・トランペット、小トランペットなどとも呼ばれている。ラヴェルの「ボレロ」やストラヴィンスキーの「春の祭典」ではこの楽器で高音部を演奏する。

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