2012年7月09日

マーラー:交響曲第9番
指揮:秋山和慶
管弦楽:九州交響楽団
録音:2011年11月10日、アクロス福岡シンフォニーホール(ライヴ録音)
CD:フォンテック FOCD6021~2(2CD)
マーラーの没後100年を記念した、九州交響楽団第313回定期公演ライヴ録音。前作CD「交響曲第1番」で、若きマーラーの溢れんばかりのロマンを見事表出した秋山&九響の第2弾。秋山和慶は、1984年に、恩師・齋藤秀雄を偲んで小澤征爾と供に「齋藤秀雄メモリアルコンサート」を開催。このコンサートがサイトウ・キネン・オーケストラの発足につながったという。2001年に紫綬褒章を、2011年には旭日小綬章を受賞している。
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2012年7月03日

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」
:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
:ピアノ・ソナタ第26番「告別」
:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
ピアノ:ルドルフ・ブッフビンダー
CD:ソニー・ミュージック・ジャパン SICC-1551(RCAレッドシール)
ルドルフ・ブッフビンダーは、「ピアニストと言えば“ルディ”」と言われるほど、クラシック音楽の本場ウィーンで最も愛されている名ピアニスト。ハイドンからブラームスにいたるドイツ・オーストリアのピアノ音楽、中でも特にベートーヴェン作品の演奏解釈で世界的に高く評価され、1980年代にはピアノ・ソナタ全曲を含むピアノ作品を録音している。日本にもたびたび来日を重ね、N響定期のソリストで来日した時はソールド・アウトになるほどの人気ぶり。どうアルバムは、最初の全集録音から四半世紀を経て、ドレスデンのゼンパーオーパーでのライヴ・レコーディングをもとに2011年に完成させた二度目の全集から、ブッフビンダー自身が日本のファンのために選曲したもので、有名なタイトル付き4大ソナタを1枚に収録。
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2012年6月29日


ハンス・ロット:交響曲第1番
:管弦楽のための組曲
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
管弦楽:フランクフルト放送交響楽団
CD:ソニー・ミュージック・ジャパン SICC-1537
マーラーのウィーン音楽院時代の友人であり、狂気のうちに26歳で夭逝したオーストリアの作曲家、ハンス・ロットの交響曲第1番。「ブルックナーとマーラーをつなぐミッシング・リンク」とも称され、19世紀末ウィーンに渦巻いていた後期ロマン派の爛熟を宿した大作である。現在絶好調のパーヴォ・ヤルヴィがフランクフルト放送響の豊かなソノリティを駆使して、作品に内包するドラマや軋みを緻密に、かつ劇的に描き出す。同時に世界初録音となる「管弦楽のための組曲 変ロ長調」をカップリング。非業の最期を遂げたロットに対し、マーラーはその天才ぶりを「彼と僕とは同じ土壌に生え、同じ空気を吸って育った樹の異果みたいなものだ」と称賛したが、惜しむらくは、ロットは繊細すぎた。マーラーのようにがむしゃらに権力を得てウィーン宮廷歌劇場の音楽監督にのぼりつめるような手練手管もなく、ブラームスからまさにこの交響曲を酷評されたことでひどく憔悴し、失意から脱することが結局できないまま、最終的には神経を病んで精神病院で生涯を終えた。
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2012年6月26日

エンリケ・グラナドス:わら人形
組曲「ゴイェスカス ─恋に落ちたふたり─」
・愛の言葉
・窓辺の語らい
・炎のファンダンゴ
・嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす
・愛と死:バラード
・エピローグ:幽霊のセレナータ
ピアノ:松村未英
録音:MCOスタジオ(オランダ・ヒルフェルスム)、2009年10月、TYサポート・プログラム助成CD
CD:コジマ録音 ALCD-9121
人間の心に潜む闇をも鋭くえぐり出すゴヤの絵画に衝撃を受け、グラナドスが書き上げた組曲「ゴイェスカス」。スペイン語で「ゴヤ風」を意味するタイトルを持つこの作品を「愛の告白から始まりやがて死を迎える二人の恋人を巡る一連のストーリー」と捉えるピアニスト松村未英は、通常は組曲の後に演奏される「わら人形」は、二人の出会いを表すが故に組曲の前に弾かれるべきだと解釈する。松村未英は、スペインに住み、スペイン音楽のスペシャリストとして現地でも評価の高い実力派ピアニスト。3歳よりピアノを始め、堀川高校音楽科(現・京都堀川音楽高校)卒業。米国インディアナ大学を経てニューヨーク・ロチェスター大学イーストマン音楽大学、並びに大学院で学士、修士号修得する。2004年よりスペイン在住。以来、ファリャ、アルベニス、グラナドスを始めとする“ナショナリスト”と呼ばれるスペインの作曲家の作品を研究。2011年11月にはマドリッドの国立音楽堂において初の日本人として登場。また外国人では初めてオール・スペイン・プログラムの演奏会を行い、絶賛を博した。現在、スペイン国営ラジオや雑誌等に度々出演するなど精力的に活動している。
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2012年6月22日

R.シュトラウス:セレナード Op.17-2
レンツさん Op.37-5
私はあなたを愛する Op.37-2
懐かしい面影 Op.48-1
4つの歌 Op.27 – 第1番 憩え、わが心
第2番 ツェツィーリエ
第3番 ひそやかな誘い
第4番 明日の朝
8つの歌 Op.10 – 第1番 献呈
第2番 何もなく
第3番 夜
第4番 ダリア
第5番 待ちわびて
第6番 もの言わぬ花
第7番 サフラン
第8番 万霊節
はすの花びらより6つの歌 Op.19 – 第1番 おとめよ、それが何の役に立つというのか
第2番 あなたの黒髪を私の前に広げてください
第3番 美しく、しかし冷たい空の星よ
第4番 二人の秘密をなぜ隠すのか
第5番 希望と失望
第6番 私の心は沈黙し冷える
解き放たれて Op.39-4
テノール:ダニエル・ベーレ
ピアノ:オリヴァー・シュナイダー
録音 2010年9月13-15日,2011年4月3日 チューリヒ、放送スタジオ
レーベル: NJ‐C5110(CAPRICCIO)
ドイツの若手テノール、ダニエル・ベーレ。「魔笛」のタミーノで一躍有名になり、今や飛ぶ鳥をも落とす勢いで活躍する期待の人。2年間に相次いで4枚のCDをリリース、シューマン、シューベルト、ベートーヴェンと言ったドイツ・リートの王道や、イギリス歌曲など、レパートリーも広げているが、今作ではR.シュトラウスの華麗で濃厚な音楽を紐解いてくれる。
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2012年6月19日

ブルックナー:交響曲第9番(第4楽章付) SPCM補筆完成2012年版
指揮:サイモン・ラトル
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
CD:EMIミュージック・ジャパン TOGE-11092~93(SACDハイブリッド2枚組)
ブルックナーは、死の直前まで交響曲第9番に携わり、1896年に死去した時には、第4楽章を作曲している途中であった。残されたスケッチを基に完成が試みられ、これまでにも複数の完成版が発表されている。今回使用される「サマーレ、フィリップス、コールス、マッズーカ(SPCM)版」は、そのなかでも最も学究性が高いクリティカル・エディション。4人の音楽学者・作曲家が25年以上の歳月をかけて復元し、2010年にさらに改訂が行なわれた。補筆版の終楽章は計647小節に至り、そのうち208小節は、ブルックナーにより完全に作曲されている。これに個々の弦楽パート、管楽器のスケッチが加わるが、37小節分のみが研究者の純粋な創作。ラトルは「このフィナーレで奇妙な個所は、すべてブルックナー自身の手によるもの。ここには、彼が当時体験した脅威、恐れ、感情のすべてが現われている」(ベルリン・フィル・サイトより)と語っている。
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2012年6月18日

モーツァルト:レクイエム ニ短調K.626(チェルニーによるピアノ独奏用編曲版)
ピアノ:小川京子
録音:2012年3月15日、和光市民文化センター
CD:ナミ・レコード WWCC-7698
チェルニーはピアノ教則本で有名で、ベートーヴェンの弟子であり、リストの先生でもあった。チェルニーは、モーツァルト:レクイエムを、ピアノ独奏用とピアノ連弾用に編曲している。両編曲版とも長く忘れ去られていたが、1960年代に海老澤氏が楽譜を入手。独奏版の全曲演奏の正式な日本初演は2011年に行われた。「チェルニーのピアノ版は、モーツァルトの精神における芸術作品であって、原曲版の控え目な代用品ではない」(ヴィーン楽友協会資料館館長オットー・ビーバ)という曲の全貌が明らかにされる。ピアノの小川京子は、東京芸大を経てウィーン国立音大に学ぶ。知られざる作品の日本初演や楽譜の出版を多く手がけている。
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2012年6月15日

作曲者:ドメニコーニ 、テオドラキス、 タルレガ、リョベート, グラナドス他
<ディスク:1>
アストゥリアス(伝説) 「スペイン組曲」作品47から第5曲
アルハンブラの思い出
セビーリャ(セビリャーナス) 「スペイン組曲」から第3曲
ラグリマ(涙)
ロマンス
アデリータ
グラナダ(セレナータ)「スペイン組曲」から第1曲
「コユンババ」作品19 第1曲:Moderato/第2曲:Mosso/第3曲:Cantabile
<ディスク:2>
ドキュメンタリー:ミロシュ-「ジャーニー」
アストゥリアス (抜粋) (クリップ集)
アルハンブラの思い出 (クリップ集)
ラグリマ (クリップ集)
ロマンス (クリップ集)
グラナダ (抜粋) (クリップ集)
「コユンババ」からプレスト (クリップ集)
ギター:ミロシュ
指揮: ポール・ワトキンス
管弦楽:イギリス室内管弦楽団
録音:2010年10月&12月、ロンドン
CD:ユニバーサル ミュージック クラシック UCCG-9989 (初回限定盤:DVD付)/UCCG-1572(通常盤)<日本盤のみSHM-CD仕様>
ギターのミロシュは、1983年、モンテネグロに生まれ。8歳でギターを始め、わずか6カ月で音楽学校のギター教師が教えられることの全てをマスターし、9歳で公開演奏、11歳でモンテネグロ音楽コンクールに優勝。16歳のとき、イギリスの名門、王立音楽院で学び、2004年、クラスの最年少にもかかわらず王立音楽院を首席で卒業。さらに、同音楽院修士課程で2年間研鑽を積み、卒業リサイタルで最優秀賞を獲得。イギリスのクラシカル・チャート(CDとダウンロード)で22週間第1位独占。2011年、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリアで最も売れたクラシック新人アーティスト。アメリカ、ビルボード・クラシカル・トラディショナル・チャート第2位。オーストラリア・クラシカル・チャートで第2位。
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2012年6月12日

シューマン:交響曲第4番[初稿]
メンデルスゾーン:交響曲第1番
指揮:トーマス・ヘンゲルブロック
管弦楽:北ドイツ放送交響楽団
CD:SONY CLASSICAL SICC-1503
2011年秋から名門北ドイツ放送響首席指揮者に就任し、その充実した演奏でドイツ音楽界にセンセーションを巻き起こしている指揮者トーマス・ヘンゲルブロック。北ドイツ放送響との録音プロジェクトの第1弾となるのが、ドイツ・ロマン派のシューマンとメンデルスゾーンの交響曲2曲を収めた2011年3月収録のこのアルバム。メンデルスゾーン:交響曲第1番は、15歳のときに書きあげられた、その若々しい筆致と躍動感あふれる曲調が特色。シューマンの交響曲第4番は、作曲家の最初の霊感を刻み込んだ初稿版で演奏し、作品にあふれる幻想的なロマンティシズムをドラマティックに音化。
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2012年6月11日

バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番
テレマン:「無伴奏フルートのための12のファンタジー」より第4番/第5番/第6番/第7番
トマジ:エヴォカシオン
ボザ:カプリス
オズボーン:ラプソディ
高橋悠治:Embers/残り火(2009)
バリトン・サクソフォン:栃尾克樹
CD:マイスター・ミュージック MM‐2115
バリトン・サクソフォンの可能性を追求した1枚。テレマン:「無伴奏フルートのための12のファンタジー」を、違和感なくバリトン・サクソフォンで演奏する驚くべきテクニック。おそらく世界初となる、バリトン・サクソフォンによる無伴奏作品集の登場。バリトンならではの「深く、なめらか」な響きに、高い機動性と歌心が加わった演奏。
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