クラシック音楽 新譜CD情報


2023年3月09日

★鈴木美登里主宰声楽アンサンブル「ラ・フォンテヴェルデ」による日本初のモンテヴェルディのマドリガーレ全集が完成 


<CD1>

モンテヴェルディ:マドリガーレ集第9巻「2声と3声のマドリガーレとカンツォネッタ」(1651)

          すてきな羊飼いさん
          西風が戻り
          誰も私に忠告しないように
          愛の神は常に、楽しんでもよいと
          お前の胸に
          愛したくない
          今日、そよ風はなんと甘く
          踊りへ、喜びへ、楽しみへ
          なぜ、僕を嫌ってたのに
          そう、可愛らしく美しい
          ほらほら、幼く愛らしい羊飼いたちよ
          愛する人よ、命の人よ

演奏:ラ・フォンテヴェルデ

     鈴木美登里・染谷熱子(ソプラノ)
     布施奈緒子(メゾ・ソプラノ)
     上杉清仁(カウンターテナー)
     谷口洋介・中嶋克彦(テノール)
     小笠原美敬(バス)
     金子浩(リュート/バロック・ギター)
     伊藤美恵(バロック・ハープ)
     上尾直毅(チェンバロ)

<CD2>

「薄情な女たちのバッロ」~マドリガーレ集第8巻「戦いと愛のマドリガーレ」(1638)より

プルート:小笠原美敬
ヴィーナス:鈴木美登里
愛の神:染谷熱子
薄情な女:森川郁子
地獄の霊たち:上杉清仁、谷口洋介、中嶋克彦、小笠原美敬
4人の薄情な女たち:森川郁子、染谷熱子、鈴木美登里、上杉清仁

若松夏美・荒木優子(ヴァイオリン)
成田寛・佐藤駿太(ヴィオラ)
山本徹(チェロ)
西澤誠治(ヴィオローネ)
金子浩(リュート)
伊藤美恵(バロック・ハープ)
上尾直毅(チェンバロ/オルガン)

CD:キングインターナショナル(Arte dell’arco) ADJ069

 鈴木美登里を中心に結成された本格派声楽アンサンブル「ラ・フォンテヴェルデ」による日本初のモンテヴェルディのマドリガーレ全集が完成。6年の歳月をかけたモンテヴェルディのマドリガーレ全集、そのアルバム最終章はマドリガーレ集第9巻「2声と3声のマドリガーレとカンツォネッタ」と第8巻「戦いと愛のマドリガーレ」より「薄情な女たちのバッロ」を収録。

 ソプラノの鈴木美登里は、京都市立芸術大学声楽科及び同大学院修了。京都音楽協会賞受賞。在学中より興味を抱いていた古楽の研鑽を深めるため、兵庫県芸術文化海外留学助成金を受けオランダに留学。アムステルダム古楽アカデミーにおいてバロック期の声楽曲をM.vanエグモント氏に、ブラバント音楽院において、グレゴリオ聖歌からバロック期に至る声楽アンサンブルをR.スチュワート女史に師事。ディプロマを取得して卒業。2000年に帰国してからは、特に初期バロック期のソロ声楽曲やマドリガーレの研究に力を注ぎ、2002年にはルネサンス~初期バロックのマドリガーレをレパートリーとする声楽アンサンブ「ラ・フォンテヴェルデ(La Fonteverde)」を結成。コンサートや講習会など積極的な活動を展開している。

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2023年3月06日

★アンドラーシュ・シフによる全編クラヴィコードによるバッハ作品集


<CD 1>

バッハ:カプリッチョ《最愛の兄の旅立ちに寄せて》BWV992
    インヴェンション BWV772-786
    4つのデュエットBWV802-805
    3声のリチェルカーレ~《音楽の捧げもの》BWV 1079より

<CD 2>

バッハ:シンフォニア BWV787-801
    半音階的幻想曲とフーガ BWV903

クラヴィコード:アンドラーシュ・シフ

CD:ユニバーサルミュージック UCCE-2100~1(2枚組)

 今回の録音では、ベルギーの楽器職人ヨリス・ポトフリーへが製作した、1743年製スペッケンのレプリカのクラヴィコードを演奏。録音は独ボンのベートーヴェン・ハウスの室内楽ホールで行われた。

 ピアノのアンドラーシュ・シフ(1953年生まれ)は、ハンガリー出身。リスト・フェレンツ音楽大学で学ぶ。1975年「リーズ国際コンクール」第3位入賞。1991年「バルトーク賞」受賞。1996年ハンガリー最高の栄誉である「コシュート賞」受賞。室内オーケストラ「カペラ・アンドレア・バルカ」の創設者/指揮者である。夫人はヴァイオリニストの塩川悠子。2014年イギリスのエリザベス女王よりナイトの爵位を授与された。 2022年6月に独ライプツィヒ市よりバッハ作品の普及に貢献した者に贈られる「バッハ・メダル」を授与された。

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2023年3月02日

★ケラス&タローの共演によるマラン・マレ(1656年~1728年)作品集


マラン・マレ:プレリュード(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       ガヴォット(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       ミュゼット(ヴィオール曲集第4巻、組曲イ短調より)
       スペインのフォリアのクプレ(ヴィオール曲集第2巻より)
       ラ・レヴーズ(夢、夢想、夢見る女)(ヴィオール曲集第4巻、異国趣味の組曲より)
       ファンタジー(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       グラン・バレ(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       サラバンド(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       膀胱結石手術図(ヴィオール曲集第5巻)
       クーラント(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       作者不詳(伝:マラン・マレ):Les Regrets(後悔)
                         (ヴィオール曲集第2巻 組曲ホ短調より)
       プレリュード(ヴィオール曲集第2巻 組曲ニ短調より)
       サラバンド・グラーヴ(ヴィオール曲集第2巻 組曲ニ短調より)
       きわめて速く-遅く(マレ風ソナタ)
       ル・バディナージュ(ヴィオール曲集第4巻、異国趣味の組曲より)
                          [ピアノ・ソロ編曲]
       ジグ – ドゥーブル(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)
       アルマンド(ヴィオール曲集第3巻 組曲イ短調より)

チェロ:ジャン=ギアン・ケラス

ピアノ:アレクサンドル・タロー

膀胱結石手術図の患者役:ギョーム・ガリエンヌ(コメディ・フランセーズ会員)

CD:キングインターナショナル KKC6623

 マラン・マレー(1656年―1728年)は、フランスの作曲家、指揮者、バス・ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者。幼少の頃から音楽の才能を認められて、1667年にはパリ第一の音楽教育機関だったサン=ジェルマン=ロクセロワ教会の聖歌隊に入り、1672年までフランソワ・シャプロンなどのもとに教育を受ける。聖歌隊を出た後、ヴィオールをサント=コロンブなどに師事して、名手として知られるようになり、1676年にはパリのオペラ、そして1679年8月1日からはルイ14世の宮廷のヴィオール奏者に任命された。また作曲家としての名声も高く、1693年に最初のオペラ「アルシード」を発表してからは、パリのオペラの作曲家、そして後には指揮者としても成功をおさめている。晩年にはまた、ヴィオールの優れた教師として知られた。

 チェロのジャン=ギアン・ケラス(1967年生まれ)は、カナダ、モントリオール出身。マノスクでクレール・ラビエ、リヨンでレーヌ・フラショ、フライブルクでクリストフ・ヘンケル、ニューヨークでティム・エディの各氏にチェロを師事。1990年から2001年まで「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」の首席チェロ奏者を務めた。

 ピアノのアレクサンドル・タロー(1968年生まれ)は、フランス、パリ出身。パリ国立高等音楽院卒業。1989年「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」第2位となり、以来国際的な演奏活動を展開。録音にも力を入れ、特にラモーの「新クラヴサン組曲」は非常に高い評価を得ているほか、ラヴェルのピアノ作品全集は、2003年「アカデミー・シャルル・クロ・グランプリ ディアパソン金賞」を受賞。ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノフェスティバル、BBCプロムス、ルフトハンザ・バロック音楽祭など多くの音楽祭に出演。近年はジャン=ギアン・ケラスとデュオを組み、公演および録音などの活動を行っている。

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2023年2月27日

★ベアトリーチェ・ラナ、クララ・シューマンとロベルト・シューマンのピアノ協奏曲を弾く


クララ・シューマン:ピアノ協奏曲第1番 イ短調 Op.7
ロベルト・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
シューマン=リスト:献呈 S.566

ピアノ:ベアトリーチェ・ラナ

指揮:ヤニック・ネゼ=セガン

管弦楽:ヨーロッパ室内管弦楽団

CD:ワーナーミュージックジャパン 5419.729625

 ピアノのベアトリーチェ・ラナ(1993年生まれ)はイタリア、コペルティーノ出身。4歳でピアノの勉強を始め、 9歳でバッハのピアノ協奏曲ヘ短調を演奏してオーケストラ・デビューを果たす。 モノポリのニーノ・ロータ音楽院でベネデット・ルポに、ドイツのハノーバーにあるハノーバー音楽演劇団のハノーバー音楽演劇でアリエ・ヴァルディに師事。2011年「モントリオール国際ピアノコンクール」優勝および特別審査員賞受賞。2013年「ヴァンクリバーン国際ピアノコンクール」銀賞受賞。

 指揮のヤニック・ネゼ=セガン(1975年生まれ)はカナダ出身。ケベック音楽院モントリオール校とプリンストンのウェストミンスター・クワイヤー・カレッジで学ぶ。19歳でモントリオール・ポリフォニー合唱団の監督に就任。モントリオール・オペラの合唱指揮者も務めた。グラン・モントリオール・メトロポリタン管弦楽団首席指揮者並びに芸術監督、カーティス音楽院メンター・コンダクター、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者を歴任。2012年フィラデルフィア管弦楽団音楽監督、2018年メトロポリタン歌劇場音楽監督に就任し、現在に至る。

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2023年2月23日

★ピアノの巨匠 アルトゥール・ルービンシュタイン LIVE  第1集


①ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15
   
   ヘンリク・チシ(指揮)
   フランス国立管弦楽団

   録音:1974年3月13日/パリ

②ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83
   
   クリストフ・フォン・ドホナーニ(指揮)
   ケルン放送交響楽団

   録音:1966年5月23日/チューリッヒ

③モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
   
   ポール・パレー(指揮)
   デトロイト交響楽団

   録音:1960年1月7日/デトロイト

④ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53

   録音:1974年3月13日/パリ

⑤ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
     マズルカ ハ短調 Op.56-3

   録音:1959年10月6日/ロンドン

ピアノ:アルトゥール・ルービンシュタイン

CD:キングインターナショナル(Doremi DHR8195)HMV、タワーレコード

 このCDアルバムは、ピアノの巨匠 ルービンシュタインの珍しいライヴ音源集。聴き応えある協奏曲3曲とショパンの独奏曲を収録。

 ピアノのアルトゥール・ルービンシュタイン(1887年―1982年)は、ポーランド出身。様々な作曲家の作品の演奏行い国際的な名声を博したが、特にショパンの演奏では同時代の最も優れたピアニストと目された。そして、20世紀を代表するピアニストの1人でもあった。ルービンシュタインの演奏家としてのキャリアは80年の長きに及んだ。前半生はヨーロッパで、後半生はアメリカで活躍。ショパン以外では、ブラームスやスペインのピアノ音楽も得意とした。1935年(昭和10年)に初来日し、日比谷公会堂で演奏。また、1966年(昭和41年)に再来日し、武道館で演奏を行った。

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2023年2月20日

★イザベル・ファウストとロト&レ・シエクル、奇跡の共演による至高のストラヴィンスキー


ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」~アポロのヴァリアシオン
          ヴァイオリン協奏曲ニ長調
          弦楽四重奏のための3つの小品
          弦楽四重奏のためのコンチェルティーノ
          パストラール~ヴァイオリン、オーボエ、イングリッシュホルン、
                 クラリネット、バソンのための
          弦楽四重奏のための二重カノン

ヴァイオリン:イザベル・ファウスト

指揮:フランソワ=グザヴィエ・ロト

管弦楽:レ・シエクル

CD:HMM-902718(タワーレコード)

 ヴァイオリンのイザベル・ファウストは、ドイツ出身。1987年アウグスブルクの「レオポルト・モーツァルト・コンクール」、1993年「パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクール」で共に第1位。1997年には、バルトークのソナタのデビュー録音でグラモフォン賞「ヤング・アーティスト・オ ブ・ザ・イヤー」を受賞した。古典作品に加え前衛的なレパートリーも持っており、世界初演も多い。室内楽奏者としても各地の音楽祭に定期的に出演。現在、世界を代表するヴァイオリニストの一人。

 指揮のフランソワ=グザヴィエ・ロト(1971年生まれ)は、フランス、パリ出身。パリ音楽院でフルートと指揮法を学ぶ。 2000年「ドナテッラ・フリック国際指揮者コンクール」優勝。その後、ロンドン交響楽団に補助指揮者として在籍して指揮者としての経験を積む。2003年に革新的オーケストラ「レ・シエクル」(フランス語で全世紀の意味)を結成してその指揮者を務める。2011年から2016年までバーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団の首席指揮者を務めた後、現在、ロンドン交響楽団首席客演指揮者、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団首席指揮者およびケルン市音楽総監督を務めている。

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2023年2月16日

★2023年クレンペラー没後50周年企画 クレンペラー唯一のザルツブルク音楽祭ライヴ


<Disc1>

パーセル:組曲「妖精の女王」(ハロルド・バーンズ編)
ハリス:交響曲第3番(1939)

<Disc2>

マーラー:交響曲第4番ト長調

指揮:オットー・クレンペラー

管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1947年8月24日、ザルツブルク音楽祭(ライヴ録音)、リストア&リマスタリング

CD:キングインターナショナル KKC-4315~6

 このCDは、1973年7月6日に世を去ったクレンペラーの、没後50年の記念として企画された。1947年8月24日、ザルツブルクの祝祭劇場でウィーン・フィルを指揮したコンサートを収録したもので、これがクレンペラー唯一のザルツブルク音楽祭への出演。音源はオーストリア放送協会(ORF)の資料館で最近発見され、スウェーデン放送のトランスクリプション・ディスク(放送用音源)を使用しリリースされた。

 オットー・クレンペラー(1885年―1973年)は、現ポーランド(当時ドイツ領)出身のドイツ人指揮者で、20世紀を代表する指揮者の一人。ロサンゼルス・フィルハーモニック音楽監督、ピッツバーグ交響楽団首席指揮者・音楽監督、フィルハーモニア管弦楽団首席指揮者などを歴任。

 

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2023年2月13日

★パーヴォ・ヤル ヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団のブルックナー:交響曲第8番


ブルックナー:交響曲第8番<1890年第2稿(新全集VIII/2 1955年出版)/ノーヴァク校訂>

指揮:パーヴォ・ヤル

管弦楽:フランクフルト放送交響楽団

CD:ソニーミュージック SICC-10431

 パーヴォ・ヤルヴィがフランクフルト放送交響楽団と共に、自らのライフワークと位置付け、2006~2017年、11年という年月をかけて大切に進めてきたブルックナーの交響曲全10曲の演奏・録音。

 指揮のパーヴォ・ヤルヴィ(1962年生まれ)は、エストニア出身(現在はアメリカ合衆国国籍)。カーティス音楽院で指揮を学び、その後ロサンジェルス・フィルハーモニック音楽学校でレナード・バーンスタインなどに学ぶ。2001年にシンシナティ交響楽団首席指揮者に就任。1995年の初来日以来、日本での演奏も多い。hr交響楽団首席指揮者、パリ管弦楽団首席指揮者、NHK交響楽団首席指揮者を歴任。2004年からドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団芸術監督、2019年からチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団首席指揮者兼音楽監督を務めている。

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2023年2月09日

★ルノー・カプソンとマルタ・アルゲリッチのシューマン、ベートーヴェン、フランク:ヴァイオリン・ソナタ集


シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調 作品105
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47 「クロイツェル」
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調

ヴァイオリン:ルノー・カプソン

ピアノ:マルタ・アルゲリッチ

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45067

 2022年9月に名門レーベルドイツ・グラモフォン(DG)との契約を発表したヴァイオリニスト、ルノー・カプソン。DGアルバム第1弾は、自身が芸術監督を務める「エクスアン・プロヴァンス音楽祭」で、ピアニスト、ニコラ・アンゲリッシュに捧げたリサイタルのライヴ録音。

 ニコラ・アンゲリッシュ(1970年―2022年)は、アメリカ、オハイオ州シンシナティ出身のピアニスト。13歳でパリ国立高等音楽・舞踊学校に留学。1989年「クリーブランド国際ピアノコンクール」第2位、1994年「ジーナ・バッカウアー国際ピアノコンクール」第1位。2004年にはクルト・マズア指揮フランス国立管弦楽団と日本ツアーを行った。2006年には、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン (熱狂の日)音楽祭」に出演。その後もNHK交響楽団でのオーケストラやソロ・リサイタルなど定期的に来日していた。だが、慢性的な肺疾患に侵されていたアンゲリッシュは2021年頃から活動を休止。そのまま回復することなく2022年4月18日、パリの病院にて死去した。51歳の若さだった。

 ヴァイオリンのルノー・カピュソン(1976年生れ)は、フランス、シャンベリ出身。14歳でパリ国立高等音楽院に入学し、室内楽とヴァイオリンのプルミエ・プリを獲得。その後ベルリンでトマス・ブランディスに、続いてアイザック・スターン、シュロモ・ミンツに師事。1998年から2000年までは、クラウディオ・アバードの指名によってマーラー・ユーゲント・オーケストラのコンサートマスターを務めた。モダン楽器のヴァイオリニストではあるが、バロック奏法の影響を受け、さらにフランコ・ベルギー派の伝統も受け継いでいると言われる。自身が創設した「イースター音楽祭」の音楽監督、および「グシュタード冬音楽祭」の音楽監督を務める。弟はチェリストのゴーティエ・カピュソン。

 ピアノのマルタ・アルゲリッチ(1941年生まれ)は、アルゼンチン出身。1955年家族とともにオーストリアに移住し、ウィーン、ザルツブルク、ジュネーヴ、イタリアなどでピアノを学ぶ。1957年「ブゾーニ国際ピアノコンクール」優勝。また、「ジュネーブ国際音楽コンクール」の女性ピアニストの部門においても優勝。1965年「ショパン国際ピアノコンクール」で優勝。その後、徐々に活動の中心をソロ演奏から室内楽に移していく。1990年代に入ると、今度は自身の名を冠した音楽祭やコンクールを開催し、若手の育成に力を入れる。日本においての「別府アルゲリッチ音楽祭」の取り組みなどが高く評価され、第17回「高松宮殿下記念世界文化賞」(音楽部門)受賞、「旭日小綬章」受章するなど、日本とのかかわりは深い。2007年「別府アルゲリッチ音楽祭」の主催団体であるアルゲリッチ芸術振興財団の総裁に自ら就任し、1998年以降は「別府アルゲリッチ音楽祭」のため毎年来日している。

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2023年2月06日

★葵トリオ ”ライヴ at 紀尾井ホール2022” シューマン:ピアノ三重奏曲第1番/シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番


シューマン:ピアノ三重奏曲第1番
シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番

ピアノ三重奏:葵トリオ

         ヴァイオリン:小川響子
         チェロ:伊東裕
         ピアノ:秋元孝介

録音:2022年3月16日、紀尾井ホール(ライヴ録音)

CD:ナミ・レコード WWCC-7978

 ピアノ三重奏団「葵トリオ」は、ヴァイオリン:小川響子、チェロ:伊東裕、ピアノ:秋元孝介の東京芸術大の大学院生と卒業生の3人により2016年に結成された。2018年9月にドイツ南部ミュンヘンで行われたドイツ公共放送ARD主催の第67回「ミュンヘン国際音楽コンクール」のピアノとバイオリン、チェロによる三重奏部門で第1位を獲得。同部門で日本からの入賞は初めて。「葵(AOI)」は、3人の名字の頭文字を取り、花言葉の「大望、豊かな実り」に由来。第28 回「青山音楽賞」バロックザール賞、第29回「日本製鉄音楽賞」フレッシュアーティスト賞を受賞。現在はドイツを拠点に、ミュンヘン音楽大学でD. モメルツに 師事しながら国内外で活動している。

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