クラシック音楽 新譜CD情報


2025年5月19日

★ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団のベートーヴェン:交響曲 第6番「田園」/交響曲 第1番(ライヴ録音)


ベートーヴェン:交響曲 第6番「田園」
        交響曲 第1番

指揮:ジョナサン・ノット

管弦楽:東京交響楽団

録音:2019年7月27日、2023年11月11日(ライヴ録音)

CD:オクタヴィアレコード Exton OVCL-00876

 指揮のジョナサン・ノット(1962年生れ)は、イギリス、ウェスト・ミッドランズ州出身。 ケンブリッジ大学で音楽学を専攻したのち、ロイヤル・ノーザン音楽大学で声楽とフルートを学ぶ。後に指揮に転向。フランクフルト歌劇場などでカペルマイスターを務めた後、2000年バンベルク交響楽団の首席指揮者に就任。ベルリン・フィルなど欧州の主要オーケストラに客演。2014年東京交響楽団第3代音楽監督に就任。2017年スイス・ロマンド管弦楽団音楽監督に就任。

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2025年5月15日

★ヤーノシュ・シュタルケルの芸術~コダーイ: 無伴奏チェロ・ソナタ ほか


<DISC1>

ボタームント-シュタルケル編:パガニーニの主題による変奏曲
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ 作品8
ボタームント-シュタルケル編:パガニーニの主題による変奏曲
                 (ビクタースタジオ録音)
ボタームント-シュタルケル編:パガニーニの主題による変奏曲
                    (杉並公会堂録音)

<DISC2>

シューベルト:チェロ・ソナタ イ短調 「アルペジョーネ」 D.821
フランク:チェロ・ソナタ イ長調

チェロ:ヤーノシュ・シュタルケル

ピアノ:岩崎 淑
    ジェルジ・シェベック

録音:1970年12月4日 ビクタースタジオ/1970年12月5日 杉並公会堂/1971年1月23日 ミラノ

CD:タワーレコード VICTOR X TOWER RECORDS NCS88034

 チェロのヤーノシュ・シュタルケル(1924年―2013年)は、ハンガリー出身。7歳でブダペスト音楽院に入学を許され、幼いときから神童ぶりを発揮していた。11歳でソロ・デビューを果たす。1945年、ブダペスト国立歌劇場管弦楽団およびブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の首席チェロ奏者に就任。同時に、ピアニストのジェルジ・シェベック(1922年―1999年)らとピアノ・トリオを結成した。その後、ヨーロッパ各地で演奏活動を展開し、この時、フランスで録音したもの中に、後にシュタルケルの名を世界的に知らしめることになる、コダーイの無伴奏チェロソナタが含まれる。この録音は、1948年のディスク大賞を受賞した。1948年、アンタル・ドラティの招きでダラス交響楽団の首席チェリストに就任。以後、アメリカを拠点に演奏活動を展開することになる。1949年にはフリッツ・ライナーの招きを受けて、メトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席チェリストに就任。さらに、ライナーに従いシカゴ交響楽団に移籍した。1950年、コダーイの無伴奏チェロソナタを再録音したが、これがセンセーションを巻き起こし、一躍その名を世界中に轟かせることになる。晩年は、インディアナ大学の教授に就任するなど後輩の教育に力を入れた。

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2025年5月12日

★パリ国立オペラ座管弦楽団のヴァイオリニスト大島莉紗のプロコフィエフ: ヴァイオリン・ソナタ集


プロコフィエフ:2台のヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.56
        ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 Op.94a
        無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.115

ヴァイオリン:大島莉紗
       トーマス・ツェートマイアー

ピアノ:シュテファン・シュトロイッスニク

CD:Quartz(海外盤)

 長年、パリ・オペラ座管のヴァイオリニストを務める大島莉紗。待望のプロコフィエフ・アルバム第2弾は、ヴァイオリンのトーマ・ツェートマイアー、ピアノのシュテファン・シュトロイッスニクとの共演盤。

 ヴァイオリンの大島莉紗は、東京出身。桐朋女子高校音楽科を卒業。1997年より渡英。英国国立音楽大学大学院に留学し、フェリックス・アンドリエフスキー氏、トーマス・ツェートマイアー氏に師事する。同大学院修士課程を過去最高点・首席で卒業。2002年ドイツ・ラインランドファルツフィルハーモニー管弦楽団に入団。2003年、パリ国立オペラ座管弦楽団入団。以来、パリ・オペラ座を拠点に、ヨーロッパ各地で、ソリスト・室内楽奏者として多彩な活動を展開している。第18回「リピツァー賞国際ヴァイオリンコンクール」入賞、第9回「ポスタッチーニ国際ヴァイオリンコンクール」入賞、「ヤマハ・ヨーロッパファウンデーションコンクール」優勝を始め、数々のコンクールに入賞。ブログ「パリ・オペラ座からの便り」(https://lisaoshima.exblog.jp/14466277/)。

 ヴァイオリンのトマス・ツェートマイアー(1961年生まれ)は、オーストリア、ザルツブルク出身。地元ザルツブルク・モーツァルテウム大学に学ぶ。1977年にザルツブルク音楽祭でデビューを果たし、1978年に「モーツァルト国際コンクール」にて優勝。翌年にはウィーン楽友協会音楽ホールにデビューした。その後は国際的な主要なオーケストラや指揮者と共演を重ねている。古典派音楽やロマン派音楽のレパートリーの演奏だけでなく、現代音楽の解釈にも活動の重点を置いている。ソリストとしての活動のほかに、室内楽奏者や指揮者としての活動にも携わるようになった。1994年にはツェートマイアー四重奏団を結成。指揮者としては、シュトゥットガルト室内管弦楽団、フランス国立オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ管弦楽団、アイルランド室内管弦楽団の首席指揮者および、ノーザン・シンフォニアの桂冠指揮者を務めている。

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2025年5月08日

カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲 第5番「運命」/第7番


ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」
        交響曲 第7番 イ長調 作品92

指揮:カルロス・クライバー

管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1974年3月、4月、1975年11月、1976年1月、ウィーン

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-46027

 このCDは、伝説の巨匠カルロス・クライバーが名門ウィーン・フィルを指揮した、ベートーヴェンの2大人気交響曲の黄金カップリング盤。今も両曲のベスト録音を選ぶ際には真っ先に挙げられる名盤中の名盤。

 指揮のカルロス・クライバー(1930年―2004年)は、ドイツ生まれ(後にオーストリア国籍取得)の名指揮者であり、父は世界的名指揮者として名高かかったエーリッヒ・クライバー(1890年―1956年)。息子のカルロス・クライバーは、そんな偉大な父親の七光りで有名になった指揮者であったわけではなく、毛並みに加え実力も兼ね備えた指揮者であった。アルゼンチンのブエノスアイレルで育ったカルロスは、1954年に指揮者デヴューを果たす。1968年にバイエルン国立歌劇場の指揮者となると、独力で指揮者としての地位を確固としたものにした。1974年にはバイロイト音楽祭にもデビューを果たしている。さらに1987年には、シカゴ交響楽団を指揮し米国へも進出した。その後クライバーは、一般の指揮者がたどるような特定のオーケストラの音楽監督に就任することはなかった。

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2025年5月05日

★ベルトラン・シャマユのラヴェル生誕150年記念CDアルバム


モーリス・ラヴェル

 3羽の美しい極楽鳥( 「3つのシャンソン」より)
 ダフニスの優雅で軽やかな踊り

ホアキン・ニン(1879-1949)

 ラヴェルへのメッセージ(「一連のワルツ」より)

モーリス・ラヴェル

 花嫁の歌(「5つのギリシャ民謡」より)

サルヴァトーレ・シャリーノ(1947- )

 夜の

モーリス・ラヴェル

 ダフニスとクロエからの交響的断章
   夜想曲―間奏曲―戦いの踊り

アレクサンデル・タンスマン(1897-1986)

 前奏曲 第5番( モーリス・ラヴェルへのオマージュ)

モーリス・ラヴェル

 ハバネラ形式のヴォカリーズ

フレデリック・デュリユー(1959- )

 すべての倒れる者たちのために(モーリス・ラヴェルへのオマージュ)

モーリス・ラヴェル

 ラ・ヴァルス

リカルド・ビニェス(1875-1943)

 メヌエット・スペクトラル(モーリス・ラヴェルを偲んで)

ハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002)

 モーリス・ラヴェルへの哀歌

ベッツィ・ジョラス(1926- )

 しおり紐(モーリス・ラヴェル讃)

アルテュール・オネゲル(1892-1955)

 ラヴェルへのオマージュ(「3つの小品」より)

モーリス・ラヴェル

 ダフニスとクロエの情景

ピアノ:ベルトラン・シャマユ

CD:ワーナーミュージック 2173.260123

 このCDは、ラヴェル作品に対してお互いに向き合い、ラヴェルに敬意を表した作品を組み合わせた、これまでのアルバムが世界的に高い評価を得ているベルトラン・シャマユによる、ラヴェル生誕150年記念アルバム。

 ベルトラン・シャマユ(1981年生まれ)は、フランス、トゥールーズ出身。ロマン派音楽を中心に、ラヴェルや現代音楽の演奏でも知られる。わずか1ヶ月足らずで楽譜が読めるようになった幼少時のシャマユは、しかしとくに執拗な練習をするということはなく、自作曲を自宅のアップライト・ピアノで試奏するなどして過ごしていた。トゥールーズ音楽院のクロディーヌ・ウィロースに、さらにパリ音楽院のジャン=フランソワ・エッセールに師事し、15歳でパリ音楽院に入学。その後、ロンドンにてマリア・クルチオから個人的な指導を受けたほか、レオン・フライシャー、ドミトリー・バシキーロフからも薫陶を受け、マレイ・ペライアからは最大の影響を受けた。2001年「ロン=ティボー国際コンクール」第4位などの受賞歴を持つ。その後世界各国の主要な管弦楽団との共演、音楽祭への出演、室内楽の演奏などを行うほか、ナイーヴ、ソニー・クラシカル、エラート/ワーナー・クラシックスといったレーベルから多くの録音を発表。ロマン派音楽を中心的なレパートリーとするほか、アンリ・デュティユー、ピエール・ブーレーズ、エサ=ペッカ・サロネンといった現代の作曲家の新作の演奏においても存在感を発揮。2015年には芸術文化勲章「シュヴァリエ」を授与されたほか、クラシック音楽「ヴィクトワール賞」を唯一3度受賞している。

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2025年5月01日

★ベアトリーチェ・ラナのバッハ:ピアノ協奏曲集(第1番〜第3番/第5番)


バッハ:ピアノ協奏曲第1番ニ短調BWV1052
    ピアノ協奏曲第2番ホ長調BWV1053
    ピアノ協奏曲第3番ニ長調BWV1054
    ピアノ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056

ピアノ:ベアトリーチェ・ラナ

管弦楽:アムステルダム・シンフォニエッタ

      (コンサートマスター:キャンディーダ・トンプソン)

CD:ワーナーミュージック WPCS-13875

 このCDは、世界的に高く評価されるピアニスト、ベアトリーチェ・ラナの最新アルバムで、J.S.バッハの鍵盤協奏曲のBWV 1052、1053、1054、1056を収録。アムステルダム・シンフォニエッタのコンサートマスターを務めるキャンディーダ・トンプソンが共演し、2022年4月に10公演のツアー後に録音されたもの。既発CDのバッハ:ゴルトベルク変奏曲」に続くバッハの名協奏曲集。

 ピアノのベアトリーチェ・ラナ(1993年生まれ)はイタリア、コペルティーノ出身。4歳でピアノの勉強を始め、 9歳でバッハのピアノ協奏曲ヘ短調を演奏してオーケストラ・デビューを果たす。 モノポリのニーノ・ロータ音楽院でベネデット・ルポに、ドイツのハノーバーにあるハノーバー音楽演劇団のハノーバー音楽演劇でアリエ・ヴァルディに師事。2011年「モントリオール国際ピアノコンクール」優勝および特別審査員賞受賞。2013年「ヴァンクリバーン国際ピアノコンクール」銀賞受賞。2018年、バッハのゴルトベルク変奏曲の録音で「年間最優秀女性アーティスト」部門のクラシックブリットアワードにノミネートされた。現在、ワーナークラシックの専属レコーディングアーティスト。

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2025年4月28日

★元イ・ムジチ合奏団コンサート・マスター フェデリコ・アゴスティーニのバッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ BWV 1001~1003


バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ BWV 1001~1003

ヴァイオリン:フェデリコ・アゴスティーニ

CD:マイスター・ミュージック MM-4540

 ヴァイオリンのフェデリコ・アゴスティーニ(1959年生まれ)は、イタリア、トリエステ出身。故郷のトリエステ音楽院でヴァイオリンを学び、その後ヴェネツィアでヴァイオリンを学び、さらにその後、シエナのアカデミア・キジアーナでヴァイオリンを学ぶ。サルヴァトーレ・アッカルドとフランコ・グリは彼の教師のであった。16歳でソリストとしてデビューし、故カルロ・ゼッキの指揮でモーツァルトを演奏。以来、リサイタリスト、オーケストラのソリスト、イタリア・アンサンブル「イ・ムジチ」のコンサートマスターとして、世界中で演奏活動を行っている。ヨーロッパ、アメリカ、日本のさまざまな国際音楽祭に出演し、ブルーノ・ジュランナ、ハイメ・ラレド、ジョセフ・シルヴァースタイン、ヤーノシュ・シュタルカーなどの多くの著名なアーティストや、アメリカ、エマーソン、ファインアーツ、東京、グァルネリの各カルテットのメンバーと室内楽を演奏してきた。 ヴァイオリニストの川崎洋介氏(現オタワ国立芸術センター管弦楽団コンサートマスター)、ジェームズ・クワイツ氏(元アカデミカ弦楽四重奏団ヴィオラ奏者)、原田貞夫氏(元チェロ奏者で東京弦楽四重奏団創設者)とともに、フェデリコ・アゴスティーニ氏とともにダミーチ弦楽四重奏団を設立し、2004年から活動を開始した。2002年から2012年までブルーミントンのインディアナ大学ジェイコブス音楽院で教鞭をとり、2012年、ニューヨーク州ロチェスターのイーストマン音楽院でヴァイオリン科の教授に任命された。愛知県立芸術大学、及び洗足学園音楽大学の客員教授を務める。現在はアメリカに在住。

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2025年4月24日

★ヨーヨー・マとアンドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団のショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲 第1番/第2番


ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 作品107
          チェロ協奏曲 第2番 ト長調 作品126

チェロ:ヨーヨー・マ

指揮:アンドリス・ネルソンス

管弦楽:ボストン交響楽団

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45121

 このCDは、アンドリス・ネルソンスとボストン交響楽団が10年にわたり取り組んできたショスタコーヴィチ・プロジェクトの一環であり、2025年、ショスタコーヴィチの没後50周年を記念して、2つのチェロ協奏曲を新たに収録。ソリストには、現代を代表するチェリスト、ヨーヨー・マを迎えてた。

 チェロのヨーヨー・マ(1955年生まれ)は、フランス、パリ出身の中国系アメリカ人。古典派から現代音楽までの幅広いレパートリーを持ち、デビュー当時、「テクニックは世界最高」といわれた。父は、中国寧波生まれでオーケストラ指揮者・作曲家。母は、香港生まれで南京国立中央大学出身の声楽家。ヨーヨー・マの両親は中国を離れパリに渡りその後、彼が7歳の時にニューヨークに移り住んだ。5歳にしてすでに観衆を前に演奏を行い、7歳の時にはジョン・F・ケネディの前で演奏、また、8歳でレナード・バーンスタインが行ったコンサートでアメリカのテレビに出演した。1976年ハーバード大学を卒業、人類学の学位を取得。1982年に、バッハの無伴奏チェロ組曲を録音する。1994年から1997年にかけて同曲の再録音を行う。室内楽にも熱心であり、ジュリアード音楽院時代から親密にしていたピアニストであるエマニュエル・アックスなどと共演。1991年に、ハーバード大学から名誉博士号を授与される。2000年、テレビドラマ「ザ・ホワイトハウス」に本人役で出演。「グラミー賞」および「エミー賞」受賞。2010年「大統領自由勲章」が授与された。

 指揮のアンドリス・ネルソンス(1978年生れ)は、ラトビア、リガ出身。ラトビア国立歌劇場管弦楽団の首席トランペット奏者を務め、マリス・ヤンソンス(1943年―2019年)などより指揮を学ぶ。2003年ラトビア国立歌劇場首席指揮者、2006年北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、2006年北⻄ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、2008年バーミンガム市交響楽団首席指揮者・音楽監督を歴任。そして2014年ボストン交響楽団音楽監督に就任し一躍世界の注目を集める。2018年ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターに就任。ボストン響とはショスタコーヴィチの交響曲全曲および歌劇「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を録音しており、このツィクルスは「最優秀オーケストラパフォーマンス賞」、「最優秀アルバム技術賞」、クラシック部門を含む4つの「グラミー賞」に輝いている。また、ゲヴァントハウス管とは好評のブルックナー交響曲ツィクルスを継続。2019年にはベートーヴェン生誕250周年を記念したウィーン・フィルとのベートーヴェン交響曲全曲録音をリリース。

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2025年4月21日

★クリスチャン・ツィメルマン とマリア・ノーヴァク 、カタージナ・ブドニク 、岡本侑也によるブラームス: ピアノ四重奏曲第2番/第3番


ブラームス:ピアノ四重奏曲 第3番 ハ短調 作品60
      ピアノ四重奏曲 第2番 イ長調 作品26

ピアノ四重奏:クリスチャン・ツィメルマン(ピアノ)
       マリア・ノーヴァク(ヴァイオリン)
       カタージナ・ブドニク=ガラズカ(ヴィオラ)
       岡本侑也(チェロ)

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45120

 アマチュア・ピアニストであった父親の影響で、幼い頃から室内楽を親しんでいたというツィメルマン。このCDでは、ツィメルマンが2019年から共演を重ねているヴァイオリニストのマリア・ノーヴァク、ヴィオリニストのカタージナ・ブドニク=ガラズカ、そして日本人チェリストの岡本侑也を迎え、ブラームス:ピアノ四重奏曲」第2番と第3番を収録。

 ピアノのクリスチャン・ツィメルマン(1956年生れ)は、ポーランド、ザブジェ出身。現在、世界で最も高い評価を受けているピアニストの一人。5歳の頃父からピアノを学び、7歳からアンジェイ・ヤシンスキに師事した。学生当時はポーランドでの物資調達が困難で、ピアノ部品の製作・修理を自分で一から手作業で行わなければならなかった。これにより、ツィメルマンのピアノの構造、素材に対する知識が培われた。1973年「ベートーヴェン国際音楽コンクール」優勝。1975年第9回「ショパン国際ピアノコンクール」に史上最年少の18歳で優勝。その後、着実にキャリアを重ねる。1996年スイスのバーゼル音楽院の教職に就き、後進の指導にも当たる。1999年には、ショパン没後150年を記念して、ポーランド人の若手音楽家をオーディションで集めた「ポーランド祝祭管弦楽団」を設立し、ショパンのピアノ協奏曲公演をポーランドやアメリカなどで行った。また、ヘルベルト・フォン・カラヤン、レナード・バーンスタイン、カルロ・マリア・ジュリーニ、小沢征爾、ピエール・ブーレーズ、サイモン・ラトルなど、世界の名指揮者と共演。初来日は1978年で、最近では毎年来日。2005年フランスのレジオン・ドヌール勲章(シュバリエ章)を受章。

 ヴィオラのカタージナ・ブドニク=ガラズカ(1985年生まれ)は、ポーランド出身。ワルシャワのフレデリック・ショパン音楽アカデミーで学ぶ。2008年にチェコで開催された第47回「ベートーヴェン・ハラデック音楽コンクール」で第1位、オーストリアで開催された第15回「ヨハネス・ブラームス国際コンクール」で第1位、第8回「ヤン・ロコフスキ国際ヴィオラコンクール」で第1位、2009年にベルリンで開催された「マックス・ロスタル国際コンクール」で第2位、ゾンダースハウゼンで開催された「マックス・レーガー国際室内楽コンクール」で第2位及び特別賞を受賞。ポーランドを中心にヨーロッパ各国で演奏活動を行っている。

 チェロの岡本 侑也(1994年生まれ)は、ドイツ・ミュンヘン音楽・演劇大学を首席で卒業、同大学院ソロ科を首席で修了。2011年第80回「日本音楽コンクール」第1位及び4つの特別賞、第25回(2014年度)「新日鉄住金音楽賞」フレッシュアーティスト賞、2017年「エリザベート王妃国際音楽コンクール」チェロ部門第2位・イザイ賞、第16回(2017年)「齋藤秀雄メモリアル基金賞」、第28回(2017年度)「出光音楽賞」、第20回(2018年度)「ホテルオークラ音楽賞」を受賞。現在、リサイタルや室内楽はもちろん、尾高忠明、小林研一郎、高関健、下野竜也、ユベール・スダーン、オーギュスタン・デュメイ等の指揮者、ワディム・レーピン等の世界的ソリスト、国内外のオーケストラと共演。

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2025年4月17日

★上岡敏之指揮新日本フィルの交響曲のモーツァルト:第39番/第40番/第41番「ジュピター」


モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 K. 543
       交響曲第40番 ト短調 K.550
       交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」

指揮:上岡敏之

管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

録音:2024年10月、新日本フィルハーモニー交響楽団定期演奏会(ライヴ録音)

CD:オクタヴィアレコード OVCL-00872

 このCDは、新日本フィルの音楽監督在任中は、ブルックナーやマーラー、R.シュトラウスなど壮大な楽曲に多く取り組みCDも多数リリースしてきた上岡敏之が、モーツァルトの後期三大交響曲を指揮した、2024年10月の定期演奏会「すみだクラシックへの扉」のライヴ録音盤。

 指揮の上岡敏之(1960年生まれ)は、東京藝術大学で指揮、作曲、ピアノ、ヴァイオリンを学ぶ。2年後、ロータリー国際奨学生としてハンブルク音楽大学に留学し、クラウスペーター・ザイベルに指揮を師事。キール市立劇場のソロ・コレペティトール及びカペルマイスターとして、歌劇場でのキャリアを開始。エッセンの市立アールト劇場第一カペルマイスター、ヘッセン州立歌劇場音楽総監督、ザールランド州立歌劇場音楽総監督等を歴任。ヴッパータール市立歌劇場インテンダント兼音楽総監督(2015/16シーズン)。2016/2017シーズンよりコペンハーゲン・フィル チーフコンダクター。手兵ヴッパータール響とは2度の日本ツアーも成功させた。日本では新日本フィル、読売日響等と共演。ザールブリュッケン音楽大学指揮科正教授。2007年第15回「渡邊暁雄音楽基金音楽賞」特別賞、2015年第13回「齊藤秀雄メモリアル基金賞」を受賞。2015年4月に新日本フィルハーモニー交響楽団のアーティスティック・アドバイザーに就任(2015年~2016年)。2016年新日本フィルハーモニー交響楽団の音楽監督に就任(2016年~2021年)。2016年コペンハーゲン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任(2016年~2024年)。

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