クラシック音楽 新譜CD情報


2024年2月22日

★ウェールズ弦楽四重奏団のベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第1番/第14番  


ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第1番 ヘ長調 作品18-1
        弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 作品131

弦楽四重奏:ウェールズ弦楽四重奏団

        﨑谷直人(ヴァイオリン)
        三原久遠(ヴァイオリン)
        横溝耕一(ヴィオラ)
        富岡廉太郎(チェロ)

CD:フォンテック:FOCD-9896

 このCDは、2006年に桐朋学園大学の学生、﨑谷直人、三原久遠、横溝耕一、富岡廉太郎の4名で結成されたウェールズ弦楽四重奏団によるベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集の第6集。

 ウェールズ弦楽四重奏団は、2006年桐朋学園大学の学生、崎谷直人、三原久遠、横溝耕一、富岡廉太郎の4名で結成。2008年「ミュンヘン国際音楽コンクール」第3位となり、東京クヮルテット以来38年ぶりの入賞を果たす。2009年に正式デビュー公演を開催。2010年よりバーゼルに拠点を移し、バーゼル音楽院にてライナー・シュミットの下で研鑽を積み、欧州で活動の場を広げる。2011年「バーゼル・オーケストラ協会(BOG)コンクール」においてエクゼコー賞受賞、第7回「大阪国際室内楽コンクール」第3位。2013年に帰国。2016年には結成10周年を迎え、神奈川フィルとの共演でコンチェルト・デビューを果たす。現在、フォンテックにおいて、ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全曲録音が進行中。また、同時に、ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全曲演奏会に取り組み、2017年からiichiko総合文化センター(大分)で、2019年から第一生命ホール(東京)でベートーヴェン:弦楽四重奏曲全曲演奏会を開催。

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2024年2月19日

★イザベル・ファウストなど豪華メンバーによるシューマン:ピアノ四重奏曲/ピアノ五重奏曲


シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.47
      ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44

イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
アンネ・カタリーナ・シュライバー(ヴァイオリン)
アントワン・タメスティ(ヴィオラ)
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ)

CD:キングインターナショナル KKC-6776

 このCDは、シューマンの室内楽作品を収録した一枚。世界最高峰のヴァイオリン奏者ファウスト、フライブルク・バロック・オーケスラの創設メンバーでもある名手シュライバー、ヴィオラ・スペースの音楽監督など日本にもゆかりの深い世界最高のヴィオラ奏者タメスティ、現代からマラン・マレ、どんなジャンルのものも神業の完成度と鋭さで弾いてしまうケラス、そしてスケールが大きく、種々の楽器を神業の完成度で弾き分けるメルニコフ、という豪華メンバー(シュライバーは五重奏に参加)。

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2024年2月15日

★アンヌ・ケフェレックとリオ・クオクマン指揮パリ室内管弦楽団のモーツァルト:ピアノ協奏曲第20番/第27番


モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466 / 第27番 変ロ長調 K.595

ピアノ:アンヌ・ケフェレック

指揮:リオ・クオクマン

管弦楽:パリ室内管弦楽団

CD:キングインターナショナル KKC-6779

 ピアノのアンヌ・ケフェレック(1948年生まれ)は、フランス、パリ出身。父親のアンリ・ケフェリックは著名なフランスの作家で、生涯に80を超える作品を残している。5歳でピアノの演奏を始め、1964年にパリ音楽院に入学。1965年にピアノで、1966年には室内楽でそれぞれプルミエ・プリをとる。その後、パウル・バドゥラ=スコダ、イェルク・デームス、アルフレート・ブレンデルらに師事し、1968年「ミュンヘン国際音楽コンクール」で優勝。以後、国際舞台の中心で演奏をつづける。独奏以外にも、カトリーヌ・コラール、ピエール・アモイヤル、フレデリック・ロデオン、イモージェン・クーパーなどと共演し、室内楽の分野でもよく知られた存在。1990年「ヴィクトワール・ドゥ・ラ・ミュジク(フランス音楽業界賞)」の年間最優秀演奏家賞を受賞。映画「アマデウス」では、ネヴィル・マリナーの指揮の下、ピアノ協奏曲の独奏を担当した。現在、世界を代表するピアニストの一人に数えられており、国際的な舞台で活躍を続けている。

 指揮のリオ・クオクマンは、マカオ生まれ。香港演芸学院、ジュリアード音楽院、カーティス音楽院、ニューイングランド音楽院でピアノと指揮を学び、2014年「スヴェトラーノフ国際指揮者コンクール」で最高位を受賞。2016年までフィラデルフィア管でネゼ=セガンの副指揮。マカオ管弦楽団音楽監督・首席指揮者、香港フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者、マカオ国際音楽祭プログラミング・ディレクター。ウィーン響、フランス放送フィル、トゥールーズ・キャピトル国立管、デトロイト響、ソウル・フィル、上海フィル、台湾フィル、N響、都響といった世界の主要楽団に客演を重ね、フレイレ、ケフェレック、アンゲリッシュ、R. カプソンらの名ソリストと共演し、オペラにも積極的に取り組む。芸術文化の発展への貢献が評価され、香港とマカオの両政府から賞や勲章を授与されている。2021年には香港の”Ten Outstanding Young Persons(10人の傑出した若者たち)”に選ばれた。

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2024年2月12日

★オランダで活躍する名手たちの古楽で聴く ハイドン兄弟の協奏曲集


①ヨーゼフ・ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第4番 ト長調 Hob.VIIa/4
②ミヒャエル・ハイドン:ヴィオラとチェンバロのための協奏曲 ハ長調 P55, MH41

寺神戸亮(①ヴァイオリン、②ヴィオラ)
天野乃里子(チェンバロ、芸術監督)

古楽アンサンブル:室内合奏団「バロックの真珠たち」

           山縣さゆり(ヴァイオリン)
           迫間 野百合(ヴァイオリン)
           森田芳子(ヴィオラ)
           ルシア・スヴァルツ(チェロ)
           ロベルト・フラネンベルク(コントラバス)

録音:2022年9月19~21日、ハールレム、ドープスゲジンデ教会

CD:キングインターナショナル KKC-6785

 このCDは、ハイドン兄弟の協奏曲集。2曲ともあまり録音されないが珠玉の名品。オランダで活動する天野乃里子が設立した古楽アンサンブル「バロックの真珠たち」による演奏で、寺神戸亮も参加。兄ヨーゼフのヴァイオリン協奏曲第4番(1769)は、現存する最後のヴァイオリン協奏曲。エステルハージの宮廷楽団コンサートマスター、ルイジ・トマジーニのために書かれたとされている。弟ミヒャエルのヴィオラとチェンバロ(オルガンでも可)のための二重協奏曲(1762)は、その編成からしてとても珍しいもの。

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2024年2月08日

★千住 明・千住真理子の時代を超えて聴き継がれる名曲集


ジェラシー
トリシャの子守歌~アニメ『鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST』から
サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー~ミュージカル『オー・ケイ』から
あの日
帰れソレントへ
わたしが町を歩くと~歌劇『ボエーム』から
花から花へ~歌劇『椿姫』から
星はきらめき~歌劇『トスカ』から
恋人よ、わが命よ~サルスエラ『マラヴィーリャ』から
人知れぬ涙~歌劇『愛の妙薬』から
私のお父さん~歌劇『ジャンニ・スキッキ』から
誰も寝てはならぬ~歌劇『トゥーランドット』から
君に告げてよ
ザ・クリスマス・ソング

編曲:千住 明

ヴァイオリン:千住真理子

管弦楽:SENJU LAB Grand Philharmonic

CD:avex classics AVCL-84148

 このCDは、名曲を新たなスタンダードに、そしてオリジナル曲を新たなクラシックスに、千住 明が特にアレンジャーとしての手腕を振るい、時代を超えて聴き継がれる楽曲に仕上げたアルバム。

 ヴァイオリンの千住真理子(1962年生まれ)は、東京都出身。1977年第46回「日本音楽コンクール」に最年少15歳で優勝。1979年第26回「パガニーニ国際コンクール」に最年少で入賞。1985年慶応義塾大学文学部哲学科卒業後、指揮者故ジュゼッペ・シノーポリに認められ、1987年フィルハーモニア管弦楽団定期演奏会でロンドンデビュー、さらに1988年サンタチェチリア音楽院管弦楽団定期演奏会でローマデビューを果たす。1999年ニューヨーク・カーネギーホールにおいてソロ・リサイタルを開き成功を収める。1995年「モービル音楽賞(奨励賞)」受賞。

 作曲家、編曲家、音楽プロデューサーの千住 明(1960年生まれ)は、東京都出身。兄は日本画家の千住博、妹はヴァイオリニストの千住真理子。東京藝術大学卒業、同大学院修了(首席)。在学中、南弘明、黛敏郎らに師事。修了作品『EDEN』(コンピュータによる音楽作品)は東京藝術大学買上となり、東京藝術大学芸術資料館に永久保存されている。東京藝術大学作曲科講師、慶應義塾大学文学部講師、2007年からは東京音楽大学客員教授。JASRAC理事。

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2024年2月05日

★日本で”ブーニン・ブーム”を巻き起こした際の公演プログラムをツアー終了後にスタジオ録音したCD


ハイドン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ長調
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331「トルコ行進曲付」
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58

ピアノ:スタニスラフ・ブーニン

録音:1986年8月21日、福島市音楽堂

CD:キングインターナショナル KKC113

 1985年に「ショパン国際コンクール」で優勝したブーニンは、翌夏に日本デビューを果たし、日本の音楽界に空前の”ブーニン・ブーム”を巻き起こした。このCDは、その際の公演プログラムをツアー終了後に福島でセッション録音したもの。

 ピアノのスタニスラフ・ブーニン(1966年生まれ)は、ソヴィエト・ピアノ学校の設立者で、リヒテル等の巨匠を育てたゲンリッヒ・ネイガウスを祖父とし、モスクワで生まれた。17歳で「ロン=ティボー国際コンクール」最年少優勝。モスクワ音楽院に進み、1985年に第11回「ショパン国際ピアノ・コンクール」優勝、あわせてコンチェルト賞、ポロネーズ賞を受賞。この時、優勝した際の様子がNHKの特集番組で放送されたことが発端となり、日本において”ブーニン・フィーバー”などと呼ばれる現象が巻き起った。”ブーニン・フィーバー”を期に、頻繁に日本で演奏会を開催。1989年に東芝EMIと契約し、その最初のリリースCD「バッハリサイタル」が1990年の「日本ゴールドディスク大賞」を受賞。妻は日本人で、日本に在住。

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2024年2月01日

★井上道義指揮ブラームス:交響曲全集 一期一会のブラームス・ライヴCDアルバム


<DISC 1>

ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68
      交響曲 第3番 ヘ長調 作品90

<DISC 2>

ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 作品73
      交響曲 第4番 ホ短調 作品98

指揮:井上道義

管弦楽:京都市交響楽団(第1番)
    新日本フィルハーモニー交響楽団(第2番)
    広島交響楽団(第3番、第4番)

録音:ライヴ収録

    第1番:京都市交響楽団 2022年5月5日
                石川県立音楽堂〈いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭〉
    第2番:新日本フィルハーモニー交響楽団 2021年3月6日 愛知・東海市芸術劇場
    第3番:広島交響楽団 2021年7月9日 広島文化学園HBGホール
    第4番:広島交響楽団 2021年8月1日 呉信用金庫ホール(呉市文化ホール)

CD:オクタヴィア・レコード OVCL-00772

 井上道義がこれまで取り上げる機会の少なかったのが、ブラームスの交響曲。今回、深い信頼関係を築く、京響、新日本フィル、広響とのライヴ録音がCD全集として結実。

 指揮の井上道義(1946年生れ)は、東京都出身。桐朋学園大学で指揮を齋藤秀雄に学ぶ。1971年「グィード・カンテッリ指揮者コンクール」優勝。1983年~1988年 新日本フィルハーモニー交響楽団音楽監督。1990年~1998年 京都市交響楽団音楽監督兼常任指揮者。1998年 フランス政府より芸術文化勲章「シェヴァリエ」を受賞。2007年~2018年オーケストラ・アンサンブル金沢ならびに石川県立音楽堂アーティスティック・アドヴァイザー音楽監督。2014年~2017年大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者。2016年第24回「渡邉暁雄音楽基金」特別賞、「東燃ゼネラル音楽賞」受賞。井上道義は、2024年で引退することを表明している。

 

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2024年1月29日

★2013年結成の弦楽四重奏団「カルテット・アロド」によるフランス近現代の名弦楽四重奏曲集


ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10
アタイール:アル・アスル(午後の祈り)~弦楽四重奏のための~
ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調

弦楽四重奏:カルテット・アロド

       ジョルダン・ヴィクトリア(ヴァイオリン)
       アレクサンドル・ヴ(ヴァイオリン)
       タンギー・パリソ(ヴィオラ)
       ジェレミー・ガルバーグ(チェロ)

 このCDは、弦楽四重奏の世界を愛し、未来へ繋げてゆかんとする革命児「カルテット・アロド」による、フランス近現代の名弦楽四重奏曲集。

 カルテット・アロドは2013年に結成。ジャン・シュレム(ロザムンデ四重奏団の元ヴィオラ奏者)の指導を受ける。2014年よりブリュッセルのエリザベート王妃音楽大学においてアルテミス・カルテットの下で研鑽を積む。このほか、ドビュッシー弦楽四重奏団、エベーヌ弦楽四重奏団、G.タカーチ、東京クヮルテット等の指導も受ける。2014年「FNAPECヨーロッパ・コンクール」第1位、2015年コペンハーゲンで行われた「ニールセン国際室内楽コンクール」では第1位ならびにカール・ニールセン賞および新作演奏賞を受賞、さらに2016年「ミュンヘン国際音楽コンクール」で優勝し、大きな注目を集めた。2016年のエクサン・プロヴァンス音楽祭アカデミーにおいてジャン=ギアン・ケラスの指導を受けた。2016年度にはブリュッセルのパレ・デ・ボザール、パリのサル・コルトー室内楽センターのシーズン・オープニング公演、ベルリンおよびケルンでのデビュー公演、デンマーク・ツアーを行うほか、ヴェルビエ音楽祭、モントルー音楽祭、ブレーメン音楽祭、そしてサロン・ド・プロヴァンス室内楽音楽祭、“ムッシュ・ハイドンのヴァカンス”音楽祭、ドーヴィル音楽祭を始めとするフランスの音楽祭、ハンガリーのカルテッティッシモ音楽祭に出演。

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2024年1月25日

★飯守泰次郎(1940年―2023年)指揮東京シティ・フィルのブルックナー 交響曲 第8番


ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調

指揮:飯守泰次郎

管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

録音:2023年4月7日、サントリーホール<ライヴ録音>

CD:フォンテック:FOCD9894

 作品への情熱的な献身、そして伝説に昇華する導き―日本の演奏史に比類なき足跡を刻み、2023年8月15日に逝去した大指揮者 飯守泰次郎。このCDは2023年4月7日に行われた、東京シティ・フィル特別演奏会の記録。

 指揮の飯森泰次郎(1940年―2023年)は、旧満州・新京出身。1961年、桐朋音楽大在学中に藤原歌劇団公演「修道女アンジェリカ」でデビューを飾る。1966年「ミトロプーロス国際指揮者コンクール」および1969年「カラヤン国際指揮者コンクール」でともに第4位入賞。70年代からバイロイト音楽祭で歴史的公演に参加した後、名古屋フィル、東京シティ・フィル、関西フィル、仙台知フィルの各常任指者を歴任。1973年「芸術選奨」新人賞、第32回2000年度「サントリー音楽賞」、2003年度第54回「芸術選奨文部科学大臣賞」、2004年「紫綬褒章」、2010年「旭日小綬章」、2013年「日本芸術院賞」、2008年「大阪市市民表彰」、2012年「文化功労者」、2015年第56回「毎日芸術賞」をそれぞれ受賞(章)。2014年より芸術院会員を務めた。2014-18年には新国立劇場のオペラ芸術監督を務め、ハリー・クプファー新演出による「パルジファル」を皮切りに、「ニーベルングの指環」を含むワーグナー作品を演奏、そしてカタリーナ・ワーグナーの鮮烈な演出「フィデリオ」でのベートーヴェンの精神を体現する名演で、同劇場開場20周年シーズンを国際的な成功へと導く。東京シティ・フィルハーモニックおよび関西フィルハーモニー管弦楽団の桂冠名誉指揮者。

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2024年1月22日

★遠藤郁子 デビュー50周年とポーランド復興勲章「オフィツェルスキ十字勲章」受章記念リサイタル


ショパン:ノクターン ハ短調 作品48-1
     マズルカ イ短調 作品68-2
     マズルカ ヘ長調 作品68-3
     マズルカ 嬰へ短調 作品6-1
     マズルカ イ短調 作品17-4
     ポロネーズ 嬰ヘ短調 作品44
     ポロネーズ 変イ長調 作品53「英雄」
     ポロネーズ 変イ長調 作品61「幻想」
     ノクターン 嬰ハ短調 遺作

ピアノ:遠藤郁子

録音:2015年10月、東京オペラシティ リサイタルホール(東京)<ライヴ録音>

CD:カメラータトウキョウ CMCD-28390

 「90年の人生で初めて霊感で弾かれたショパンを聴いた」(ペルルミュテル)、「イクコ・エンドウ、偉大なるピアノの才能」(ルビンシュタイン)などと世界から絶賛された遠藤郁子の演奏は、国内外に根強いファンを持つ。このCDは、2015年に東京オペラシティのリサイタルホールで、遠藤郁子のデビュー50周年とポーランド復興勲章「オフィツェルスキ十字勲章」受章を記念して行われたリサイタルより、ショパン9作品の演奏を収録したライヴ録音盤。

 遠藤郁子(1944年生まれ)は、東京都出身。幼時に北海道へ移住する。小学校のとき全日本学生音楽コンクール東京大会にて2位入賞(1位は野島稔)。藤女子学園中学校を経て、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校在学中の1962年に、日本音楽コンクールピアノ部門第2位。東京藝術大学に進み、1965年第7回「ショパン国際ピアノコンクール」で特別銀賞を受賞。同年大学1年生の時、安宅賞受賞したが中退してポーランドに留学、ルードヴィク・ステファンスキ、ハリーナ・チェルニー=ステファンスカに師事。1970年再度「ショパン国際ピアノコンクール」に出場し8位に入賞し、同時に奨励賞を受賞。1974年からはパリに在住。自らがんとの長い闘病生活を経て、再度、ピアニストとして復活を果たす。2冊のエッセイ集「いのちの声」(海竜社)と「いのちの響き」(同)は、苦しみを負った人びとから、現在に至るまで静かに長く読みつがれている書籍となっている。彼女の演奏やCDが、不幸を背負った人々に、生きる力をもたらしたことから“奇跡のピアニスト”あるいは“癒しのピアニスト”と呼ばれるようになる。NPO法人「まずるか北海道」を母体にボランティア活動を、1987年以来精力的に続ける。1980年日本ショパン協会賞。1997年松本市長より表彰を受けた。1985年「ユーゴスラビア・オフリッド・フェスティバル25周年記念功労賞」を受賞。2015年ポーランド復興勲章「オフィツェルスキ十字勲章」受章。これまで「ショパン国際ピアノコンクール」(ワルシャワ)、「ヴィアンナ・ダ・モッタ国際コンクール」(ポルトガル)などの審査員を務めた。また、アルド・チッコリー二の後継者として、伝統ある「オフリッド・サマー・フェスティヴァル(オフリッド・ユーゴスラヴィア)」の講師を5年間勤めたのに加え、東京芸術大学講師などを歴任。

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