2025年4月07日

モーツァルト:セレナード第10番「グラン・パルティータ」K.361
藤倉 大:グラン・パルティータ
室内楽アンサンブル:インターナショナル・ウィンド・サミット
フィリップ・トーンドゥル(オーボエ)
荒木奏美(オーボエ)
ニコラ・バルディルー(クラリネット)
松本健司(クラリネット)
金子 平(クラリネット)
橋本杏奈(クラリネット)
小山莉絵(ファゴット)
助野由佳(ファゴット)
サボルチ・ゼンプレーニ(ホルン)
福川伸陽(ホルン)
チャン・ユーフイ(ホルン)
熊井 優(ホルン)
中木健二(チェロ)
幣 隆太朗(コントラバス)
CD:キングレコード KICC-1624
ホルニストの福川伸陽が、室内楽アンサンブル「インターナショナル・ウィンド・サミット」を2024年に創設し、モーツァルトの名曲「グラン・パルティータ」と藤倉大の新作「グラン・パルティータ」のコンサートを開催。コンサート・ライヴおよび翌日にセッション・レコーディングを行ったのがこのCD。
ホルンの福川伸陽(1981年生まれ)は、神奈川県出身。丸山勉、田中正大にホルンを師事。2000年に武蔵野音楽大学に入学、2003年日本フィルハーモニー交響楽団のホルン首席奏者として活動を開始。第77回(2008年)「日本音楽コンクール」ホルン部門第1位。2013年よりNHK交響楽団のホルン奏者として活動し、2015年4月に首席奏者に就任。2021年3月NHK交響楽団を退団。2024年室内楽アンサンブル「インターナショナル・ウィンド・サミット」創設。東京音楽大学准教授。
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2025年4月03日

ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調 M. 83
左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調 M. 82
ピアノ:チョ・ソンジン
指揮:アンドリス・ネルソンス
管弦楽:ボストン交響楽団,
CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45115
2015年第17回「ショパン国際ピアノ・コンクール」で優勝、ポロネーズ賞も同時受賞し、以降国際的な脚光を浴びているピアニスト、チョ・ソンジン。これは、1月発売の「ラヴェル:ソロ・ピアノ作品全集」とあわせて、2025年のモーリス・ラヴェルの生誕150周年記念したCDアルバム。共演者にアンドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団を迎え、ラヴェルの2曲の協奏曲を収録。
ピアノのチョ・ソンジン(1994年生まれ)は、韓国、ソウル出身。2008年「青少年のためのショパン国際ピアノ・コンクール(モスクワ)」第1位、2009年第7回「浜松国際ピアノコンクール」最年少(15歳)にして優勝。2011年「チャイコフスキー国際コンクール」ピアノ部門第3位。2015年第17回「ショパン国際ピアノコンクール」優勝。同コンクールでの優勝は、アジア人としては、ベトナムのダン・タイ・ソン(1980年)と中国のユンディ・リ(2000年)に続き3人目の快挙。
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2025年3月31日

リスト:「十字架の道行」S. 53
「コンソレーション」 S. 172(全曲)
「詩的で宗教的な調べ」S. 173(2曲)
ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス
合唱指揮:グレーテ・ペーデシェン
合唱:ノルウェー・ソロイスト合唱団
CD:ソニーミュージック SICC-30906
アンスネスがリスト作品の録音に取り組むのは、2001年旧EMI発売のリスト作品集以来のこと。アンスネスの新録音は、19世紀ヨーロッパ音楽界を席巻した作曲家リストが最晩年に心血を注いだピアノ独奏付きの大作合唱曲「十字架の道行」。カップリングは、リストのピアノ曲では「愛の夢」と並ぶ代表作「コンソレーション」の全曲、そして「詩的で宗教的な調べ」からの2曲。
ピアノのレイフ・オヴェ・アンスネス(1970年生まれ)は、ノルウェー出身。ベルゲン・グリーグ音楽院で学び、1987年にオスロにてデビュー。その後はアムステルダムやボローニャ、ロンドン、ミュンヘンなどでリサイタルを行う。1987年「フランクフルト・ヒンデミット・コンクール」優勝。これまでに、ノルウェー批評家賞、ロサンジェルス・ドロシー・チャンドラー賞、ドイツ・レコード批評家賞(1997年)、ロイヤル・フィルハーモニー協会賞(2000年)、グラモフォン・アワード最優秀器楽曲賞(2002年)などを受賞。室内楽奏者としても名高く、リソル室内楽フェスティバルの芸術監督に就任している。北欧を代表する実力派ピアニストの一人として高い評価を得ている。
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2025年3月27日

R.シュトラウス:アルプス交響曲
交響的断章(バレエ音楽)「ヨゼフ伝説」
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
管弦楽:NHK交響楽団
CD:ソニーミュージック SICC 19085
このCDは、パーヴォ・ヤルヴィがNHK交響楽団首席指揮者としてのプログラミングと録音プロジェクトの中心に置いてきたR.シュトラウスのオーケストラシリーズの完結編。
指揮のパーヴォ・ヤルヴィ(1962年生まれ)は、エストニア、タリン出身(現在の国籍はアメリカ合衆国)。父は著名な指揮者ネーメ・ヤルヴィ(1937年生まれ)。カーティス音楽院で指揮を学び、その後ロサンジェルス・フィルハーモニック音楽学校でレナード・バーンスタインなどに学ぶ。2001年にシンシナティ交響楽団首席指揮者に就任。1995年の初来日以来、日本での演奏回数も多い。シンシナティ交響楽団首席指揮者、hr交響楽団首席指揮者、パリ管弦楽団首席指揮者、NHK交響楽団首席指揮者(現在名誉指揮者)を歴任。2004年からドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団芸術監督、2019年からチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団首席指揮者兼音楽監督を務めている。
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2025年3月24日

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 作品35
ピアノ協奏曲 第2番 ヘ長調 作品102
前奏曲 嬰ヘ短調 作品87の8a
前奏曲 イ短調 作品87の2a
フーガ イ短調 作品87の2b
前奏曲 ニ長調 作品34の5
前奏曲 変ニ長調 作品87の15a
フーガ 変ニ長調 作品87 No.15b
ピアノ:ユジャ・ワン
指揮:アンドリス・ネルソンス
管弦楽:ボストン交響楽団
CD:ユニバーサルミュージック UCCG-45122
アンドリス・ネルソンスとボストン交響楽団が10年にわたり取り組んできた「ショスタコーヴィチ・プロジェクト」は、これまでにグラミー賞「最優秀オーケストラ・パフォーマンス」を3度受賞し、このコンビによるショスタコーヴィチの解釈は世界的に高く評価されている。2025年、ショスタコーヴィチの没後50周年を迎えるにあたり、スター・ピアニスト、ユジャ・ワンをソリストに迎え、2つのピアノ協奏曲を録音。その他にも、ショスタコーヴィチのピアノ・ソロ曲を6曲収録。
ピアノのユジャ・ワン (1987年生れ) は、中国、北京出身。北京の中央音楽学院で学ぶ。2003年ヨーロッパデビューに続き、2005年アメリカでズーカーマン指揮オタワ・ナショナル・アーツ・センター管弦楽団とメジャー・コンサート・デビューを果たす。以後”スター誕生”と注目され、2006年最も有望な21歳以下のピアニストに与えられる「ギルモア・ヤング・アーティスト賞」受賞。以降、シカゴ響、ニューヨーク・フィル、ボストン響、サンフランシスコ響、サンクトペテルブルク・フィル等の一流オーケストラへの客演およびリサイタルなどで高い評価を受けている。2024年第66回「グラミー賞」(最優秀クラシック器楽ソロ部門)受賞。
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2025年3月20日

ソル:幻想曲「二人の友」作品41
スカルラッティ(フェルナンデス編):ソナタ K. 213/K. 492
バッハ(福田進編):協奏曲 ニ短調 BWV 974
サントルソラ:ソナタ・ア・デュオ 第1番
バッハ(福田進一編):協奏曲 ニ短調 BWV 974
ヒナステラ(バルボサ=リマ編):サンバとガト
ピアソラ(エストラダ編):来るべきもの
ギター:福田進一
エドゥアルド・フェルナンデス
CD:マイスターミュージック MM-4537
1995年以来、30年に亘りデュオの演奏会を世界各地で断続的に行ってきた福田とフェルナンデス。このCDは、その難易度の高さゆえか録音が希少なF.ソルとG.サントルソラのオリジナル2作品に、奏者二人がそれぞれ編曲したバロック4作品を軸に編まれた、他では聴けないプログラムを収録。
ギターの福田進一(1955年生まれ) は、大阪市出身。関西大学商学部を中退した後、1977年6月よりパリに留学。エコール・ノルマル音楽院にてアルベルト・ポンセに師事し、同音楽院を首席で卒業。続いてイタリアのキジアーナ音楽院にてオスカー・ギリアに師事し、最優秀ディプロマを取得。1981年「パリ国際ギターコンクール」でグランプリ優勝。それ以降、ソリストとして世界各地で公演やマスタークラスを開催するとともに、様々なオーケストラと協演している。教育活動にも力を注ぎ、その門下から鈴木大介、村治佳織、大萩康司といったギター界の実力派スターたちを輩出。それに続く新人たちにも強い影響を与えている。現在は、世界各地の音楽大学でマスタークラスを開催、上海音楽院(中国)、大阪音楽大学、広島エリザベト音楽大学、アリカンテ大学(スペイン)において客員教授を務めている。2003年、スペイン音楽第2集「セビリア風幻想曲」が第58回「文化庁芸術祭賞」優秀賞受賞。2007年、日本の優れた音楽文化を世界に紹介した功績により外務大臣表彰。平成23年度(2012年)芸術選奨・文部科学大臣賞をギタリストとして初めて受賞した。公益社団法人日本ギター連盟名誉理事。
ギターのエドゥアルド・フェルナンデス(1952年生まれ)は、ウルグアイ出身。現代のギター界をリードする存在として世界的に認められている。7才からギターを学び始め、演奏をA. カルレバーロ、作曲と理論をG. サントルソラ、そしてH. トサールに師事したのち、その圧倒的な技術と音楽性によって、72年「ポルト・アレグレ」(ブラジル)、75年「ラジオ・フランス」(パリ)、77年「アンドレス・セゴビア」(マジョルカ島/スペイン)など数々の国際ギター・コンクールに入優勝を果たし、頭角を現した。「最高級のギタリスト!…これは稀に見る、あらゆる楽器を超越した印象的なデビューだ」と評された77年のニューヨーク・デビュー以来、その世界的活動は止む所を知らない。83年のロンドン・デビューも聴衆に大きな衝撃を与え、名門デッカ・レコードと契約。さらに、世界各国での教育活動にも力を入れている。また、「ギター演奏理論」「バッハのリュート音楽に関するエッセイ集」などを執筆。日本でも出版(現代ギター社刊)されている。
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2025年3月17日

グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ヘ長調 作品8
ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ト長調 作品13
ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 作品45
ヴァイオリン:前田妃奈
ピアノ:久末 航
CD:オクタヴィアレコード OVCX-00099
特典映像【DVD】(初回限定パッケージのみ)
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番より 第3楽章
ヴァイオリン・ソナタ 第3番より 第2楽章
ヴァイオリンの前田妃奈(2002年生まれ)は、大阪府出身。東京音楽大学付属高等学校を経て、 東京音楽大学に特別特待奨学生として学ぶ。2019年第88回「日本音楽コンクール」第2位および岩谷賞(聴衆賞)、2020年第18回「東京音楽コンクール」弦楽部門第1位および聴衆賞受賞。このほか「クロスターシェーンタール国際ヴァイオリンコンクール」第1位、「クロンベルクアカデミースカラシップ賞」、「霧島国際音楽祭賞」、「松方ホール音楽奨励賞」など、国内外のコンクール、オーディション、マスタークラスでの受賞多数。そして、2022年第16回「ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリンコンクール」で優勝(前田妃奈の優勝は、第8回の漆原啓子以来41年ぶりの快挙)し、同時にヴィエニアフスキ・コンチェルト賞、カプリス賞、ソナタ賞、ベートーヴェン・ブラームス作品賞の4つの特別賞も受賞し、一躍世界の注目を浴びる。2022年から2023年には20カ国、60地域での演奏会、東京、大阪でのリサイタル、オーケストラと共演。令和4年度「大阪文化祭奨励賞」、2023年度第25回「ホテルオークラ音楽賞」、2024年第33回「出光音楽賞」を受賞。
ピアノの久末 航は、14歳で京都青山音楽記念館バロックザールにてピアノリサイタルを催し、2009年度「青山音楽賞」新人賞を史上最年少で受賞。平成25年度「平和堂財団芸術奨励賞」音楽部門受賞。ドイツ・フライブルク音楽大学を最優秀の成績で卒業。パリ国立高等音楽・舞踊学校での交換留学を経て、ベルリン芸術大学大学院で学ぶ。第32回「ピティナ・ピアノコンペティション」Jr.G級金賞、第7回「リヨン国際ピアノコンクール」第1位および聴衆賞、またドイツで最も歴史あるコンクール「メンデルスゾーン全ドイツ音楽大学コンクール」では第1 位および Deutscher Pianistenpreis賞を受賞。2017年には、世界的に権威ある第66回「ミュンヘン国際音楽コンクール」で第3位、および委嘱作品の最も優れた解釈に対して贈られる特別賞を受賞し、一躍注目を浴びる。
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2025年3月13日

ベートーヴェン: ピアノ協奏曲全集(第1番~第5番)
合唱幻想曲
ピアノ:ダニエル・バレンボイム
指揮:オットー・クレンペラー
管弦楽:ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
CD:タワーレコード(ワーナーミュージック)2173244918 (2023年リマスター)
ダニエル・バレンボイム(1942年生れ)は、アルゼンチン出身で現在の国籍はイスラエル。両親からピアノの指導を受け、少年時代から音楽の才能を発揮する。7歳のときブエノスアイレスで最初の公開演奏会を開いた。1952年家族を挙げてイスラエルに移住。同年ピアニストとしてヨーロッパ・デビューを果たす。1957年にはニューヨークのカーネギー・ホールで米国デビュー。ピアニストとしての名声を確固たるものとした後、1966年からイギリス室内管弦楽団と弾き振りでモーツァルトのピアノ協奏曲の録音を開始し、指揮者としてのデビューも果たす。パリ管弦楽団首席指揮者、シカゴ交響楽団音楽監督、ミラノ・スカラ座音楽監督、ベルリン国立歌劇場音楽総監督、シュターツカペレ・ベルリン音楽監督を歴任。2019年ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団名誉指揮者に就任。これまで「ウルフ賞」、「グラミー賞」、「高松宮殿下記念世界文化賞」など多数の受賞歴を持つ。ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート指揮者は、これまで3回(2009年、2014年、2022年)務めている。
指揮のオットー・クレンペラー(1885年―1973年)は、ドイツ、ブレスラウ(現在のポーランド・ヴロツワフ)出身の指揮者で、20世紀を代表する指揮者の一人。ドイツ圏の古典派・ロマン派から20世紀の音楽まで幅広いレパートリーを持つ。
フランクフルトのホッホ音楽院で学んだ後、22歳でグスタフ・マーラーの推挙を受け、プラハのドイツ歌劇場の指揮者になる。以後、ハンブルク、ストラスブール、ケルン、ヴィースバーデンの歌劇場で指揮者を務める。1921年にはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団にデビュー。48歳の時(1933年)、ナチス政権樹立に伴い、スイスを経由しアメリカ合衆国へ亡命する。亡命後、クレンペラーはロサンジェルス・フィルハーモニックの指揮者となり、オーケストラの水準を大きく向上させる。1939年に脳腫瘍に倒れたクレンペラーは、言語障害や身体の麻痺といった後遺症との戦いを余儀なくされる。第二次世界大戦後はヨーロッパに帰還を果たし、62歳(1947年)でブダペストのハンガリー国立歌劇場の監督に就任。また世界各地のオーケストラにも客演する。1952年にEMIとレコード契約を交わす。1954年(69歳)からフィルハーモニア管弦楽団とレコーディングを開始し、EMIから多くのレコードをリリース。これにより、忘れられていた彼の名は広く知れ渡り、巨匠として世界的な名声を得る。そして1959年8月にフィルハーモニア管弦楽団初の常任指揮者に就任。クレンペラーとフィルハーモニア管弦楽団の関係は、楽団が1964年にニュー・フィルハーモニア管弦楽団として新しいスタートを切った後も変わることなく続いた。
フィルハーモニア管弦楽団は、イギリスのオーケストラで、1945年にEMIの名プロデューサー・ウォルター・レッグによって創設された。本拠地は1995年よりロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール。イギリス経済の衰退により1964年フィルハーモニア管弦楽団は、自主運営組織によるニュー・フィルハーモニア管弦楽団として再出発することになった。新組織による初コンサートは同年10月27日、楽団の名誉総裁となったクレンペラーの指揮、曲目はベートーヴェンの交響曲第9番。1977年からは再びフィルハーモニア管弦楽団の名称を回復することになる。歴代首席指揮者は、オットー・クレンペラー (1959年 – 1973年)、リッカルド・ムーティ (1973年 – 1982年)、ジュゼッペ・シノーポリ (1984年 – 1994年)、クリストフ・フォン・ドホナーニ (1997年 – 2008年)、エサ=ペッカ・サロネン (2008年 – 2021年)、サントゥ=マティアス・ロウヴァリ (2021年 – )
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2025年3月10日

チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲
バルトーク: ヴァイオリン協奏曲第2番
ヴァイオリン:潮田益子
指揮:森 正
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
CD:COLUMBIA X TOWER RECORDS(The Valued Collection Platinum)TWSA1180(2024年マスタリング)
このCDは、ヴァイオリン:潮田益子、指揮:森 正という、戦後の日本のクラシック音楽界の至宝ともいうべき二人が共演した貴重な録音。
ヴァイオリンの潮田益子(1942年―2013年)は、満洲出身。15歳で日本音楽コンクールヴァイオリンの部第1位及び特賞受賞。桐朋学園高校卒業後、旧ソ連政府に招待され、レニングラード音楽院に3年間留学。留学中の1963年、「エリザベート王妃国際音楽コンクール」第5位入賞。1964年よりヨーゼフ・シゲティに師事。1965年に欧米デビュー。1966年第3回「チャイコフスキー国際コンクール」第2位。水戸室内管弦楽団の主要メンバーとして活躍し、サイトウ・キネン・フェスティバル松本にもたびたび出演。ボストンのニューイングランド音楽院教授を務め、ソリストとしても国際的に活躍した。
指揮の森 正(1921年―1987年)は、大阪市出身。東京音楽学校(現・東京芸術大学)器楽科に入学。1942年、同校卒業し、フルート奏者として正式にデビュー。1943年、東京放送管弦楽団に入団。戦後は、1948年頃、東京フィルハーモニー交響楽団を指揮して指揮者としてデビューを果たす。1952年東京交響楽団の常任指揮者に就任。さらに京都市交響楽団常任指揮者(1962年~1966年)、東京都交響楽団常任指揮者(1967年~1972年)を歴任。1979年、NHK交響楽団正指揮者に就任。1980年第31回「NHK放送文化賞」受賞。1984年「紫綬褒章」受章。
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2025年3月06日

ベートーヴェン(リスト編曲):交響曲第7番イ長調 Op.92より 第2楽章 アレグレット
シューマン:ベートーヴェンの主題による自由な変奏形式の練習曲 WoO31
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 Op.54
ベートーヴェン(リスト編曲):受け取ってください、この歌を(連作歌曲集 《遥かな恋人へ寄せて」 Op.98より)
シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17
ニコライ・ホジャイノフ:平和の花びら
ピアノ:ニコライ・ホジャイノフ
CD:Rondeau(輸入盤)(TMP XROP- 6274)
ベートーヴェンの没後、生地ボンに記念碑を建てることになった。その費用捻出のため、当時の作曲家が作曲やコンサートなどを行ったが、このCDは、これらの中からホジャイノフが選んだ曲が収録されている。
ピアノのニコライ・ホジャイノフ(1992年生まれ)は、ロシア極東のブラゴヴェシェンスク(中国国境を流れるアムール川沿いの州都)出身。5歳でピアノを始め、その才能を見出された。その後モスクワ中央音楽学校で勉強を続け、7歳の時、モスクワ音楽院大ホールでヘンデルのピアノ協奏曲を弾いてデビュー。2010年からはチャイコフスキー記念モスクワ音楽院で学び、最優秀生徒メダルを授与されて卒業。その後、ハノーファー音楽大学で学ぶ。2011年、東日本大震災の日に初来日。2018年1月15日東京・港区のサントリーホールで行われたワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートにおいて天皇・皇后臨席のもと演奏を行った。これまでに、東京交響楽団、シドニー交響楽団、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、チェコ国立シンフォニーオーケストラ、ロシア国立オーケストラ、読売日本交響楽団、アイルランド国立交響楽団などと共演している。2024年7月の来日コンサートでは、自作曲「平和の花びら」「ファンタジー」の二つの日本初演を行った。日本好きとしても知られ、平家物語や方丈記などの日本文学も愛読。歌舞伎を好み、また自作の俳句を披露することもある。日本語でのメッセージ動画が毎回話題になっている。
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